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ダイヤモンド・ダスト・トレイル「斜陽へと羽ばたく鳥」   作者: 白山 遼
✟眠れる聖剣と神秘の森ー超大陸バンギア北西部最奥部「神秘の森 カティー二ャ」ー
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✟「オーバーロード」3/4

エドゥの目に次の5秒が映った。


エドゥの体から針が飛び出すのが分かった。


(まずい、急いで左に回避しなければ。)


ガシッ


次の瞬間、エドゥは何者かに押さえつけられる。


ニョキニョキ

パラパラ


エドゥの体から針が飛び出してきた。


エドゥは血まみれになる。


「相棒!」

「エドゥくん!」

「嘘……。」

「お前ら何してる!」


マクシモヴィッチがエドゥを押さえつけたダークエルフの住人に掴みかかった。


「こうするしかないんだ。許してくれ‥‥‥。」


住人たちは震えながら武器をとる。


「何なんだよ!お前ら味方じゃねぇのかよ!」


「……やったね。カーラ姉ぇ。あいつもう動けないでしょ‥‥‥。」

「後はとどめを刺すだけ。簡単ね。」


エドゥの視界がぼやける。

未だ針は止まらず、血は流れていく。


「まずい!相棒の体力が持たねぇ!」


ドクドクドク


エドゥの口から何かが飛び出してきた。


「あれは、間違いねぇ、ワームだ。あの時のとそっくりだ!かなり小せぇが。」


ワームがエドゥの血と針を食べていく。

針は酸で溶かされ吸収されていくようだ。


エドゥは目を開ける。

さっきまでの気持ち悪さが嘘だったかのように晴れ晴れとした良い気分だった。


エドゥは直ぐに周りの様子がおかしいことに気付く。


「どうした?」

「い、いや何でもねぇよ。それより大丈夫なのか?」

「あぁ。」


エドゥは立ち上がり、体を動かしてみる。

大丈夫というより絶好調そのものだ。


「……そんな。ありえない。」

「大丈夫よ。もう一度仕掛け直せばいいのよ。」

「……分かった。もう一回ね。」


双子の暗殺者がその様子に驚いていた。

が、直ぐに次の一手を打とうと動く。


「おい、止めろ!お前らと戦う意味はない!」

「そんなこと言ったてこうするしかないんだ!」


マクシモヴィッチと住民が戦闘を繰り広げていた。


「バビチェフくん、本気でやっちゃだめよ!」

「分かってる!あいつらがどこかで見てるに違いない!俺が抑えているうちに探してくれ!」


エドゥ達は周囲に怪しい影がないか探す。


ニョキニョキ


ピザファットの顔が突起した。


「うぉおおおおお!!まずいぜ!!」

「ピザ!後ろに下がれ!そうすれば能力の範囲外から出られる!」

「おう!分かったぜ!」


ピザファットは後ろに下がった。

すると、顔から飛び出そうとしていた針が引っ込んだ。



「……まずいよカーラ姉ぇ。ひょっとしてあいつ僕たちを見つけたんじゃない?」

「そんな!あり得ないわ。あいつら一度だってこっちを見ていないのよ。」

「……じゃあどうしてお姉ちゃんの攻撃を予知できたの?」

「多分、それも超能力なのよ。ほら言ってたでしょ?複数の能力を使っていたって。」

「……なにそれ、ずるい……」


「相棒、助かったぜ!」

「あぁ。これで大体の位置が分かったな。」


「……降参だよ。」


どこからか、紫色をしたポニーテールの女の子が両手を上げながら姿を現した。


「お前か。今すぐこんなこと止めさせろ!」

「……分かった。もうやめていいよ。」


住人達は武器を下ろした。


「よし、そのままなにもせずにこっちに来い。抵抗しなければ命までは奪わない。」


ビュー


風が吹いてきた。


その紫の娘が何か粉のようなものを振りまいた。

粉がエドゥ達の方へと飛んでいく。


「何かしやがった!相棒どうすりゃいい?」


エドゥの目に未来が映る。


粉が鋭い釘になり、皮膚に突き刺さる。


(まずい!避けないと。)


エドゥは後ろを振り返る。

後ろにはナタリー達がいる。

気来風体掌は大きく呼吸をしないと発動できない。


なら取れる方法は一つだ。


エドゥは右手を変化させ、炎を纏う。


ヴィジョン通りに釘が飛んできた。


(鉄が溶ける温度は1538℃、この温度を一瞬だけ出す!)


ボォオオオオオ


「おぉおおおおおおおお!!!!」


エドゥの周りに熱が籠り、迫りくる釘を溶かしていった。


溶けきれなかった釘がエドゥの手に刺さっていく。



「相棒!」


エドゥがその場で倒れる。


「どうするんだよ!」


ピザファットは周りを見る。


3人は地面をキョロキョロしていた。


「嘘だろ?カゲロウも来ちまったのかよ!」


3人は動きまわる影に翻弄されている。


「……よし止めだ。やった!これで僕の勝ちだ!」


紫髪の暗殺者がエドゥに近づく。


(そうだ!これだ!)


ピザファットはポケットから鉄の球を取り出す。

山を爆発する準備をしていたときにナタリーから渡されたものだった。


「いい?まだ未知の部分が多いから不安定なの。変身した時の情報をあたいが受け取ってこっちで制御する。しばらくはこれで戦いましょう!絶対に1人で変身しないで。」


ナタリーの言葉を思い出す。


「まずい。何かしてくるぞ!」


マクシモヴィッチがカゲロウ、もといデズモンドの微細な動きを感じ取った。


デズモンドは影に潜り込む。


ビヨヨーン


デズモンドは影を広げていく。


ゴゴゴゴゴゴ


広がる影と連動し、岩場が大きくなった。

エドゥ、ピザファットの2人と残りの3人が分断される。


「やっぱりこういう時も想定しねぇとな。」


ピザファットは紫髪の暗殺者の前に立ちふさがった。


「……邪魔するなら殺すよ。」

「相棒は死なせねぇ!……変身!」


ピザファットは鎧を身に纏う。


(大丈夫だ!この状態で戦えば問題ねぇ。)

「……その空気孔に針をぶち込んでやる。」


再び鉄粉が投げられる。


(ここだ!)


ピザファットは装甲モードに切り替えた。


カンカンカン


釘が装甲に弾かれていく。


「どうよ!これで俺っちに傷一つ付けられねぇぜ!」

「……厄介だな。……」


ピザファットが紫髪の暗殺者に殴りかかった。

次の瞬間。


華麗に避けられ、腕を掴まれた。


サーッ


触れられた部分が粉々になった。


「何っ!?」

「……僕が今まで何人暗殺したと思ってるの……。」


ズシン


重い一撃がピザファットの胸部を襲う。


サーッ


胸に穴が開く。


「gzvgbdefjajan」


声にならない音が出ていく。


(嘘だろ。こいつの超能力、全く分かんねぇ。)


ピザファットの変身が解除される。


一方、影と戦うマクシモヴィッチ達も苦戦していた。


「こいつちょこまかと!」


マクシモヴィッチの攻撃をものともせずにデズモンドは反撃をしていく。


「バビチェフくん!援護するわ!ナタリーちゃんは私の後ろに!」

「分かったわ!」


オクタビアが地面からゴーレムを呼び出す。


「助かる!」


マクシモヴィッチがデズモンドに切りかかる。


ひょいと岩場の影に潜り込み躱された。


すかさずゴーレムが岩場を破壊する。

影がなくなったことで、デズモンドが影から姿を現した。


「そこだ!」


マクシモヴィッチの剣がデズモンドを引き裂く。


(倒した!)


同じ状況なら誰もがそう思っただろう。

しかし忘れてはいけない。

今戦っているのが洗礼を受けた不死者なのだということを。


なんと、デズモンドは二つに分裂し、別々に動きだした!

片方がマクシモヴィッチにその鋭い爪で襲い掛かりもう片方がゴーレムの方へと向かっていく。


「厄介な奴だ!」

「ナタリーちゃん、離れないでね。」


オクタビアがナタリーを自分の方へ引き寄せる。


デズモンドがゴーレムに向かっていく。

ゴーレムがデズモンドに殴りかかる。


ドシン


土煙が舞う。

デズモンドは再び影の中に潜み、攻撃を躱していた。


「素早いわね!これならどうかしら?」


ゴーレムが影がある岩を次々と粉々に壊していった。


潜む影がなくなりデズモンドは再び、お天道様を拝む。


「ごめんね!これで終わり!」


ゴーレムがデズモンドを叩きつぶしにかかる。



グシャ


ゴーレムの動きが止まる。


「……嘘あたい、なんで。」


後ろにいるナタリーの震えた声が聞こえていた。

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