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ダイヤモンド・ダスト・トレイル「斜陽へと羽ばたく鳥」   作者: 白山 遼
❦薄明光線ー超大陸バンギア北西部ー
53/504

❦+Another Story1 「邂逅」4/4

「分かった、あんたに依頼する。あたいのことを守って!!」


少女が叫ぶ。


「その依頼。請け負った。名前は?」


「ナタリー=ガンデイユ。」


「分かった。ナタリー。もう少し後ろに下がっててくれ。」




エドゥとナタリーを前に、エリアスが再びため息をつく。


「私を敵にするのですね。」


「あぁ、そうだ。」


「私言いましたからね。どんな手を使ってもって。」


「いくぞ。」




エドゥが構える。


エリアスがゆっくりと近づく。




「相棒!奴に近づくな!!」


ピザファットが叫ぶ。


「奴の能力は一定の範囲内で作用する!!」




(なるほど。これは使えるかもしれない。)


ウィリーがじっと目を凝らす。


(エドゥ。少しでも重さを感じたら重りを外そう。)


(なるほど、そのまま意表をつくってわけか。)


エドゥはウィリーの意図を理解し、自分の服に手をかけた。




エリアスが近づいていく。


(ウィリー、気来風獣掌をうつ。準備たのむ。)


ウィリーが頷く。




ズズズズ


エドゥの体に力が入る。


(今だ!)


エドゥは重りを外し、エリアスに近づいた。




「何故だ?この重力下で動けるはずは!?」


予想通り、エリアスの完全予想外の事態であった。


「気来風…うぉっ!?」


そのまま攻撃を当てようとした、瞬間。


急に重さがなくなり、エドゥの体は急に浮き始めた。


「まずい!体が自由に動かせない!?」




エリアスが空を飛び、近づいてきた。


(エドゥ、すまない。彼が重力を下げることを失念していた。)




エリアスはエドゥの真上に来るとエドゥに蹴りを決めた。


直後、重力を一気に上げる。


エドゥの体はどんどん勢いを増して、地面に落下していく。




(だめだ。直撃する!?)




「相棒!待ってろ!受け止めてやる!!」


ピザファットは重力がかかりながらエドゥの落下場所に向かう。




エドゥが落下する寸前、エリアスによってその場の重力が下げらえた。


再び、宙に浮かび、ゆっくりとエドゥは地面に着いた。




「どういうつもりだ。」


エリアスに問い詰める。


「もういいでしょう。あなたは今死んだ。そこのあなたも私は止められなかった。これ以上戦う意味も時間もない。」


エリアスはナタリーに近づく。


「あなたも、ただ教会に行くだけでいい。私はそれ以上を望まない。」


「嫌だ。あたいは二度とあんなところに…」


ナタリーが震える。




ガシっとエドゥはエリアスの肩を掴む。


「まだ終わってない。」


「次は止めませんよ。」


エリアスがエドゥの手を払う。




「止めろなんて、誰も言っていない。」


「強情な人だ。死んでも知りませんよ。」


「相棒!今度は俺っちも戦うぜ。」




2対1の戦いが始まる。




エリアスが準備運動をする。


「見た感じ、あなた方も能力者のようだ。じゃあ遠慮はいりませんね。2人とも教会の反逆として処理しておきますよ。」


「上等!お前は俺っちたちに倒されるんだよ!」


「もう手加減とか、舐めたことはさせないぞ。」




エドゥは風を纏い、速度を上げた。




(私が注意すべきはあのエドゥという男だけだ。)


エリアスは作戦を考える。


(能力圏内で自由に動けるのはあの男だけだ。常に周りの重力を上げていれば、あの男だけ対処すれば良い。どうせ能力で動いているだけだろう。攻撃性の能力ではないはず。)




エリアスは重力を上げて、エドゥの動きを警戒する。




(くそっ、俺っちは完全に無視されちまってるな。何か有効な手はねぇかな?)


ピザファットは距離を置いて警戒する。




「そこの太っちょ!これ使って!」


「あん?誰が太っちょだ。って何だこれ?」


ピザファットはナタリーから四角い箱を受け取った。


「開けてみて!」


「うっ。」




箱を開けると、中には鉄で出来ているボールが入っていた。


「おい、これでどうしろってんだよ。」


「真ん中にボタンがあるでしょ、それを押してみて。」


ピザファットは言われる通りにボタンをおす。


すると、ボールが展開し、中から煙が噴き出してきた。


煙はピザファットの体を包む。




「“変身”って言って!!」


「え?何?何で!?」


「特に意味はないけど…言うと盛り上がるわよ。」


「分かった!"変身!!"」




展開したボールがピザファットの体内に入る。


ピザファットの周りの煙から鉄が現れ鎧に変化し、全身を覆った。




「おい!何だこれ!?すっげぇ~!!」


ピザファットは自分の姿を確認する。




「やったわね。それを着ればどんな奴でも常人を超えた力が手に入る。これで何とか出来ればいいんだけど。」




ピピピピピピピ


ピザファットが島から持ち出した宝箱に入っている機械が鳴り始めた。


「お!?今度は何だ?」


機械を取り出す。




「何だこれ?ボタンが一つ光ってるな。えい、押しちまえ。」


-Projection “Gravity Falls”-


機械の液晶に文字が浮かぶ。




「うおおお。」


ピザファットの体が浮かぶ。




「何だこりゃ!?あいつと同じ能力が使えるぞ!」


「すごい、ここまで出来るんだ・・・。」


ナタリーは驚きの表情を浮かべる。




「あぁ、忘れてたわ。背中に飛行ユニットがついてるわ。上手く活用してね。」


「あんたいったい何者なんだ?」


「あたいのことは今はいいわ。それより…。」


「あぁ、分かってる。依頼を達成してみせるぜ。」




背中にある飛行ユニットがエンジンを消費し、ピザファットは高速で飛行した。


「おぉ、速ぇーーー。」




ピザファットがエリアスに突撃する。




「くらえぇぇぇ。」




エリアスはピザファットに気付く。


(何だ、あの姿は!?体に負担がかかるが、重力を上げるか。)


周囲の重力が上昇していく。




ゴンッっと鈍い音が鳴る。


ピザファットの拳が、エリアスの右手に当たった。




(凄まじい力だ。何故、重力が効かない。)


エリアスが痺れる右手を見て思った。




再び、ピザファットが突っ込んでくる。


ピザファットに重力をかける。


しかし、ピザファットは変わらない速度で突っ込んで来た。




(打ち消しただと!?)




「気来風獣掌」




エドゥがエリアスに近づき、攻撃を放つ。


完全に油断していたエリアスは直撃してしまった。




エリアスは吹き飛ばされた。




「やったな。相棒、これで。」


「ピザファット、その姿の説明をしてくれ。」




「全くですよ。私の能力を打ち消した説明も是非、お願いしたいものです。」


エリアスはピンピンとしていた。全く効いていなかった。




ピザファットが反応する前にエリアスは近づき、腹に一発加えた。


ピザファットは横に水平に飛んでいった。


街の建物にぶつかり、何とかそこで止まる。


体の中にはいった鉄のボールが飛び出し、鎧が霧状になり変身が解除された。




「うっ。」


すかさず、エドゥのみぞおちを殴る。


エドゥはその場で倒れた。




二人はエリアスに敗れたのである。




「さぁ、これで邪魔者はいなくなりました。」


エリアスはナタリーに近づく。




ピタっとエリアスが歩みを止める。


「嘘だ。何故ここにあるんだ…。」




ナタリーは何が起こっているのか分からなかった。


ここまでの旅で疲れが出てきたのだろうか。


体が斜めになっているような感じがした。


いや、斜めになっている。


先程まで足で踏んでいた大地が自分の隣に来ていた。




ナタリーはそのまま落下する。


「きゃあああ。」




ナタリーは死を覚悟した。


「よっと。」


すかさず、エリアスがナタリーを抱え、安全な場所へと降ろす。




「…ありがとう。助かった。」


エリアスに礼を言う。


「まだ、助かったとは言えませんよ。」


エリアスは先程までとは違う表情をしていた。




「危ない、落ちるところだった。」


「俺っちも何とか生きてるぜ。」


エドゥとピザファットが二人と合流する。




「これも、あんたの能力だよな?俺っちたちは今建物の側面に立っている。これは、あんたの能力じゃないと出来ないよな。」


エリアスが沈黙する。


「…確かに私の能力ですが、正確に言うと私の能力ではありません。」




「どういうことだ。」


煮え切らない答えに3人は混乱する。


「いいでしょう。こうなってしまったからには説明しなければなりません。神鎧について。」


エリアスは、息を深く吸い、3人に説明する覚悟を決めた。




「エリアス、やっぱりあなたが・・・。」


歪んだ街を見て、シャルロッタはため息をこぼした。


脳内設定その⑮

ロリス=ナーニ

ギフト名「Iron Man」

「皮膚を鉄のように変える能力。」


脳内設定その⑯

カロリーナ=ピエリーニ

ギフト名「Lanchester」

「自らの影から分身を生み出す能力。彼女曰く原始的な戦闘では戦闘力=武器効率×兵力数であり、近代的な戦闘では戦闘力=武器効率×兵力数²。」


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