❂「Walking on thin ice」4/12
_/_/ウォール・ブロック_/_/
アイスマンの能力で、バギーの進路に巨大な岩壁がせり上がる。地面が唸りを上げ、砂を巻き上げながら障壁が形成される。
ギャッとタイヤが軋み、バギーは急停止した。
「何だ、何だー!?」
運転席から狼の顔が覗いた。バギーの主はワーウルフ――鋭い眼光が辺りを射抜く。
「すまないが、奪わせてもらう。」
「困るな、こっちにも事情があるんだ。」
ワーウルフの声は低く、しかしどこか誇り高さが滲んでいた。
そのまま彼はバギーを降り、砂地をゆっくりと踏みしめた。次の瞬間――
グググググ……。
両脚が奇妙に伸縮を始め、バネのような形状へと変化していく。筋肉が蠢き、関節が軋む音が響く。
「仕方ない、眠ってもらおう。」
ギュイィ〜ン!!
砂埃を突き破り、一瞬で距離を詰める。重力を嘲笑うようなその跳躍に、空気すら震えた。
_/_/スプリング・ガン_/_/
「私にお任せ下サイ!」
ミステリンがアイスマンの前に立ちはだかり、片手を広げてマントを掲げる。そのマントは風にたなびき
ながら、まるで生きているかのように舞った。
_/_/ビックリ・マント_/_/
(迂闊に突っ込めば、マントの仕掛けで反撃されるかもしれん。ならば……)
ワーウルフは視線を下げると、砂地を見据えた。そして拳を握りしめ――
ドガァッ!!
拳が地面に叩きつけられた。次の瞬間――信じがたい現象が起こる。
ワーウルフの拳が、まるでスーパーボールのように地面を跳ね返ったのだ。砂を弾き飛ばしながら鋭角に跳ね上がった拳は、軌道を一瞬で変えて一直線にミステリンへ向かってくる。
「ホワッ!?」
反応する暇もなかった。拳は重力を無視するかのような跳躍で空間を裂き、ミステリンの腹部にクリーンヒットする。
バシィッ!!
鋭い衝突音とともに、ミステリンの体が宙を舞う。足が砂を離れ、体は弧を描いて後方へ――その表情は痛みよりも、予想外の攻撃への驚愕に染まっていた。
数メートル先に着地し、砂煙を巻き上げながら転がる。唇の端に血が滲み、ミステリンは呻きながら地面に手をついた。
「気絶させるつもりだったが……思ったより強いな。」
ワーウルフが感心したように眉を上げる。だがその視線はまだ戦意を失っていない。再び脚を踏みしめ、バネ状の足が再びうねり始める。
――追撃。
ミステリンが立ち上がるよりも早く、彼の身体は空気を裂いて突き進もうとしていた。
その瞬間――
_/_/アイス・ブロック_/_/
「そこまでだ!」
鋭く響く声と同時に、ワーウルフの周囲に氷の柱がいくつも立ち上がった。無数の氷塊が空間を分断し、透明な壁のように彼の進路を遮る。
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