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ダイヤモンド・ダスト・トレイル「斜陽へと羽ばたく鳥」   作者: 白山 遼
❦薄明光線ー超大陸バンギア北西部ー
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序章「教会VSAH社」2/4

地上にいた両方の戦力も同時に失われた。


教会側からある提案がなされる。




「ハルピュイアでは、兵の損失を生じる。やはり、空中で機体を完全に破壊しなければ・・・。」


「まどろっこしい、言い方は止めなよ。あいつを出すべきだ。って言いたいんでしょ。」




上空から光が解き放たれた。


荘厳な鎧を纏った蠍の尾を持つ半人半馬の生物が現れた。


パピルサグと名付けられたそれは、ゆっくりと頭を上げる。




そこからはもう一方的な戦い、いや戦いでは既になくなっていた。


パピルサグの口から放たれたレーザーにより航空機は空中で爆破。


中にいた歩兵機械兵は跡形もなく蒸発していった。




輸送機械兵は即座に撤退する。


増援が来なくなった機械兵を教会の兵は殲滅していった。


後には鉄くずが散らばるのみだった。




 進行をしていくと、遂に軍はAH社の本部へとたどり着いた。


クレーン型の機械兵や、戦車型の機械兵、砲台型の機械兵、電波を放つ機械兵。


目視できる範囲でも相当数の機械兵が本陣を守っていた。


先程の大地と違い、地面はコンクリートで埋められておりアダモが這い出る隙はない。


教会側もこれ以上増援を送りにくい状況になった。




正規軍は直進をする。


長期戦になるとジリ貧なので、一気に本丸を叩こうとしてのことだった。




だが、そう上手くいくはずもなく、地面から壁が生えてきた。


教会の戦力は分断されたのだ。


速やかに砲台型の、砲兵機械兵(Artillery)による火力支援が行われる。




ハルピュイアは壁を飛び越え、砲兵機械兵の破壊を試みた。


しかし、それは撃ってくれと言わんばかりの行為であった。




砲身が上を向く。


砲撃が始まった。


ハルピュイア達は上へ、上へと上昇していく。


砲撃の射程範囲外まで上昇した。


このまま、基地まで突っ込もうとしている。




次の瞬間、眩い光がハルピュイア達を包み込んだ。


ハルピュイア達はその姿を保てず、一瞬で全滅した。


対航空機用の機械兵、高射機械兵(Anti aircraft artillery)によるレーザー砲の仕業であった。




地上を観測していた、ベガ=へパイアスが椅子から立ち上がる。


「能力の使用の許可を頂けますわね。」


その言葉を、隣に座っていたノア=へパイアスは聞き逃すわけにはいかなかった。


「お姉ぇ、本気で言ってるの?こんな雑魚にそこまでする必要なんてないよ!」


「ノア、あなたのその自身満々な性格。悪いとは言わないけど、もう少し慎重にいくべきよ。」


ミラ=へパイアス、3姉妹の長女が今度は口を開く。




ベガの提案をジークリードが受け入れたことによって口論は収まった。


ベガがその能力を解放する。




その頃地上では、一方的な殺戮が行われていた。


壁によって上手く分断されたアダモやミノタウロスを高い位置から砲撃していく。


彼らはなす術なく次々と散っていった。


パピルサグは砲撃を狙いレーザーを放つが、高射機械兵のレーザーがそれを邪魔していた。




急に空が光始めた。


それからしばらくしてドゴーンと大きな音が鳴り響く。




隕石だ。


上空から隕石が降り注ぎ、砲兵機械兵に直撃する。




高射機械兵によってレーザーが放たれた。


大きな岩の塊が爆散していく。




しかし、隕石は降りやまない。


次々と地上に落ちていく。




一部がレーザーから逃れ、AH社の本部に直撃しようとしていた。


しかし、それは直撃せず。ピタリと空中で止まる。


そのまま隕石は粉状に粉砕された。




高射機械兵は隕石の対処で手一杯だった。


先程までの警戒態勢が解かれていたのだ。


パピルサグがそれを確実に破壊出来る距離まで詰めようと前進する。




その動きに気付き、今まで動きを見せなかった戦車型機械兵が動き始めた。


戦車機械兵による砲撃がパピルサグを襲う。


その威力は今までの機械兵の比ではなく、パピルサグの鎧に傷がつくほどであった。




パピルサグが傷つきながらその歩みを進めていく。


激しい攻撃により鎧は既に壊れていた。


体中に激しい痛みを感じていた。




パピルサグが遂に足をつきその場で止まってしまった。


砲身がパピルサグを捉える。


この攻撃が当たったら一溜まりもないだろう。


砲弾が放たれた。




直撃だった。


しかし、それはパピルサグに、ではない。


当たったのは生き残っていたミノタウロス達にだった。




彼らは身を挺してパピルサグを庇ったのだ。


パピルサグは残る体力を振り絞り高射機械兵にレーザーを放つ。


そしてそのまま絶命した。




レーザーの軌道は少し下がってしまい、高射機械兵には当たらなかった。


だが、それを固定している地面を吹き飛ばしたので、高射機械兵は傾き、その口は真上へと開いていた。


レーザーがこれ以上当たることはなくなったのである。




隕石が降りやむと、歩兵機械兵がその姿を現し、残っている兵を狩り始める。


銃撃や、爆弾、戦車による砲撃。あらゆる攻撃によって、軍の戦力が削られていく。


教会側も機械兵を破壊していくが、戦車機械兵による妨害によってあまり上手くいかなかった。




再び隕石が降り注ぐ。


隕石が戦車に直撃、装甲がへこむ。


兵士たちは戦車に狙われなくなった隙をつき、前進した。




ピタリと動きが止まった。


それは、本拠地にあと一歩で入れるところで起こった。


急に金縛りにあったように、体から自由が奪われる感触がしている。


次の瞬間。


兵士たちの体が次々と引き裂かれていった。


最期に見えたのは、血によって色づけられた網目状の糸と、一人の女性の影であった。




引き裂かれていく仲間を見て、遂に逃げ出す兵士も現れた。


歩兵機械兵の追撃で倒れる者がいる一方、運よく戦場から離脱できた者もいた。


しかし、彼らは完全に逃げられたわけではなかった。




彼らの前方に先程破壊したはずの機械兵の集団が見える。


その謎は直ぐに解けることになる。


先程の戦いでは姿が見えなかった種類の機械兵がいたのだ。


その機械兵は様々な工具をぶら下げていた、衛生機械兵(medic)であった。




慌てて戻ろうとするが、本拠地にいた機械兵がすぐそこまで近づいてきた。


兵士たちは囲まれた。




ミノタウロスの怪力、カークスの火炎放射、アダモの増援により必死の抵抗が試みられる。


衛生機械兵は、すぐさまその場から姿を消そうとしていた。




その頃、教会側は本格的に軍を出動させるか、増援を送り対処をするかで揉めていた。


「ん”-”!”や”は”り”、”こ”こ”は”私”が”で”よ”う”!”」


「お待ちください。たかが、一組織に天使がわざわざ介入するのですか?妖精たちに命令すればよろしいではないですか。」


「各都市の警備はどうするの?悪魔たちがいることも忘れてはいけないわ。」


「そうです。それに悪魔以外にも教会には敵が多いですから、能力者を都市から離すのはあまり得策じゃありません。」


「抵抗軍、暗殺教団、王政復古派、傭兵エトセトラ、エトセトラ。ッハ!随分と嫌われておりますな、教皇殿。」

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