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ダイヤモンド・ダスト・トレイル「斜陽へと羽ばたく鳥」   作者: 白山 遼
❦薄明光線ー超大陸バンギア北西部ー
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❦+Another Story2「食えども食えども」4/4

「お腹、すいた。もっと、もっとたくさん食べたい・・・。」


だが、その言葉は女の子には届いていないようだ。


女の子はマーリンに突進してきた。


「おっとぉ。いきなりだね。」


すれすれのところで、攻撃を回避していく。


「食べるぅのぉおおお!!」


女の子の口が大きく開く。


女の子というより、本当は怪物といった方が良いだろう。


それくらい、既にその見た目は悲惨なものとなっていた。




体は大きく膨れ上がり、顔は8等分に別れ、ワームに足が生えたような姿へと変貌を遂げる。


「クウ、イタダキマァアアス!!」


その口を開き、ムカデのようなたくさんの足で跳躍する。


地面にパクリと食らいつき、地下へと潜っていく。


砂埃が舞う。




マーリンは、エドゥの風体術のように構える。


(さぁ。どこからでもおいで。)


ワームの怪物が地上へと姿を現す。


出てきた場所はマーリンの足元だった。




足元ごと口の中へと入れようとしているのだろう。


マーリンはその場から動かなかった。


「ゴチソウサマァア!!」


怪物はマーリンを呑み込む。




エドゥとピザファットは、住宅街のワームの対処をしていた。


「一番優先させないといけないのは、被害者を増やさないことだ。」


「相棒!俺っちに考えがある!」


「珍しいな。一応聞いておこう。」


「俺っちの必殺技を使うんだよ!」


「必殺技って、なんだっけ?」


「よっしゃ、いっちょやってみっか!」




ピザファットがワームへと突っ込んでいく。




「なにやってるんだ!!食われるぞ!!」


エドゥが止めに入ろうとしたが、時すでに遅し。


ピザファットのほぼ半分が食いちぎられてしまった。




直ぐにピザファットの体が再生していく。




「大丈夫か!?」


エドゥがピザファットの元まで駆けていく。


「俺っちの能力を忘れてるぜ、相棒!」


「再生したってワームは倒せないだろう?」


「違う、再生の方じゃない。」


ピザファットがワームの方を指さす。




ワームの動きがおかしい。


急に動きを止め、苦しそうにもがいている。




「名付けて細胞爆弾!」


ワームが内側から膨れ上がるピザファットの細胞を抑えらず、破裂する。


血液やら内臓のようなものが辺りに飛び散った。




エドゥはその光景を見て、ピザファットに言った。


「その技、子供の前で絶対やるなよ。」




一方ギャンブル街では、ギランがワームを処理していた。


「大車輪!!」


ワームの体に火がともる。


ワームが地面に潜ろうと跳躍し始めた。


「いつも通りだな!!だが、そうはさせん!!」


ギランはワームに近づく。


「破局噴火!!」


地面から火柱が立つ。


ワームが空中へとはじきだされた。




急速に温度が上がる。


ギランの髪型が金色に変わった。


炎のトーチが、合わさり剣へと姿を変える。


「レーヴァテイン!!」




ギランは剣を薙ぎ払った。


ワームの体が真っ二つに切られた。


「ふぅぅぅぅぅぅ。」


ギランは深呼吸をする。


(クールに。クールに。)




刻まれたワームの体が燃え尽きて灰へと変わっていく。


(やりすぎたかな・・。)


ギランは辺りを見回す。




地面は熱々のフライパンのように焼けていた。


(あぁ、レオ。お前を助けられたら、俺は、どこか遠いところで、一人で。)




カロリーナ、ポテチもその頃ワームから民衆を守っていた。


「行け行け!!」


カロリーナが自分の分身を次々と出し、ワームの動きを止める。


ポテチがワームの口にシャボン玉を当てる。


「さぁ、いっぱい食べるよろし。」




ポテチが指パッチンをする。


パンッ、パンッとシャボンが割れていく。


急にワームが膨れたのが見て分かった。


「何をシャボンに入れたの?」


「さっきあいつに壊された教会の部品ね。」


ワームが破裂する。


こうして、ポータム・ポートへと放たれたワームは一掃された。




残るは、マーリンを捕食した怪物一体のみとなった。


「ツギ、ツギノタベモノ。」


怪物が、民家を食い散らしていく。


「ミツケタァ!!」


化け物の涎で、住民が思うように動けなくなっていく。


「イタダキマァアアス!」


命乞いの声を無視し、化け物は餌を口まで運んでいく。


「ゼンゼン、タリナァアアイ!」


化け物は一軒、一軒を破壊し、餌を探していく。


「オナカガァ!!!スイタァアア!!」




「大車輪!!!」


ギランの攻撃で、化け物の注意を引く。


「イタダキィ・・・」




「気来風体掌!」


「おりゃあ!!」


「はいやぁああ!!」


「えーい!」




エドゥ、ピザファット、ポテチ、カロリーナの4人が合流し、化け物に攻撃を加えていった。


化け物が押され、地面に倒れる。


「きゃああああ!!」


すると、中から街のみんなの声が聞こえてきた。




「まずい!下手に攻撃できないぞ!」


「でも、どうするの?このまま何もしないって訳にもいかないでしょ。」


「一旦離れようぜ!動き始めるぞ!」




怪物が体を起こし始める。


体のあらゆる所から生えてくる手で、上手く起き上がっていたのがよく分かった。




「あの手を切り落として、動けなくしてから食われた皆を助けよう!!」




「グェェェェエ!!!」


怪物が壁に張り付き逃走を図る。


(くそっ!逃がすか!!)




「やぁああああ!!!」


壁に張り付いた手を、先程吹き飛ばされていたグイドが切り落とした。




怪物が地面に落ちる。


「ウギャアァァァ!!!」


仰向けになり、何とか元の体勢へと戻ろうとしている。


「今だ!!腹を引き裂いてでも、皆を助けよう!!」




「アァァァアアア!!!ナニ!!!ナニ!!!」


急に化け物が苦しみだし、転がり始めた。


「オナカガァ!!!オナカガァ!!」




「何だ!どうしたってんだよ!」


「見て、お腹が元に戻り始めてる。」


「本当だ。どうなってるか?」




「二ヒヒ!」


6人の前にマーリンが姿を現す。


「説明しよう!!最強の魔法使いであるこのマーリンちゃんの手によって、呑み込まれた皆を外にワープさせたのだ!」




「さっすが!誰だか知らねぇが、凄いぜ!」


「あぁピザファット、終わったら皆で自己紹介でもしようか。」


「さて、それじゃあ。これ以上犠牲を出さないために、倒しましょう。」


「おじさんがどこにいるかも吐いてもらわないと。」


「いけないことした罰を受けてもらうよ。」


「さぁ!!!止めだ!!」




化け物が怒り狂い全員を睨む。


「ゴォォォォォォォォォォォォォ」


化け物は最後の力を振り絞り、周囲の物を吸い込み始めた。




「うぉ。まずい!!吸い込まれるぜ!!」


「何も入らなくなるまで詰め込め!!」




エドゥの提案にその場にいる全員がのる。


「こんなのでどうだ?」


ピザファットが足元に落ちる瓦礫を投げつける。


エドゥも獣の手で大きな瓦礫を持ち上げ、化け物の口に放り投げていく。


カロリーナは自分の持っている武器を化け物に投げつけていった。




「ぷくぷくぷく」


ポテチは自分の口からシャボン玉を膨らませ、ワームと同様化け物の口の中ではじかせる。


「floodest」


マーリンの手から大量の水が飛び出す。


「えい!!」


グイドも負けじと手から塩を飛ばしていく。




「アバババババ」


化け物の体が膨らんでいく。




「ウマイ!!ウマイ!」


化け物の食欲は果てしなく、底が見えない。




「皆、今だ投げろ!!」


生き残った街の皆が色々なものを投げてくれた。


それはデンプンなどの食べ物であったり、町中からかき集めてくれた瓦礫だったりした。




「ウマイ、ウマ、ウゥ!!!」


化け物が物を取り込むのを止めた。


「限界を迎えたようだな!!!」


ギランが最後の攻撃に出る。


「火炎撃 鳳凰!!」


最後に放り込まれた炎の塊は、詰め込まれたものを押し無理やり口の中に入り込もうとした。




「ウ!!!!!!!!!!!!!ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア」




もの凄い量に耐え切れなかったその体は遂に破裂し、その体は四散していった。


「わsたしstdgjはだたああだlたきたあrlhkkhkskssyysfskrsにょに・・。」


最期にそれは何かを言いかけていたが、その言葉は誰にも届かなかった。




「終わった・・・。」


安堵したからだろうか、全員にどっとした疲れが出てきた。


「いや、まだだ。まだ終わってない。」


エドゥが四散した少女の元へと歩き始めた。


「あぁ、そうだ。レオや攫われて怪人になった者。解決しなくちゃいけない問題が多すぎる。」


グイドがギランに同意し、首を縦に振った。




「きっと、この少女の記憶を覗けば、何か進展があるはずだ。」


「あぁ、それから僕たちは教会としてどう行動すべきかを考えなければいけない。」




エドゥが少女の破片に左手をかざす。




記憶が呼び起こされる。


先程の戦闘の記憶からリプレイされる。




「記憶が多いみたいだ。とりあえず、皆休んでていてくれ。何かわかったらすぐ知らせに行く。」


エドゥは皆を返し、事務所でピザファットと一緒に記憶の解析を行っていた。


「相棒、少し休んだ方が良いんじゃないか?」


「大丈夫だ。早く有益な情報が欲しい。」


エドゥは寝る間も惜しみ記憶を読み解いていた。


記憶は悲惨なものが多く、見るに堪えないが、それでもやらなければならなかった。


やがて解析が終わる。


エドゥの心にやるせない気持ちが残っていた。


脳内設定その⑱

ポテチ=テラーマン 種族-妖精ー

ギフト名「Super Bubbles」

「体内からシャボン玉を発生させる能力。シャボン玉は任意で割ることが出来、あらゆる物をシャボン玉に取り込み運ぶことが出来る。」


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