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ダイヤモンド・ダスト・トレイル「斜陽へと羽ばたく鳥」   作者: 白山 遼
✟眠れる聖剣と神秘の森ー超大陸バンギア北西部最奥部「神秘の森 カティー二ャ」ー
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✟「三つ巴の戦い」3/4

一方、宮本を運んでいたパンドラボックスは森を駆け抜けていた。


宮本は内側から箱に攻撃している。




「この!頑丈な箱だ。この舞台、何としても参加させてもらうぞ!」




宮本は懐から球状の物体を取り出した。




「仕方ない、こいつを使うか。」




「武装」




真ん中にあるボタンを押す。




宮本の体の周りに煙が立ち込めた。




(桃姫、拙者は今一度、あなたの教えに反します。)




宮本は鎧を纏い、剣に触れる。




「久しいな仙木刀せんぼくとう。お前につけられた古傷がまだ痛むぞ。」




懐かしそうに剣を抜く。


刀身は暗闇の中で昔のままの輝きを放っていた。




「さて、今は昔を懐かしんでいる場合じゃないな。ここからとっとと出ていくことにしよう。」




宮本は刀を箱へと突き刺す。




「さぁ、邪気を払え。」




箱に裂け目が出来、光が差し込む。


パンドラボックスは移動を止め、その場で暴れた。




宮本は刀を納め、武装を解除した。




「本当にこの剣は世界の理から外れている。使うなとおっしゃるあなたの言葉も頷ける。」




バキ、バキバキ




亀裂が自ずと広がっていく。




パラパラパラ




箱の破片が地面へと落ちていった。




宮本は開いた場所からはい出る。




「これで、一つ戦力が減ってしまった。」


宮本はパンドラボックスに目も暮れず、森を歩いていった。




「すまない。超能力者に能力を発動させないことは極力したくなかったが状況が状況だけに、これも仕方ない。恨まれても仕方ない。」




だが、彼は見ていなかった。


箱が完全に破壊される前に錠前が外れていたのを。




錠前はひとりでに動き始めていった。






ジンと戦いを繰り広げ、気絶していたピザファットが目を覚ました。




「ん…。随分回復するのに時間がかかってるな。」




ピザファットは傷口に手を当てる。




(それにしてもよく分からなかったな。あのジンってやつの能力。)




ピザファットは珍しく頭を使う。




(鎌を振り回して俺っちに傷を負わしたんだよな。それは間違いねぇ。)




自らの体をもう一度よく見てみる。




「待てよ……。閃いたかも知れねぇ。」




ピザファットは戦いを振り返る。




ジンに向かって放った拳は手を使わず躱された。


不意打ちで使った爆弾はしっかりと当てることが出来た。




ならば、答えはきっとこうだ。




(超スピードで動ける。これしかねぇだろ。)




頭の中の電球に電気が通った感じがしていた。




(そうすると、俺っちの能力じゃ一方的にボコられるだけだな。あの鎧とかを使えれば別の手もあるんだけどなぁ…。)




ピザファットは自身の頭に手を当てる。




ギーッ




(相棒の炎を使えや、かなり動きを制限できそうだけどなぁ。)




ギーッ




「何だ?何か、いんのか?さっきから俺っちの思考タイムを邪魔しやがって!」




ピザファットは立ち上がり、周囲を確認する。


だが、周りには何もなかった。




「ちょっと、本気でビビっちまったぜ。へへっ。」




ピザファットは大きな声で笑う。




「アッハハハハハ!」




ピザファットは昔読んだ本の内容を思い出す。




「お化け~なんて~怖くないぜ~。俺っちは~最強の~戦士だぜ!」




ギーッ




(嘘だろ。まだ聞こえるぜ!大声にビビって逃げるんじゃなかったのかよ!)




ギーッ、カタッ




ピザファットの近くにあった燭台が倒れる。




燃え広がっていた炎が収まっていたことと、太陽が沈んだことが重なったからなのか。


視界がかなり暗くなったように感じていた。




「おいおい、本当に誰なんだ?いるなら出てこい!」




倒れた燭台から燃え広がる炎がやけに眩しかった。




(折角、炎が消えたってのにまた火事になったらどうするんだよ。)




ピザファットは炎へと近づく。




ザッ




「おっ!…な、なにぃ!!」




何かがピザファットの背中を引っ掻く。


背中から出血するのが分かった。




「くそ!暗殺者か。俺っちはそう簡単には倒れねぇぞ!」




ピザファットは後ろを向く。




(暗いからか?全然姿が見えねぇ。)




ギギィー




左腕に強い痛みが襲ってきた。




「この野郎!痛ぇ!そこか!!」




右手で左腕を掴む。




「くそ!どうやって攻撃してきやがんだ!!」




何かを掴んだ感覚は全然感じられなかった。


しかし、明らかに今何かに攻撃されている。




ピザファットは炎の近くまでたどり着く。




「何だよ…これ!」




左腕に4本の引っ掻き傷が見えた。




(くそー。いつもの回復力はどうしたよ。俺っちは最強なんだぜ!)




ピザファットは傷口に手を当てる。


本当に徐々にだが、傷口が塞いでいる感じはある。


だが、いつもであればとっくに完治しているはずだ。




先程ジンにつけられた胸の傷を確認する。




ピザファットは少し青ざめた。


通常、というより今までであれば付けられた傷は完治し跡が残らなかった。


キロネキシア島で戦っていたときも、首をはねられようがそれは変わらなかった。




だが、今はどうだ。


胸につけられた傷は確かに塞がり、痛みは感じない。


しかし、その跡ははっきりと残り、これ以上回復する兆しを見せなかった。




(な、何かの見間違いだよな…。たまたま今日やる気がないだけだ。そういうことにしておこっと。)




ピザファットは直ぐに、目の前の敵のことに集中した。




(俺っちの考えが正しけりゃ、こいつは俺っち達がこの森に来た時に襲ってきた奴だ!)




ピザファットは心臓と首を守りながら、周りを見る。




(せめて能力が分かればいいんだけどな。これまで通りの捨て身戦法は無理そうだな。)




自らの腕の傷を見ながらピザファットはどうするべきか考えていく。




(それにしても何で奴は攻撃をしなくなったんだ?俺っちは隙だらけなのによ。)




ピザファットは少しだけ前に歩いてみた。




ググググ




「おぉっと!!」




ピザファットの足が掴まれた。


そのままピザファットは引きずりこまれる。




「この野郎!」




足をバタバタと動かす。




ドン




すると、何かにぶつかった感触があった。




(お?俺っちの蹴りをまともにくらってやんの!)




ピザファットに笑みがこぼれる。




「どうよ!反撃されるなんて思わなかっただろ!へへっーん!」




そう言いながらピザファットは元の位置に戻る。




(あっぶねー!何かよくわかんねぇけど、ここなら安全ってことか?)




ピザファットは後ろを見る。




(一瞬、炎から離れたら襲われた。ってことはあれか!?こいつは熱に弱い。これしかねぇ。)




ピザファットは無事な蝋燭を拾う。




「すまねぇ。誰かいるならとっとと出てきてくれよ!」




ピザファットは近くの家に大声で話しかけ、声が返ってこないのを確認すると炎を付けた。




ゴォォオオオ




家が燃え、辺りが一気に明るくなる。




スルスル




何かが動き、影に消えていく気配を感じた。


ピザファットは蝋燭を持って、近づく。




「そこに隠れてんのはもうお見通しだぜ!素直に姿を現して俺っちに許しを乞うんだったら、まぁ許してやらんこともねぇぜ!」




ピザファットは真っ暗な暗闇に炎を近づける。




「何だ?確かにここに隠れたと思ったんだけどなぁ。」




ピザファット、彼の目には自分の影しか映らなかった。


空を切ってみるが、何かがそこにあるようには思えない。




「ん?」




ピザファットは何か違和感を感じた。




もう一度空を切ってみる。




「ははぁ!そういうことか!そういうことだったのか!」




ピザファットは大笑いする。




(どうして奴が姿を現さずに攻撃出来たのか?何故炎の近くに寄ってこなかったのか?)




ピザファットは影を掴んだ。

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