21 暴走装甲車&ツインヘッド
どちら様もお下がりください~
暴走装甲車が通ります~
サメじゃないよ!
セイバーチャリオットはゆっくり進み始めた
徐々に速度を上げて行く、安全を考慮して120キロでの走行設定と目的地設定をした
グランフォートからクレスポートまでは馬車で7日かかる距離にある、おおよそ250キロくらいか
AIにミカと言う名前を付けた、昔のSF小説で戦闘アドバイス用の機械知性と言う意味だったかな
その頭文字から取ったと聞いた、俺もそれに倣って付けてみた
後はミカに任せて皆に話を通しておこう
プシューッ!
ハッチが開き後部座席へ移動した
「皆そのまま聞いてくれ、現在クレスポートに向けて移動中だ、特に問題が無ければ3時間くらいで着く、
うむ、何を言ってるか理解出てないのは分かる、それだけこの乗り物の速度が速いんだよ。
現在は安全運転で走行中なのでおおよそ3時間後に着く予定だ、何か質問はあるんだろう?」
代表してドレッドが手をあげた
「えっと、今走行中なんですか?しかもそれだけの速度で動いてるんですよね?」
「速度は120キロで走行中だ、揺れをほとんど感じないのは車体に施してある魔術的な措置だ、
因みに乗り物の操作は高度な技術により自動で操作されている、ゴーレムの進化版だと思ってくれ、
何か問題が起きた場合、即座に俺に連絡が入るようになってるので安心してくれ。」
今度はアメリさんが手をあげた
「出来れば外の景色を見たいのですが可能でしょうか?現在地がどの辺りかなどの確認がしたいんです。」
「直接外を見れる作りでは無い為、外を見るのは間接的になるね、魔術で外を投影すれば見れるよ。」
ミカに外部カメラの映像を車内ディスプレイに映してもらうように設定して貰った
ディスプレイに現在の外の様子が映し出された
「うわ!これ外の景色ですか?すごい速さで木々が通り過ぎて行く、これ大丈夫なんですか?
ぶつかったりとかしませんよね?」
「大丈夫だよこれでも速度を落として安全運転にして貰ってるから。
この乗り物については他言無用でお願いしたい、これだけの性能だから厄介事に巻き込まれそうだ。」
「はい、分かりました誰にも言いません。」
南海の絆のメンバーとアメリさんとペルシアさんも同意してくれた
その後流れる景色を見つつ談笑していたらミカから連絡が入った
「マスター、前方で多数の馬車が停車しています、大きな川を通過できず立ち往生してるようです、
おそらく掛かってる橋に問題が発生したようです。」
ミカに速度を落とし一番後ろの馬車の近くに行ってもらった
「ちょっと川を渡れないで馬車が詰まってるようだ、外の人に現状を聞いてくるので待っててくれ。」
俺はコックピットに戻り上のハッチから体を出して近くの馬車の御者に話しかけた
「すまない、何があったか聞きたいのだが良いかね?」
御者の男は奇妙な乗り物に乗って表れた俺を見て驚いてるようだが気を取り直したようだ
「ああ、この先の橋が崩れて通れなくなってしまったんだよ、橋が崩れたのは3時間前らしいぞ。」
「そうなのか、前に行ってどうなってるか確認を取ってみるよ。」
ミカに先頭まで行ってもらって現状を詳しく調べてみる事にした
話を聞くと1番先頭の馬車が橋を渡りだした時に地響きが起き橋が崩れたそうだ
慌てて馬車を止めた為落ちずに済んだそうだ、先に渡った者に橋の事を街に知らせて貰ってるそうだ
川の中に巨大な影があったとの目撃情報もあり魔物の仕業では無いかとの事だ
川の近くに進みサーチセンスを使ってみた
あああ、居るわ、川の底の方に全長4~5メートルの頭が2個付いた...ワニ?の様な魔物だ
しかも2匹居るな、こいつらが橋の桁を破壊して崩れたんだろう、ほっとく訳にもいかんな
いったん戻って魔物の情報を聞いてみよう
「皆ちょっと良いかな?どうやら橋が巨大な魔物によって崩されたため渡れないようだ。」
「それは大変じゃないですか、連絡の方はどうなってますか?」
「橋を渡った者に街まで行って事情を話してもらう事になってるそうだ。」
「巨大な魔物って特定されてるんですか?」
「それなんだが、俺のスキルで特徴は分かったんだが底に沈んでてな、正確に分からなかったんだ、
特徴は4~5メートルほどの大きさで、頭が2つ付いたワニの様な生物だ、何か分かるか?」
「そ、それはまさか、いやでも大きさが違う、でも特徴からツインヘッドアリゲーターだと思う。」
「ほう、大きさが違うというのはどう違うんだ?」
「大きすぎるんです、通常は2~3メートルくらいの大きさしかないはずです。」
「最近の魔物は巨大化が流行りなのか?亀といい蜥蜴といい鰐といい、何でも大きくなってないか?」
「確かに巨大化を多く見かけますね、ものすごく怖い事ですね。」
「まぁ敵が分かれば問題はあるまい、ちょっと始末してくるその後川を渡って進むので待っててくれ。」
「え!始末してくるってどうやって?川を渡ると言っても橋が崩れたんですよね?どうやって?」
「やり方はあるんだよ、詳しくは面倒だから秘密な、じゃちょっと行ってくる。」
チャリオットの主砲を試し打ちするのにも使ってみるか、狙いやすい場所に移動させた
俺とは別の1匹に狙いを付け、俺と同時に攻撃するように設定をした
ステップパネルで水面ぎりぎりを飛び回る、すると水底から大きな影が浮いて来た
2匹の間隔が開くように誘い水面を飛ぶ、来る!
素早く反転し空高く飛び、更に回り込む、ここだ!
「二刀流曲技!旋風斬!」
2本のフォトンブレードを構え独楽の用に高速回転して対象の周りを回り切り刻む二刀流の曲技!
なんてな、1回こういうのやって見たかった
ドシュン!
眩い閃光と共に光の束が撃ち出された
俺の攻撃と同時にチャリオットからフォトンキャノンが発射されたようだ
鰐を見ると2つの首は切断されていた、回収してもう1匹の方に行く、こっちも問題無く倒せていた
2匹を回収した後皆の所に戻って来た
「ベーダーさんなんですかさっきのは!すごい剣技とすごい閃光の後、鰐が水面にプカーっと....」
「ああ、ディスプレイをそのままにしてあった....内緒な。」
「あ、はい、それは大丈夫ですが橋からも見えてたのでは?」
「そういやそうだった!うっかりしてたな、まぁ済んだ事だ良いや、それより出発するぞ~」
俺はミカに水上航行モードで水面を進んでもらう事にした、対岸までものの数分で着いた
その後地上走行モードに戻しクレスポートまで進み始めた
川からすぐの所に馬車の一団を発見し情報交換をした
こっちの方が早いので情報を伝えておくと約束した
30分ほどでクレスポートが見えてきた、ミカに速度を落としてもらいゆっくりと進んだ
クレスポート到着!
ワニでした~




