❦+Another Story2「食えども食えども」3/4
「これは・・・。一体・・・。」
エドゥが左手で地面に触れる。
ー過去の記憶が流れ込む。ー
悲鳴が聞こえる。
この街の皆の悲鳴が。
何によって?
それは大きいもの・・・。
「見えた!ワームだ!!」
「ワーム?」
巨大なワームが街を食い荒らしている光景が浮かぶ。
「・・・棒!!」
「相棒!!!」
ピザファットの声でエドゥは手を離す。
「何か音が聞こえないか?」
「音・・・?」
エドゥは耳をすませる。
すると、ピザファットの言う通り何か音がするではないか。
その音はまるで、こちらに気付いたかのように近づいてきた。
「相棒。こいつは全力で戦う必要がありそうだな。」
「あぁ、少年は危ないから下がって。」
「嫌だね。ワームなんだろ?おじさんをさらった奴かもしれない。」
「あぁ、くそ!どうなっても知らねぇぞ!!」
3人は戦闘態勢をとる。
エドゥは風体術の構えを、ピザファットはガジェットを手に、グイドは剣を取り出した。
「来るぞ!」
「変身!!!」
「おじさんを返せ!!」
目の前に建っていた家の壁からひびが入る。
壁が吹き飛び、巨大なワームが飛んできた。
ピザファットがワームの突進を真正面から受け止める。
「うぉおおおお」
ワームが動きを止める。
すかさずエドゥ達は側面に回り込み、ワームに攻撃を加える。
「気来風獣掌!!」
「えい!!」
ワームが地面に潜った。
「どこだ!!」
「し。静かに。」
耳を研ぎ澄ます。
ワームがエドゥの目の前に飛び出す。
「気来風獣掌!!」
ワームとエドゥの実力が拮抗する。
(くっ!気来風竜掌で対応する!!ウィリー頼む!)
(だめだ!!こないだ使ったばかりでまだ回復してないうちに使うのは危険すぎる。)
ドゴォオオン!!
新しいワームが2体湧く。
「何?一体じゃねぇのかよぉ!!」
「おじさんはどこにいるんだ・・。」
「モードチェンジ、ハイパーループ!!」
ーHyper Loopー
ピザファットの姿が消える。
激昂モード時の超高速移動だ。
そのまま、エドゥの目の前のワームが吹き飛ばされた。
ピザファットはそのまま地面に倒れていく。
「後は頼んだーー!!」
ピザファットの鎧が外れ、変身が解除された。
エドゥとグイドの前に2体のワームが立ちふさがる。
「ピザファット、ナイスだ。」
エドゥはピザファットに賛辞を送ると、ワームに向かい構える。
「グイド!一体足止め出来るかい?」
「倒してやるよ。」
「そりゃ、頼もしいね。」
エドゥは右手を竜の手に変える。
グッと右肩が下がる。
「あまり、長時間は骨に悪そうだ。」
ウィリーの声が脳裏に響く。
(無茶な。あまり使いすぎると、本当に取り返しがつかなくなるぞ。)
(それでも、今はこれしか手がないんだ。)
エドゥが構える。
「火炎撃 鳳凰」
炎の鳥がワームに掴みかかった。
ワームが熱に耐え切れず、地面へと逃げていく。
「誰だ!」
「俺か!!俺の名前はギランだ!!!」
エドゥ達は、こうしてギランと出会った。
その後合流したマーリンに連れられ、彼らは教会の一室に集まる。
「そんな・・・。今まで戦っていた怪物の正体が市民だったなんて・・。」
「じゃあおじさんは怪物にされるために連れ去られたってこと?」
「だとすると、あのワームを操っている者が黒幕と考えるべきだね。」
「ワームを捕らえればその辺ははっきりするだろう。」
「どういうことだい?」
「僕の能力で触れたものの記憶を遡ることが出来る。」
「なるほど、じゃああのワームを倒すことが先決ってわけね。」
信徒が中に入ってきた。
「失礼します。ワームが掘った穴を調査した結果、巣らしきものは見つかりませんでした。」
「つまり、今どこにいるか分からないってことだね。」
その直後の事だった。
大きな揺れが教会を襲う。
「何だ?何だ?」
「教会が傾いているぞ!」
椅子が次々と滑り落ちてくる。
「危ない!!」
エドゥ達は、信徒たちを椅子から守っていく。
信徒たちの安全を確保してから、窓から外へと飛び出していった。
すると、そこには教会の柱をがりがりと食べている女の子の姿があった。
「んみゃんみゃ。もっと、もっと!!」
女の子は柱に歯を立てている。
「おいおい、ひょっとしなくてもヤバい奴だな。」
「お嬢さん、それは食べるものじゃないよ。」
ある信徒がその女の子を柱からひき剥がそうとする。
「もっと、食わせろぉ!!もっとぉおお!!」
パクリと信徒の腕が食いちぎられる。
悲鳴が鳴り響く。多くの信徒は一目散にその場から離れた。
「もっと、もっと!!」
女の子の口から、ワームが飛び出してくる。
逃げ出す信徒を次々と捕食していく。
「はぁああ、じゅるるるる、まだ。まだ足りない!!」
ワームが暴れ出す。
地面に多くの血液が垂れている。
「この!!おじさんを食べたのはお前か!」
グイドがワームの体に剣を突き刺す。
「いちゃあああ!!」
女の子が悲鳴を上げると、ワームも同時に暴れ始めた。
「っ!!」
ワームの巨体に弾かれグイドは吹き飛ぶ。
「Slowest」
マーリンの魔法でワームの動きが遅くなる。
「皆、ワームを根本から引きちぎって!これ以上犠牲者を出さないためにも。」
その場にいる全員が本体と思われる女の子を狙う。
「足りない。じゅるる。この場にいる分だけじゃ。」
急に女の子の様子がおかしくなる。
「気を付けろ!何かしてくるぞ!!」
全員が警戒しながら近づく。
すると、次の瞬間。ワームが女の子から千切れてこちらに突進してきたのだ。
「気来風体掌!!」
エドゥは風でワームの進路を無理やり変え、食われることを防いだ。
後ろから悲鳴が聞こえる。
エドゥが振り返ると、一般の信徒だろうか、突進されたワームに体ごと食いちぎられている姿が見えた。
ワームが生きの良い魚のように町中を跳ね回っていく。
次々と民家を破壊し、中にいる獲物を捕らえていった。
「まずい!ワームを止めろ!!」
「ピザファット、俺たちは事務所方向のワームを狩ろう。」
「オーケー、相棒!!」
エドゥ達は、走りだしていった。
「よし、じゃあ俺はあっちに行こう!!」
ギランは、ギャンブル街を指さすと一直線にかけていった。
「僕たちも負けてられないね。カロリーナ、ポテチ、残りのワームを頼むよ。」
二人はマーリンから指示を受けると、ワームの討伐に向かった。
「さてじゃあ僕は、君の相手でもしようかな。」
マーリンは女の子に語りかける。




