9 初依頼&村の危機
RPGの定番依頼
ゴブリン退治だ~
あれから3日ほど経った、山の方にも魔物を狩りに行ってきた、ストーンゴーレムが多かったな。
そろそろ何かクエストを受けたいところだな、ギルドに顔を出しに行く事にした。
ギルドに入ると視線が集まる、すぐに視線は逸らされヒソヒソ声が聞こえてくる。
まぁ無視するか、クエストボードに向かおうとしたところで、カウンターから声が聞こえてきた。
見るとアメリさんと少年が口論してるようだ
「どうして誰も助けに来てくれないんだ!このままだと村の皆が死んじゃうよ!何とかしてよ!」
「そう言われても、冒険者に無理強いは出来ないんです、貴方の村の事は心配だけれど、
受けてくれる人がなかなか居ないんですよ、ゴブリンは危険に見合う報酬が少ないのが問題なの。」
「お願いだよ!村には父ちゃんと母ちゃんが隠れてるんだよ!ここへ来る前にも襲撃があったし、
今はどうなってるか心配で...どうしたら良いんだ。」
ふむ、確かにゴブリンは得られる物が少なすぎるんだよな、俺にとってはありがたいんだがな、
上位個体に変化したら厄介さが格段に上がるし、何か特別な報酬でも無いと誰もやらんだろうな。
あ、アメリさんがこっち見た、指名されそうだな、俺としては丁度良いかもしれんな。
「ベーダー様!もし良かったら話を聞いてもらえないでしょうか?」
「一応確認するが、ゴブリン退治をしてくれと言う話だろうか?」
「はい、話を聞いていたみたいですね、お願いできないでしょうか?」
ここは良いところを見せて好感度上げしようか。
「やっても良いですが、その前にいくつか確認したいですね、ゴブリンの規模はどのくらいですか?」
「この少年、リック君の情報では正確な数は分からないそうです、
ここに来る前に村を襲ってきたのは、10匹くらいだったそうです。」
「襲撃に10匹くらいか、おおよその数は50以上と見るべきかな、次はここから村までの距離は?」
「馬で2日~3日くらいの距離になります。」
「問題無いな、ではその依頼を受けます、リックと言ったな、村の事は俺に任せとけ、
ゴブリンは俺が全滅してくるから安心して待ってろ。」
「待ってくれ!俺も一緒に連れて行ってくれ、父ちゃんと母ちゃんが心配なんだ、村に帰りたいんだ。」
「それは駄目だ、ゴブリンの襲撃の危険があるかもしれないし、何より移動速度が違うから無理だ。」
「俺だって自分の身は守れるし!馬にも乗れるよ!」
「はっはっは、身を守るのは良いとしても、馬の速度じゃ遅すぎるぞ、諦めな。」
「馬でも遅いって、どうやって向かうつもりなんだよ。」
「それは企業秘密ってやつだ、冒険者が手の内を晒すのは死の危険があるからな。」
俺達が言い争いをしてる所に見知った顔の面々が入って来た。
「ベーダーさん、何かあったんですか?」
「ああ、ちょいと依頼を受けたんだが、この坊主、リックの説得してるところだったんだよ、
そっちは依頼の帰りか?」
「はい、近くまで護衛の依頼を受けてたんです、その報告で寄りました。」
ふむ、南海の絆がフリーなら手はあるな。
「依頼が終わったら後は何もないのかい?」
「はい、また何か依頼があれば受けようと、皆で集まったわけなんです。」
良し来たビンゴ!
「なら俺からの依頼を受ける気は無いか?何簡単な護衛依頼だよ、それと後始末もあるかも?」
俺は振り返りアメリさんに話しかけた
「アメリさん俺から南海の絆に指名依頼って出せる?」
「ええ、ベーダー様が依頼書になり、南海の絆にそれ相応の報酬を提示できれば可能ですが、
勿論断る権利もありますので、成立すると決まった訳ではないですよ。」
「そこは受けて貰うように話をするしかないな、と言うことで、南海の絆に指名依頼を出したい。」
「えっと、内容によりますよ。」
「依頼はリックを村まで護衛してもらう事と、村の周辺にゴブリンの残党が居ないか見回る事、
その間、村に2日ほど滞在してもらう事、これが依頼の内容だ。」
「確かにそれだけなら簡単と言えますね、報酬はどうするんですか?」
「報酬は魔物素材でどうだ?」
俺は収納からカウンターに、クリスタルビーワーカーの死骸を1つ置いた
「これと、馬車の手配と食料にかかるお金を、俺が全額負担するってのでどうだ?」
「えっ!これクリスタルビーの死骸、しかもハチミツが入ってるやつじゃないですか!
ちょっと待ってください、皆と相談します。」
そう言って皆で集まり、ヒソヒソ話してるようだ
「ベーダーさん、その依頼受けます。」
「よっしゃー、これで問題は解決した、リックお前はこの人達に護衛してもらって村に帰って来い。」
「分かった、村の事はベーダーさんに任せるよ。」
「アメリさん、手続きよろしく頼むよ。」
「はい、承りました。」
「じゃ俺は一足先に行ってるからな、後は任せた!」
俺は手続きを終えてギルドを出た
街の門を抜け、少し離れた所から一気に速度を上げて空を駆けていく。
今の速度なら夕方頃には着くはずだ、ゴブリンの周期からすると、今日辺りが襲撃の可能性が高い。
出来れば襲撃の前に村に着いていたい、どうにも嫌な予感がする、これソースの予知に近い感覚だ。
とにかく一刻も早く村に行くことが先決だな。
前方に明かりが見える、村までもうすぐだ、が、不穏な気配だな、ゴブリンの襲撃が始まってるな。
村から悲鳴と怒号が聞こえてきた、村の入り口にゴブリン2匹を見つけた、首を刎ねつつ村に入った。
ドローン及びゴレムロイド兵展開!
「「マイマスター ゴメイレイ ヲ ドウゾ」」
「ドローンはサーマルビジョンでゴブリン種を見つけゴレムロイド兵と情報共有しろ、
ゴレムロイド兵はゴブリン種を視認したら即刻殲滅せよ!」
「「リョウカイ シマシタ」」
俺もサーチセンスでゴブリンを探す、予想よりゴブリンの数が多い。
村人が窮地に追いやられてる所を先に助けに行く。
なるべく被害者が出ないように立ち回る、途中で自警団らしき村人に出会った。
「おい!俺は冒険者のベーダーだ、リックと言う少年の依頼を受けてやって来た、怪我人の救助を頼む、
ゴブリン共は俺が相手をしておく。」
「助けに来てくれたんですね!ありがとうございます、リックは間に合ったんだ、良かった、
私達は怪我人の救助に向かいます、ゴブリン共を倒してくださいお願いします。」
軽くお辞儀をして去っていく若者たちを見送った後ゴブリン狩りを再開した。
20分ほどで村を襲撃していたゴブリンを全滅させた、ゴブリンは全部で15匹でやって来ていた、
中には普通のではなく、変異種のゴブリンウォーリアーが2匹混ざったいた。
ゴブリンの巣では、上位種が発生してる可能性が高くなった。
ゴブリンをすべて回収した後、村人が集まる広場に向かった。
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