32 事後処理&海賊の宝
ヒャッハー大金持ちだ~
まずはトーマスさんの事務所に保護した人を連れて来た
その後俺はいったん詰所に行って倒した海賊の死体を置いて来た、後日報奨金が出るそうだ
それと海賊の所持していたお宝も提出しておいた、こちらも後日受け渡すそうだ
現在はトーマスさんの事務所に来ている
トーマスさんは無事に帰ってきた従業員と冒険者の家族や知り合いと各ギルドに報告しに行っている
どれくらいの時間が経っただろうか、2時間くらいだと思う、トーマスさんが帰って来た
疲れている様子だが、顔には安堵と笑顔が溢れている、肩の荷が下りたと言うやつだろう
「ベーダー様大変お待たせいたしました、改めてお礼申し上げます」
「なに、ちょっと様子見に行ったらたいした事無い連中だったからな、まとめて殲滅しただけだよ」
「普通はお一人で海賊を殲滅なんて出来ませんよ、ベーダー様じゃなければ従業員たちは今頃....」
「無事だったってのが何よりだろう、それと海賊の船を拿捕したんだがどうしたら良いと思う?」
「船でしたら海運ギルドに売却するのが1番では無いでしょうか?」
「トーマスさんが使うとかはしないで良いのか?」
「あいにくと私の所持してる倉庫では、複数の船の所有には向いて無いのです」
「そうなんだ、そう言えば海運業を始めたばかりって言ってたね」
「そうなんですよ、船の所持にも税金がかかりますし金銭的に厳しくなってしまいますので」
「そういや海賊のお宝に、宝石や宝飾品と貴金属とか金になりそうなのがあったな、トーマスさんが
売りさばいてくれるなら格安で提供しますよ、どうします?」
「宜しいんですか?ベーダー様がかなりの損失を出す事になるのでは?」
「はっはっは、元々海賊の持ち物だった物、泡銭ってやつですよ、信頼できる商人に売ってもらえれば
こっちとしても安心できますしね、手元に戻ってきたら持ってきますよ」
「はい、よろしくお願いいたします」
「それじゃ今日の所はこれで失礼します、帰りに海運ギルドに行ってきます」
「本日は誠にありがとうございました、後日お待ちしております」
トーマスさんの事務所を出て教えて貰った海運ギルドに向かった
「いらっしゃいませ、本日はどのようなご用件でございますか?」
「海賊の船を3隻拿捕したんだが、それを引き取って貰いたい」
「海賊船3隻でございますね、大きさや船の型などはどのような物ですか?」
「小型のジャンク船2隻と中型のジャンク船1隻だ」
「畏まりました、査定員を派遣しますので何処に停泊中かお伺いしてもよろしいですか?」
「船はちょっと特殊な事情で俺が所持してる、出しても良い場所に案内してくれればそこに出すよ」
「はぁでしたら3番格納庫が空いてますのでそちらにお願いいたします」
3番格納庫とやらに案内された、かなり大きなドックだ、大型の船も格納できそうだな
「ここに出して構わんのかな?」
「こちらにお願いいたします」
俺は収納から3隻の船を取り出した
バシャン、バシャン、ドッッボォン
「この3隻だ、引き取りを頼みたい」
「さ、査定員が査定致しますので少々お待ちください」
大慌てで10人ほどの査定員達が船を調べ始めた
30分ほど待合室で待ってると受付の女性が入って来た
「3隻の査定が終わりました、小型船は2隻とも2ディアルム、中型船は5ディアルムになります」
「ふむ、それで構わない、お金はすぐに貰えるのかな?」
「はい、すでにご用意させて頂いております、ご確認ください」
「うん、確かに、それじゃ失礼するよ」
「本日はご利用頂きありがとうございました、またのご利用をお待ちしております」
海運ギルドを後にした、そこそこのお金になった、後は海賊の宝の受け渡しが終われば大金持ちだ
それだけじゃなく宝石や宝飾品なんかもトーマスさんに売ればかなりの金になりそうだ
海賊退治って金になるんだな~
それから2日後、詰所から連絡があり報奨金と海賊の宝を受け渡したいとの事だ
早速詰所に行ってきた、報奨金は10ディアルムと結構な金額だった
海賊の宝も全部回収出来た、違反品や危険物などは無かったようだ
金目の物についてはトーマスさんと相談が必要なのでトーマスさんの事務所にやって来た
「ベーダー様、ようこそいらっしゃいました、どうぞこちらに」
応接室に案内された
「今日詰所から連絡があってな海賊のお宝を回収してきた、宝石と宝飾品と貴金属を捌いて欲しい」
「私が買い取り交易で売ると言う事で宜しいですか?」
「勿論原価で買い取って貰って構わんぞ」
「それではベーダー様が損をしてしまうじゃないですか」
「いや、元々ただで手に入った物だ、原価で売っても大儲けだよ、それにトーマスさんの食料品なんだが
俺が全部保管してるし、これはもう時間的に売り物には出来ないだろう、だから俺が全部貰う事にした」
「そうでしたか、それでもかなりの儲けを失っていませんか?」
「そこはトーマスさんには今後も何か手に入ったら捌いて貰いたいと思ってるんだ」
「それでしたら喜んでお受けいたします、品物は多いのでしょうか?」
「結構な量があるぞ、海賊がかなり溜め込んでいたからな」
「それでしたら倉庫の方にお願いいたします」
1階の倉庫に海賊のお宝を取り出した
「おお、これは壮観ですな~早速査定致しますので応接室でお待ちください」
応接室で1時間ほどトーマスさんの持ち物だった食料品を食べながら査定が終わるのを待った
「ベーダー様、大変お待たせいたしました、本当に原価でお譲りくださって良いのですか?」
「良いぞ、まぁどうしてもお金が必要になったらトーマスさんから貸して貰うとするよ」
「はっはっは、それは良いですな、無利子無担保でお貸ししますぞ、ではこちらが明細になります」
「これはすごいな、宝石だけでも80ディアルム、宝飾品50ディアルム、貴金属60ディアルムか」
「合計で190ディアルムですよ、しかも原価でですよ」
「お金の方は交易で売れたらその利益から支払ってくれ、今の状況じゃお金が手元にないだろう?」
「はい、実はそうなのです、ベーダー様のご厚意にすがるようで申し訳ないのですが...」
「良いってこった、トーマスさんには前に世話になったんだこれくらい何て事無いさ」
「ありがとうございます、早速明日から交易を再開したいと思います」
「護衛とかは大丈夫そうか?海賊団を1個潰したとはいえまだまだいっぱい居るんだろう?」
「はい、今度は商船団を募って守りを固めようと思ってます、5隻からなる船団に加わる予定なのです」
「おお、そうかそれなら一安心って所だな、流石に船団を襲う海賊はそうそう居ないだろうしな」
「それとベーダー様が討伐した海賊のアジトは今海兵隊が巡回してるそうなんです」
「あの島は良い立地だったしな、海賊にとっては良い場所だったろう、他の奴が住み着いても困るしな」
「ですがずっと巡回できる訳でも無いんですよ何しろ人手不足ですからね、今だけ安全な航路なんです」
「巡回が出来なくなったらどうなるんだ?」
「何も手を打たないとまた海賊が住み着くかもしれませんね、手があるとすれば誰かが所有する事です」
「あの島を誰かが買うって事か?」
「はいそうです、海運ギルドと冒険者ギルドと領主様で取り決めがありましてね、かなりの金額ですが
有力な人物に買って頂いて島を管理して貰おうと言う取り決めがあります」
「へ~そんな取り決めがあったんだ、因みにいくらくらいになるんだ?」
「あの島はまだ海兵隊が視察してる段階なので金額は分かりませんが、他の島では300~500くらい
だったと思います、勿論単位はディアルムです」
「それはさすがに高い買い物だな、でも島が手に入るってのは夢があるね~」
「今回のお宝が全部売れたらベーダー様も手が届くかもしれませんね~」
「はっはっは、もし手が届くなら買っても良いな~あの島はかなり良かったぞ、何より景色が良い」
「ベーダー様が島をご購入できるようにがんばってお宝を売ってまいります」
「わっはっは~」
「ふっふっふ」
お互い笑いあい別れた
島を手に入れるのも良いなと思いつつ就寝した
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