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ダイヤモンド・ダスト・トレイル「斜陽へと羽ばたく鳥」   作者: 白山 遼
❦薄明光線ー超大陸バンギア北西部ー
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❦+Another Story1「神の鎧」1/4

It swallows everything.

昔話をしよう。


この世には神が実在したとされている。


神は巨大な力を持って、バラバラに散っていた大陸を一つにまとめた。


それが今いるこの超大陸バンギアと言われている。


大陸を繋げたことで様々な種族が共存することとなった。当然対立が起きることもある。


神はその大いなる力をもって共存できる道を模索していった。




やがて大きな戦いが起こった。


どの種族が優れているか、この大陸を治めるのはどの種族かといった単純な理由だった。




神はそのことに大変心を痛められた。


神は教会を作り、ある程度統治をしようとお考えになられた。


自らの力は大きすぎると考えたので天使に教会を任せ、様子を見ることにした。




教会の働きはとても満足するものだったという。


種族間の争いを厳しく禁止することによって、大陸に平和が訪れた。




かのように思われた。


なんと今度は、天使の中から堕天するものたちが現れ、反旗を翻してきたのだ。


堕天使は悪魔とも呼ばれ、教会が禁止していた種族間の争いを起こし世に混乱を招いた。




天使は神に与えられた権限によって超常の力を発揮し、悪魔を撃退していった。


悪魔側も元は天使なので、彼らもまた超常の力で抵抗していた。


戦いは激しく、双方かなりの被害を被った。


仲間を増やすために彼らは他の種族に権限を与えていったと言われている。


天使によって与えられた権限を祝福(ギフト)、悪魔によって与えられた権限が(カース)いと呼び、区別するのはここからが始まりとされる。




この戦いは後にハルマゲドンの戦いと呼ばれる。


決着は教会側の勝利とされているが、悪魔が全て倒せたわけではなかった。


生き残った悪魔は、この戦いの後再び他種族と契約し、抵抗軍という組織を作る。




神は、自らが干渉しなければこのような事は起こらなかったのではないかと考え、これ以上干渉しないように自らの体を7つに分け、その姿をお隠しになられた。




その分けた体がそれぞれ武器の形をとり大陸中に分散したとされる。


曰く、万物を切断する右手は鋭い剣へ。


曰く、天変地異を起こす左手は巨大な鎚へ。


曰く、森羅万象を見渡す目は黄金の弓へ。


曰く、強力な言葉を放つ口は荘厳な笛へ。


曰く、最高硬度の骨は何者も貫けぬ盾へ。


曰く、光速で走る足は屈強な槍へ。


曰く、如何なる環境でも適応する皮膚は鎧へ。




「ふーん。それでその話が今の状況とどう繋がるんだよ。」


建物の側面に座り込んだピザファットがエリアスに質問していた。




「教会は強力な軍隊を持っているんです。正規軍や遠征軍なんて呼ばれているんですが。その軍隊に所属する者は先程の神の鎧、通称を神鎧しんがいっていうんですけどね、その神鎧を持っているんです。」


「ん?鎧は一つじゃないのかい?」


エドゥの中のウィリーが興味を抱き、質問をする。




「鎧はすっごく大きいので、何個かに分けて配られているんです。」


(なるほど。)


ウィリーは納得した。




「で、どう繋がるんだよ~。」


ピザファットがエリアスに歩み寄る。




「私も神鎧を持っているんですよ。」


「分かった、鎧は持ち主の能力を増強するんだろう?」


ウィリーが割って入る。




こくりとエリアスが頷く。


「えぇ、通常、私の能力は上下にしか重力を操れないんです。でも鎧があれば・・・」


「あらゆる方向で操ることが出来ると。」




「でもさぁ。それっておかしくないか?」


ピザファットが首を傾げる。


「その話を聞く限りだと、今この状況を起こしているのはあんたの鎧ってことだろう?でも、あんたはここにいる。」




「えぇ、私にも分かりません。なんでこんなことになっているのか。」


「鎧が勝手に動いてるとか?」


「有りえません。いくら神鎧であろうと。」




うーんと一同が首を傾げる。




「とにかくです。この街に私の鎧がいることは確かです。それを止めなければ大変なことになる。」


「確かに、あと90度傾けられたら皆、空に落とされちまうな。」


「一刻も早く何とかしないと。」




エドゥ達は立ち上がった。


「俺っちはギャンブル街の方に行くぜ。」


「俺は事務所に行って見る。夫人が心配だ。」


「では、私は港の方に。」




「待って。」


今まで話を聞いていたナタリーが口を開いた。


「皆これを。」


ナタリーが荷物から資材を取り出し、握った。


眩い光が生じ、資材が小型のデバイスへと変化した。




「やはり祝福ギフトを持っていたんですね。」


(この能力で、ジークリード様はいったい何をしようというんだ?)


エリアスはナタリーの方をじっと見る。




「今は、あたいのことはどうでもいい。それよりもこれを耳につけて。」




3人は言われた通りに、耳にイヤホンの形をしたデバイスを付けた。


するとデバイスから映像が飛び出してきた。




「オッケー。皆これで連絡が出来るわ。鎧を見つけたら連絡して。」




「おぉ。これかっけーな。これさっきの変身しても使える?」


ピザファットがナタリーに問いかける。


「もちろん、調整済み。あたいに出来ないことはないわ!」


力強い言葉でナタリーが返答する。




「よし、急ごう。少しずつだが、また傾き始めてきた。」


「おぉ!」「えぇ!」




「ナタリー、とりあえず君は建物の中に避難してくれ。そうすれば多少は安全なはずだ。」


「分かった。皆も気を付けてね。」


ナタリーはそういうと足元にある扉を開け、中に入っていった。




エドゥは右手の獣化で建物の壁に爪を引っかけ探偵事務所の方に向かう。




「よっしゃ。いくぜー!変身!」


ピザファットは鉄球を握り、鎧を纏った。


ーProjection "Gravity Falls"ー




そして、重力を操り浮遊し、建物の間を抜けていった。




エリアスも港の方へ、浮遊しながら向かっていった。


(それにしても、あの鎧、不思議です。私の能力を再現している。あの娘には後で色々と聞かなければならないみたいですね。)




「Press Start "Shooting Game"」


「何!?」


突然エリアス目掛けて銃弾が放たれる。




「ふん。避けたか。面白いじゃん。さすがは我が好敵手といったところか。」


エリアスの前に男が姿を現した。


「ザウル、何故あなたがここに?申し訳ないですが、今あなたとの遊びに付き合っている暇はないんです。」


「そっちになくても、こっちはあるんだよねぇ。神鎧の無断使用。ほら、ここまで言えば分かるだろ?」


「あれは、私じゃない。誰かがあの鎧の中に入っているはずなんです。あなたも協力してくれませんか?」


ザウル=スピリドノフ、エリアスの仲間はため息をついた。


「はぁああ。お前、つまらないこと言うなよ。お前以外に誰がこれほどの重力を操れるっていうんだよ。」


「だから、それを調べに・・・」バァァァン


エリアスに弾丸が掠った。


「次は外さない。いい機会だ。お前を逮捕する前にどっちが強いか白黒つけようか。」

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