30 トーマスとの再会&海賊の影
商人との再会
気分の良い朝だ~
流石に昨日あれだけ狩ったからな、今日は散策でもするかな~
宿で朝食を食べ街へ繰り出した
こっちの方には来た事が無かったな
うーん、飯屋とかが無いっぽいな
事務所的な建物が並んでるからオフィス街って所かな
こっちは倉庫街って雰囲気だな、ますます飯屋系が無い雰囲気だ
海が近いから埠頭の倉庫街だな
おおお、巨大な滑車付きクレーンがある、所謂ガントリークレーンってやつか
元の世界のに比べたら5分の1位の大きさだけど立派な物だな
ここで大きな積み荷を船から降ろして荷馬車で運ぶのか、規模こそ小さいが運送の基礎が確りしてるな
港町としてこれだけ栄えてるのも納得だな
ん、あれは、あ!商人のトーマスさんだ
久しぶりだな~こっちに戻ってたんだ、でもなんかぼーっとしてないか?覇気が無いと言うか何と言うか
心配だな、ちょっと声を掛けてみるか
「トーマスさんお久しぶりです」
「はい?あっベーダー様!お久しぶりでございます、この街にいらっしゃってたんですね」
「ええ、4日前に来たんだったかな、その後は美味しい食事を食べ歩きしてたんですよ」
「それは良かったです、この街の食事は美味しい物が多いのでさぞご堪能できたのでは無いですか?」
「それはもう食べまくりました、所でここで何してたんですか?」
「ああ、その実はこの近くに私の事務所がございまして、新しく海運業を始めたのです」
「ほう、それはすごいじゃないですか、海路を使っての交易ですか、おめでとうございます」
「それがその....今日不幸な知らせが入りまして、私の船が海賊に拿捕されたそうなのです」
「えっ!それはほんとなんですか?何かの間違いとかじゃなく?」
「詳しい報告を受けました、近くに巡回艇が居たそうなのですが、砲撃を受け撤退したそうです、
その巡回艇の報告で私の商船が海賊に拿捕されてるのを確認してたそうです」
「それは確かな情報みたいですね、拿捕と言う事は今ならまだ無事の可能性が高いのでは無いですか?
海軍みたいな組織に救出を頼むとか出来ないのですか?」
「それは私の現在の財力では不可能なんです、海賊のアジトが何処にあるかも分かっておりませんし、
捜索隊を出すにも多額の金銭が必要になります、海運業を始めたばかりの私では出せない金額です」
「八方塞がりじゃないですか、他に何か手はありますか?」
「それが全く思いつかなくて、私はどうすれば良いのでしょうか」
「ふむ、トーマスさん私に任せる気はありますか?海賊を見つけ倒し船を取り戻してきますよ」
「えっベーダー様が海賊退治をしに行かれるのですか?頼みたいですが私に払える報酬がありません、
しかもこのクレス湾は広大です、海賊を探すのだってどれくらいの日数が掛かるか分かりませんよ」
「それでも他に解決策は無い、違いますか?」
「そうですね、その通りです、でもほぼただ働きになりますが宜しいのですか?」
「まぁそれらの事も話し合いたいので事務所が近くにあるんですよね、そこで話しませんか?」
「分かりました、ご案内いたしますこちらです」
トーマスに付いて行きさほど大きくは無い建物に案内された
「こちらでございます、どうぞおあがりくださいませ」
「ほうほう、立派な事務所じゃないですか、早速ですがクレス湾の地図か海路図って無いですか?」
「大まかな物ならあります、こちらです、どうぞご覧ください」
「トーマスさんの船が通った海路って何処か教えて貰って良いですか?」
「はい、このルートで通って行ったんですが、途中で海賊船を発見して迂回する事になったそうです、
一緒に航海していた船はそこで引き返し出直すという選択をしたそうです」
「トーマスさんの船は何故引き返さなかったんですか?」
「それは私の船の積み荷が食料品だった為なのです、ある程度日持ちはしますが鮮度は落ちますので、
時間的に戻る選択肢が出来なかったと言う訳なのです」
「色々不運が重なった結果か、迂回路は何処になるんですか?」
「迂回路はこの方向に進む事になります、そして最終的にここで海賊に拿捕されたと確認が取れました」
船が辿ったであろう航路を指し示しながら説明を受けた
「海賊の規模は分かりますか?」
「小型船2隻と中型船が1隻だったそうです」
「なるほど、となるとこの辺りって島がいくつもあったりします?」
とある地点の海を指さし訪ねてみた、大きな島がいくつも点在してるクレス湾の中でこの場所は何も無い
俺の勘だがここに何かあると見た
「この場所周辺には小さな島がいくつかと岩礁地帯があるのです」
「それは怪しい場所と見て良いかもしれないな」
「ですが、岩礁地帯があるので中型船を持つ海賊は侵入できないのではありませんか?」
「まぁ普通ならそう思うだろうけど、逆に岩礁地帯に抜け道があったら格好の隠れ家になるぞ」
「抜け道ですか?ベーダー様はあると考えていらっしゃいますか?」
「俺の勘だがあると思う、俺に任せてくれないか?必ず船を取り戻してくるぞ」
「分かりました、私の命運をすべてベーダー様にお預け致します、どうかよろしくお願い致します」
「ああ、任せとけ、それともう1つ、海賊退治した場合奴らの所持してたお宝の所有ってどうなる?」
「それは1度海兵隊に提出された後、目録を作りベーダー様に所有権が移されます」
「ふむふむ、ならそれを俺の報酬としても良いと言う事だよな?勿論船は無事に返すよ」
「私としましてはそうして頂けるなら何も問題はございません」
「よっしゃ、それじゃ決まりだな、早速海賊のアジトを見つけに行ってくる、期待して待っててくれ」
「はい!朗報をお持ちしております」
トーマスさんは深々と頭を下げて見送ってくれた
よーし、海賊共、首を洗って待っていやがれ、その首全部俺が貰い受ける!
次話は無双の予定




