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ダイヤモンド・ダスト・トレイル「斜陽へと羽ばたく鳥」   作者: 白山 遼
✟眠れる聖剣と神秘の森ー超大陸バンギア北西部最奥部「神秘の森 カティー二ャ」ー
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✟「オーバーロード」4/4

「ナタリーちゃん!?大丈夫?」


オクタビアがナタリーの声から何か異常があったことを察した。


「違う!あたいじゃない!」


ポタポタ


血が地面に落ちていく。

オクタビアはナタリーが怪我をしてしまったと勘違いした。

しかし、血が出ていたのは彼女自身だったのだ。


ナタリーの手がオクタビアの脇腹を貫いていた。


「そんな……影は向こうにいるのに……どうして?」


理由は影を見れば明白であった。

デズモンドは自身を引き裂いていたのだ。

現在影は3つ。


そのうち一体がオクタビアの死角をついてナタリーの影に取り憑いていた。

そのままナタリーの手をオクタビアの影に貫通させた。

結果としてナタリーがオクタビアを刺したのだ。


「ごめんなさいあたいのせいで……。」


ナタリーが血まみれの手を見て激しく動揺していた。

大丈夫よ。そう言って安心させたかったが声が上手く出せなかった。

ただナタリーが何度も謝っているその言葉だけがはっきり聞こえてくる。



一方、マクシモヴィッチもデズモンドに苦戦を強いられていた。


「くっ!不死っていうのは本当に厄介だな!」


刺しても撃ってもデズモンドは死なない。


(やはり、あれがないとどうにもならないか。)


マクシモヴィッチは聖剣のことを考える。


(何とか隙を見つけてアレをとりにいかないと!)


マクシモヴィッチは戦闘中に考え事をしてしまった。

それは一瞬だったが、デズモンドにとってはその一瞬だけで十分だった。


ゴーレムの影を引っ張りマクシモヴィッチを覆うように動かした。

完全に光が閉ざされた状態になった。


「しまっ……。」


デズモンドが次々と影の中に入る。


ジャキン!!ズシャ!!


「うぉおおおお!!!」


鋭い爪がゴーレムごとマクシモヴィッチを引き裂いた。


マクシモヴィッチが血だらけになり地面に膝をつける。


勝負は完全についた。

だがデズモンドはマクシモヴィッチの周りを動きまわっていた。


ビョイーン


デズモンドがマクシモヴィッチの影を引っ張り始めた。


「止めて!」


ハッと気付いたナタリーがデズモンドを追っ払おうと駆け寄った。

だが時すでに遅し。


ビョイーン、パチッ


マクシモヴィッチの影が千切れた。


今この場で動けるのはナタリーだけになった。


(本当に終わりかもしれない。)




「……さて、もう終わりだね。」


壁の向こう側も危機的状況が続いていた。

倒れているピザファットを蹴り、紫髪の暗殺者がエドゥの前まで歩いた。


「……終わりだよ。」


「ぜぇ、ぜぇ、まだだぜ!」

「……お前、なんで生きて……」


ピザファットが起き上がっていた。

胸の穴は塞がったようだ。


「嬢ちゃんの能力が何なのか分かんねぇ。だから、今は逃げるぜ。」

「……はいそうですか。って言って逃げられると思う?」

「もう手加減しねぇぜ!俺っちの全力見せてやるぜ。」

「……今まで全力じゃなかったって?」

「加減が難しいからな!だけどもうそれも終わりだ!」


ピザファットは再び鉄の球を握りしめた。


「……変身!!」


鎧を纏う。先程壊された腕部と胸部が回復し繋がった。


「大変身!」


腕部と腕の神経がくっつく。


「うぉおおおおお!!!」


ピザファットは地面を叩く。


ドカン


激しい衝撃が地面を伝う。

そして、分断していた壁が壊れた。


「今だ!逃げるぜ!」


ピザファットはエドゥを抱え、壁の反対側へと向かった。


「ピザファット!?勝手に変身しないで!」

「その話はあとでな!今は逃げるぞ!」

「そんなこと言っても。どうすればいいの?」


ゴゴゴゴ


ゴーレムが動き出しナタリー、オクタビア、マクシモヴィッチを抱えた。


「よっしゃ!安全そうな場所までいくぜ!」

「オクタビア?大丈夫なの?」


ナタリーは急にゴーレムが動き出したのでオクタビアに話しかけたが、彼女から返事は返ってこなかった。


「……逃がさない!カーラ姉ぇのためにも!」



紫髪の暗殺者が鉄粉をまき散らす。


「来るぜ!」


ピザファットは装甲を纏い釘をはじく準備をする。


「……お姉ちゃん、お願い。」


グググ


「何だ?」


装甲を貫通し、五寸釘がピザファットの肩を直撃する。


ピザファットはエドゥを落としそうになるがなんとかふんばった。


「走れ走れ!!」


「……駄目だ。逃げられちゃう!」

「こうなったら!」


今度は、岩陰から緑髪のツインテールの暗殺者が飛び出してきた。


「うおっ!今度は何だ!?」


ピザファットが緑髪の暗殺者の方に引き寄せられていく。


「この釘のせいか!」


肩に刺さった釘を抜こうとするが深く刺さっていて中々抜けない。


「ぜぇぜぇ……せいやぁ!」


ボロボロのマクシモヴィッチが釘に触れた。


「おぉ!引っ張られなくなった!」

「よし、想定通りだ。奴は恐らく何らかの金属を引っ張ることが出来るんだ。」

「ってことはあれか?さっきまで俺っち達を襲っていたのはあの紫色の嬢ちゃんじゃなくて緑色の嬢ちゃんの方だったてことか?」

「そうだ。重要な情報を手に入れられた。一旦体制を整えてもう一度出直すぞ。」


ピザファット達は撤退していく。


「……くそ!逃がすか!」

「待って。何かが近づいてくるわ。」


双子の暗殺者の前に何かが現れた。


「……こいつら同業者だよ。」

「それにしても様子が変だけど。」


「arrrrrrr」


何かが暗闇から出てきた。


「ひっ!」

「何あれ……」


腐った皮膚を引きずる集団が現れた。

それは一般的に"ゾンビ"と言われるものだ。


ゾンビが一体日向に飛び出す。


「arggggggg」


ゾンビの体が溶けていく。

慌ててそのゾンビは日陰に戻っていく。


「……いつの間にこんなにわらわらと!」

「これじゃあ追いかけることが出来ない!」


双子の暗殺者はゾンビに足止めされていた。


「何だ?追ってこねぇぞ!」

「チャンスだ。このまま逃げ切るぞ!」


「……くっ!カーラ姉ぇ!あいつら追い払えないの?」

「やってる!でも釘を刺してもまったく反応がないわ。」


ゾンビ達が双子をじっくりと眺めていた。


「夜になったらこいつらこっちに来るかもしれないね。」

「……もうすぐ日が暮れる。一晩籠城するしかない……。」

「丁度良いわ。今日はここで休みましょう。」


緑髪の暗殺者が能力を発動する。

辺りに散らばる鉄を自在に操り自分たちの周りに塀を作った。


「……暗殺対象を逃しちゃうし、ダークエルフたちもいつの間にかいなくなってるし能力も少しバレちゃったね。今日は良いことがないな……。」

「大丈夫あたしらは必ず生き延びるよ。」


カーラがシーラにハグをし安心させる。


カーラ、シーラ姉妹。

ある時期からその名を知らぬものはいなくなったという双子の暗殺者。

姉のカーラが緑髪のツインテール、妹のシーラが紫髪のポニーテール。

それ以外に彼女らを判別する方法はない。


カーラが遠距離からの暗殺に適しているのに対し、シーラが近距離の暗殺に適している。

二人合わされば向かうところ敵なし。

教会の要人暗殺、元国王の暗殺、VVVの指導者の暗殺。

これら全てに彼女たちが関わっているのであった。


「大丈夫、明日になったら今度こそあいつらを仕留めましょう。」

「……うん!」


そして夜が来る。


「arrrrrrr」「arrrrr」「arrrrr」「arrrrr」


ゾンビたちが一斉に動き出した。


ズーズー


腐りかけて取れそうな足を引き摺りながら真っ暗な森の中を歩き始める。


「何だ?こいつら…ギャアァァァア」


偶々近くを通りかかったダークエルフ達が襲われた。


「arrrrr」「arrrr」「arrrrr」「arrrrrr」「arrrrr」「arrrrr」「arrrrr」


ゾンビに噛まれたもの達が次々とゾンビへと姿を変えていった。

脳内設定その㉕

カーラ=モーガン

サルート名「Till death do us part」

「磁力を操る能力」


脳内設定その㉖

サルート名「Fairy powder」

「触れたものを粉状にする能力」

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