●「襲撃」4/4
(だいぶ人が集まってきたわね。そろそろパーティの開幕ね。)
占い師はフードを外した。
エリアスが駆け付けたときにはもう遅かった。
人々が互いに互いをくらっていたのである。
町のいたるところでその光景が広がっていた。あたりは真っ赤な血の色で染まっていた。
「これは。一体?」
エリアスに気付き人々が襲い掛かってくる。
エリアスは攻撃しようにも出来ず、ただ逃げることしかできなかった。
エリアス達を襲撃している抵抗軍がとある場所に集まった。
「帰った。」
ずぶぬれになったローブの男が入ってきた。
「お前さん。途中から通信が切れるから死んだと思っちょったよ。」
大魔女がケラケラと笑う。
「機械兵が居なければ危なかっ…
「機械兵?本当にいたの?見間違えじゃない?」
先程エリアスを襲撃した占い師がローブの男を遮る。
「へぇえくしょん。そんなことは今どうでもいいさ。それよりも、なぜエリアスを殺さなかった?」
寒がり男が占い師に尋ねる。
「食後に、運動なんかできないわよ。乙女心が分かんない男って最低!」
占い師は騒ぎ立てる。
「仕事をしていない奴が2人いるな。」
ローブの男が寒がり男ともう一人を見る。
「・・・」
「俺は重要な時にしか、ブシュン、出ないんだよ、ハハハハハハ!」
5人が会話をしているともう一人入ってきた。
「全員いるようだな。新しい仕事を持ってきた。」
エリアスは一人で南西部へと向かっていた。
部下を失ってしまったが、教会に認めてもらうために走った。
止めどなく襲ってくる敵を次々と倒し、疲労はたまる一方であった。
シュゼットも南西部へと向かっていた。
馬車の中で足の治療をしていた。
一方エリアス達と別任務であるシャルロッタ達は機械兵の調査を行っていた。
シャルロッタの部下で能力を持っているのは2人。
ロリス=ナーニという男性と、アデーレ=リンケという女性である。
「アデーレ!どう思う!」
「そうですね。好きなんじゃないんですか。」
「やっぱり?」
「もう告白したら?」
きゃきゃきゃっと女性陣が恋話をしていた。
「二人とももっと真面目にしてください。仕事なんですから。」
ロリスはそんな二人に注意しつつ、辺りを警戒する。
「まったく、ロリスは固すぎんのよ。」
「自分、鉄でできているもんで。」
「はぁ。そんなんじゃもてないぞ。エリアスだったら…」
「シャルロッタ!のろけ話は後にしてください。」
アデーレが二人に警戒を呼び掛けた。
3人は近くの岩場に潜んだ。
「あれが、機械兵でしょうか。」
「そうなんじゃない?」
「人型で、頭部に何かついていますね。目や口がありませんね。どうやって動いているのでしょうか。」
「手に何か持っている。あれで戦うのかな?」
「とりあえず、まだ気づかれていないようですから後をつけましょう。」
3人はゆっくりと後をつけた。
「ここは!」
教会がある大陸は陸続きでもう一つの大陸と繋がっている。
昔は大陸を行き来していたのだが、あるときを境にそれはできなくなっていた。
「こいつが原因か。」
それは、いつの間にか出来ていた。柵で囲まれた巨大な基地である。
外は多くの人型機械兵が、上空には空を飛ぶ機械兵が、巡回していた。
目を凝らすと奥に巨大な機械がいるのも見えた。
「いったん、戻りましょう。」
ロリスのその提案に2人はのる。
「教会に増援を要請しましょう!」
3人は急いで引き返した。
ぴぴぴぴっぴぴぴっぴぴぴ
突然人型機械兵の頭部のランプが光始めた。
「テキヲハッケン!ソウトウシマス!」
機械兵は手にもった武器を構え、3人に向かって発射し始めた。
ドドドドドドドドドと激しい音が聞こえる。
「固まっていては危険よ!3方向に分かれて攪乱するの!」
アデーレが叫ぶ。
3人は即座に分かれた。
「教会で落ち合いましょう。」
「「はい!」」
エリアスはとある村の民家に泊まっていた。
「すいません。無理を言ってしまって。」
「えぇ~んじゃよ。この家にはわし一人しかおらんからのぉ~。話相手が欲しかったんじゃよ。」
老人はエリアスに世間話を始める。
「最近、良い家具を買ってのぉ。行商の少女から買ったんじゃよ。」
エリアスはその話を聞いてピンときた。老人に写真を見せる。
「もしかして、その少女はこの子ではありませんか?」
「おぉ~!そうじゃ!まさしくこの子じゃ!」
エリアスは希望を見出した。
「何所へ行ったか分かりませんか?」
「どうやら余程重大な事のようじゃの。たしか東に行くとかいってたのぉ~。」
「そうですか!ありがとうございます。」
「待ちなさい。そんなボロボロな体で無理をしてはいけない。せめて今日ぐらいはゆっくり休みなさい。」
「しかし!一刻を争うのです。」
「やれやれ、わしは忠告したからの。」
「すみません。」
エリアスは目眩がし、ふらつく。
「いわんこっちゃない。やはり今夜は休むべきじゃ。」
「そうさせてもらいます。」
エリアスは観念して眠りについた。
「やれやれ、若いのぉ~。もっと自分の体をいたわらんとな。」
老人は電気を消して、家の外へと出た。
(わしの息子が生きていれば、あれくらいか。)
夜風にあたり、物思いにふける。
「おじい~さ~ん。ちょっといいですか~?」
ふと声を掛けられる。
「なんじゃ?」
「わたし、占いをやっているんですけど。よろしかったらどうですか?」
目の前にいる占い師から嫌な気配を老人は感じた。
「いやぁ遠慮しておこうかの。見ての通り、生い先短い老体ですじゃ。未来など知っても意味がありませんですしのぉ。」
「そうですか。残念です。」
「…かわいそうに、息子さんを早くに亡くしてしまったのね。」
占い師は突然泣き出した。
「今、男を泊めていますね。その彼と息子を重ねているのね。」
どんどん占い師が的確に状況を当てていく。老人はその占い師に恐怖を感じ始めた。
「怖がらなくてもいいじゃないですか。傷つくなぁー。」
「占いなら遠慮したはずですじゃ。」
「ごめんなさい。止まらなくなってしまって。」
「もう夜も更けますじゃ。わしは家に帰らせていただきますじゃ。」
老人はそう告げると占い師から逃げるように立ち去ろうとした。
「息子さんに会いたくないですか?」
占い師の言葉でぴたっと老人は止まり、振り返った。
「なんじゃと?息子を知っておるのか?」
「えぇ、知ってるわ。」
「頼む!息子のことならどんな情報でもいい!教えてくれ!」
老人は目の色を変え、占い師に懇願する。
「いいわ、でも条件を二つのんで欲しいの。」
「分かった。なんでも聞こう。」
占い師は条件をだした。
一つ、占い師に手を見せること。
二つ、老人の家に泊まっている男つまりエリアスを差し出すこと。
老人は二つ目を聞いて迷ったが、とうとう承諾してしまった。
(すまん、若者よ。息子は何よりも大切な存在なんじゃ。恨むなら恨んでくれ!)
老人の家に着くと、占い師はエリアスの布団まで行きどこからか取り出したナイフで刺した。
脳内設定その①
シュゼット=ガル
祝福名「king of the lost world」
「5秒間だけ物の存在を消し去ることが出来る。消えたものに干渉することが出来、5秒後に存在が復活した際、その場所に別の何かが存在していると互いに反発しエネルギーが生じる。」




