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ダイヤモンド・ダスト・トレイル「斜陽へと羽ばたく鳥」   作者: 白山 遼
●完全閉鎖孤島ーキロネキシアー
9/514

●「様々な思惑」4/4

「シュ…ト」


「シュゼット!」


「エリアス様?」


シュゼットは自分の体に魂が戻ったことを理解した。


「すいません、あなたに傷をつけてしまいました。」


彼女は自分の体を見る、右手がそこにはなかった。


「あなたは治療に専念するべきです。今回はここまでにしましょう。」


エリアスが済まなそうに彼女を見つめる。


「エリアス様はどうするのですか?」


「私はこのまま続けます。」


「そんな!エリアス様も既に動けるような体ではないでしょう!」


彼女は彼を見る。脇腹と足に大きな傷があり、顔色はとても悪かった。




「お待たせ致しました。」


教会の救護兵の一団がやってきた。


「彼女を教会の集中治療室に!右手はここに保存しています。急いで!」


「エリアス様も酷い傷です、ささっこちらに!」


「私は結構、応急処置だけで良い!」


「いけません!怪我人を放っておけません!」


エリアスは救護兵の反対を押し切り、シュゼットを運ぶ。


「それより、君たちを私が呼んだことは誰にもばれていないだろうね。」


「はい!大丈夫であります。」


「頼みましたよ!敵だけじゃない教会にも知られてはならない!」


シュゼットが待つように叫んでいるのが聞こえた。


(すまない、彼女のためにも失敗などあってはならないのだ。)


応急処置を済ませるとエリアスは鉱山の中へと入っていった。




ライラは元の人形の姿へと戻っていた。


(また、新しい体を見つけなくては、今度はもっと強力な体を!)


誰かが、拾ってくれるのをずっと待っていた。




バサバサ




烏がライラを咥えて飛んでいった。


(私達はついている!このまま人の多い町に行けば、今度こそ多くの人間を始末できる!)




クワッと烏の口が開く。


(おい、ばか、やめろ!!!!!!)




ライラはゆっくりと落ちていった。




バシャンと水しぶきが上がる。


落ちた先は湖だった。




(まだだ、こんなところで私たちの復讐は終わらない、海に潜る人間だっているはずだ、大丈夫!)


(まだだ)


(きっとくる)




ライラは知らなかった。そこは何者かによって作られた酸性湖だった。人間どころか魚一匹生きてはいなかったのだ、いつまでたっても誰も来ないので、ライラはゆっくりと目を閉じた。




「え?結構前に出ていった?しかもどこに行ったか分からないですって!」


鉱山に入って聞き込みをしていたエリアスは鉱夫から情報を集めていた。


(またか、随分フットワークの軽いお嬢さんで。抵抗軍意外にも危険な組織は沢山ある。あまりうろちょろしてほしくないのだがな。)


エリアスは急いで鉱山から出るとまた少女を探す任務に勤しんだ。




「お願いだ、助けてくれ!」


ある森を通っていた行商の男がいた。


男は現在、ある集団に襲われていた。その集団は顔に骨をペイントしていた。


「積み荷ならやるよ、だから命だけは!」


「お前の魂をよこせ。」


男の首がとぶ。


「さぁ、もっと魂を集めるのだ!」


「“山の老人”に捧げよ!」


「我々は再びあの園へと導かれるのだ!」


集団は指揮を上げると、次なるターゲットを探しに行った。




「あれか、最近この辺りに出てきた、えっとなんて名前だっけ?」


「暗殺教団!」


「そうそれ、今なら本部を襲えるんじゃないか?」


「だめだね、噂によると“山の老人”が奴らに関与しているらしい。」


「下手に関わるとまずいってことね。」


「我ら山の民にも神様がついている。臆することはない!俺は奴らを追跡して教団を潰すべきだ。」


「おい、待てって!、、、、行っちゃった。」


「あいつ勝手に!相手がどんな能力を持っているのか分からないのに。」


山の上から山の民の一人が、仲間の制止を振り切り暗殺教団という先程の集団の後をつけていった。




山の民たちは、急いでこのことを集落の長に伝える。


「なんと!暗殺教団に極力関わらないようにとあれほど言っておいたではないか!」


「しかし、長老!最近やつらは無視できない程暴れています!誰かが制裁を与えなければ、悪は蔓延るばかりです!」


「“山の老人”の怒りを買えば、この集落どころか大陸中に戦火が広がることになるぞ!!」


「こちらには山の神がいるではありませんか。」


「その神様は現れて下さるのか?昔は、人々との交流があったとされていたが、今はどうじゃ!その姿さえ見たというものはおるまい、儂を含めての!神に全て委ねたいというのならば、教会にでも入れば良い!儂らは自らの手でこの集落を守っていくしかないのじゃ。」


長老はため息をつく。


「何事も起こらないうちに追跡をやめさせるのじゃ。出来なければ、この集落は必ず滅びるじゃろう。」


辺りにどよめきが起こる。




長老に呼ばれた二人の若者が派遣された。


「なぁ、“山の老人”ってのはそんなにヤバいのか?」


「あぁ、俺も噂でしか知らないんだが、教会の遠征軍を一人で半壊させたとか。」


「遠征軍って教会の切り札の?」


「あぁ、そうだ。」


「へぇ、それは相当ヤバいな。」


「眉唾だがな。」


「しかし、老人っていうぐらいだから、力は全盛期には及ばないだろう?」


「まぁ、そうなんじゃないかな。」


「別に恐れることはないんじゃないのか?」


「分からないな。」




「これは!」


若者たちが先に進むと、首の無い死体が木に杭で打たれていた。


死体には血で next is your turn と書かれていた。


「この格好は我らの集落と同じ者だ!」


「じゃあ、こいつが追跡していた奴ってこと?」


「だろうな。そして、バレてここで始末されたんだ。」


「じゃあまだ、近くにいるってこと?」




返事が返ってこない。




「おい、どうした。返事をしてくれ!」




若者がふりむくと、そこには首がなくなった仲間の姿があった。




Hold your mind :)




またも体に血で文字が書かれていた。




「ひぃぃ」


怖くなって若者はそこから逃げ出した。




グルン




(あれ、なんで後ろ向いてんだ?)


若者は視界が180°回転した。それは首が頭から離れたからだと気付く前に絶命した。



脳内設定その②

エリアス=サージェント

祝福名ーGravity Falls-

「自分とその周りの重力を変化させることが出来る。強力な重力で意識を奪ったり、無重力にして一時的に浮遊したり、頭部にGを移動させ眼球内の血管に血液を集中させ視界を真っ赤にさせたり(レッドアウト)、反対に下方向にGを移動させ脳に血液を行かせなくすることで視界を奪ったり(ブラックアウト)などができ応用力があるが、自分にも効果があるので力加減には注意が必要である。」


脳内設定その③

ライラ 種族ー人形ー (退場済み)

呪い名ー「Annabelle」ー

「自分に触った者の体を奪う、解除の条件は自身の意識が失われるかその体が生命活動を終えるかの2つだけ。欠点は誰かが触らない限り発動しないということのみである。」


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