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ダイヤモンド・ダスト・トレイル「斜陽へと羽ばたく鳥」   作者: 白山 遼
❦薄明光線ー超大陸バンギア北西部ー
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❦「太陽の子」2/4

「あぁ、またか。」


ギランがこちらを向く。燃え上がる炎は勢いを失い、髪は元の赤色に戻っていった。


さっきミケはこの力を呪いといった。




間違いないと思う。


私が彼の正面にいなくて本当に良かった。


しかも、彼は攻撃をまだしていなかったから本当に恐ろしい。




私が早めに止めていなかったらどれほどの被害があったのだろうか。


攻撃の余熱だけでミケは消し炭になってしまった。




「はぁ。」


ギランが先ほどと180°変わって落ち込んでいた。


「もう戦わない・・・。僕の力は人を不幸にする呪いなのに・・・。また調子にのって・・。」




私は唖然とした。これが先ほどまでの男と同一人物なのか・・・。


「あの・・・元気出してください。あなたのおかげで助かった命もありますから。」


「あぁ、あなたは何て良い人なんだ。ぜひお名前を・・」


「レオ=カンパノです。」


私は彼に名前を告げると、怪我の治療を薦めた。


すると、彼は笑みを浮かべてこう言ったのだった。


「大丈夫です・・もうすぐ一日が終わる。今日の僕は死にます・・・。」




私は時間を確認する。なるほど確かにもう一日が終わる。


彼の言っていた意味がいまいち分からなかったが、直ぐにそれが言葉通りの意味だと分かった。




彼の体を眩い炎が包んだ。彼の傷だらけの体を全て炎が焼いていく。


ギランの体は消滅した。


そして、新しい体が炎の中から誕生した。




「ふぅううう!!!!!!!!いい朝だ!!!!!」


私は今日、いや昨日驚くことばかりだった。




「ん??そこの君は俺の知り合いか???」


ギランは真っすぐな瞳で私にそう聞いた。






ところ変わり、AH社の会議室では早くもミケの死が知れ渡っていた。


そのことに最もショックを受けていた男?がいた。


「うえぇぇぇぇぇえええん。ミケちゃん死んじゃったの~~~。」


ジョルジュ=ボンランピである。


キロネキシア島を襲いとある情報を持ち帰った5人のうちの一人である。




(この前雑魚って言っていたの忘れてるんですかね。)


ラルフ=ビョルケルがそれを見ていた。




そこに一人の女性がやって来た。


「あらジョルジュ。泣いているの?」




「えぇ。そうよ~~~~。だって。だっで~~~~。顔だけは良い男だったもの~~~。」


女性は笑うとジョルジュを慰めていた。




(どうもこの人は怖い。何を考えているのだろうか。)


ラルフは不意打ちを狙い能力を発動する。


その人物のデータを盗み見ることもラルフはできるのだ。




(!?)


突然ラルフの目に激痛が走る。




「あらいけない子。お姉さんのプライベートを覗き見ようなんて。ふふ。」


「んーーーー。やっぱりネイサンの芸術はいつ見ても凄いわ。」




「すいません!!!すいません!!!!」


ラルフは必死に頭を下げる。


(判断を誤った!!)




「だめよ。悪い子にはお仕置きをしないと。それが溶けるまで反省なさい。」


「んもぅラルフちゃん。♠に挑むなんて百年早いのよ♡」


「ジョルジュ、マークなんてただの階級よ。強さじゃないわ。私はあなたを対等にみてるつもりよ。」


「いやーーーん。うれぴーーー。女性の中ではネイサンが一番好き!!」


「わたしはエレアノーラって呼んでほしいのだけど。」




ラルフにお構いなく二人は会話に花を咲かせる。


(エレアノーラ=ネイサン、薄氷の女神。恐ろしい女性だ。)


近くにあった鏡に顔を近づける。


目が凍っていた。


慌てて日向に出る。太陽に溶かしてもらおうとひたすらあがく。


だが、まったくもって無意味だった。




「3か月で自然に解けるのに・・。」


エレアノーラは滑稽なものを見るように冷ややかに笑った。


「その顔もス・テ・キ♡」


ジョルジュはただ見惚れているだけだった。




「ぐちゃぐちゃ、ぎょるぎゅ。びょーきゃーからひれい。」


「あら、もう?意外と早いのね。どれどれ・・・あらま。」


「?」


エレアノーラが首をかしげる。


ジョルジュは手を震わせていた。


「すごい作品を仕上げることになったわ。」


「何々?」


「神樹よ。」


「神樹って神の国にしかないって言われてる一本の木でしょ。それが何でここに。」


「JOKERはもってるわ。神樹の根を神々の目を盗んで奪ったらしいわ。そこから地上にもう一本神樹を作るってわけ。」


「成功したら全員が能力者になるってわけね。」


「そうよ。そしたらあたしたちは覇権を握れるのよ。」


「それ、わたしも手伝ってあげる。」


「ありがたいわ♡誰にも私たちは止められないわ。」




ギランとレオのいる場所に戻る。


「えっと、あなたは一日おきに生まれ変わると・・・。」


「そのようだな!!!記憶も継承されるはずなんだが!!!君のことは全く覚えていなかった!!!」


「悪魔の呪い・・・あなたはもしや抵抗軍という組織に入っているのですか?」


レオがおそるおそる問う。


するとギランの顔が険しくなった。




「二度とその名前を出さないでくれ!!!」




その場の雰囲気が悪くなったのでレオは何か話題のそらせるものはないかと辺りを見回した。


するとそこには長蛇の列があった。




「何ですかね?あれ?」


ギランに話題を振った。


すると彼はいつもと変わらない表情に戻った。


「わからん!!俺たちも並ぼう!!!」




列に並ぶとそれが占いの列であることが分かった。


前後から聞こえる喋り声からどうも有名な占い師らしい。


「次のお客さんどうぞー。」


中から可愛いらしい声が聞こえる。


声の感じから言うとまだ年端も行かない少女といったところか。




レオが中に入る。


中には一つの机と椅子があるだけ、他には何もなかった。なんとも殺風景だ。


占い師の前に案内され椅子に座る。




「今日はどんな悩みで来ましたか?」


占い師が口を開く。


顔はローブで隠れていて見えなかったが、水晶玉に触っている手がとても白く、そこに目がどうしてもいってしまう。




「あの?悩みは?」


白い皮膚に目を奪われていたレオを占い師が現実に戻した。


「あぁ。えっと・・・。」




何となく並んでしまっただけ・・とは言えない。


レオは少し意地悪をすることにした。




「占い師だったら私の悩みもその水晶で当ててみてくださいよ。」


「はぁ。」


占い師が怪訝そうな表情を浮かべていそうなことが声色から伝わってくる。


(流石にやりすぎたかな。)


レオはこういうところで小心者だったので直ぐに謝ろうとした。


その時だった。




「あなたは力のない自分に嫌気がさしていますね。昨日会ったばかりの男に激しい憧れを抱いています。」


「!?」


レオは驚きを隠せなかった。占い師はまだ続ける。


「あなたは守りたい人がいる、故郷の幼馴染ですね。一度山賊に村が襲われた。その時に家族を亡くしている。再びそのようなことが起こらないように力を求めています。」


まるで見てきたことのようにぺらぺらと事実を当てていく。




レオは椅子から立ち上がった。


占い師は驚きびくっとしていた。




「これからどうすればいいのかも占えますか?」


「いいですよ。」




レオはドキドキしていた。


長年の夢に近づけるかもしれない。そう思うといてもたってもいられなかった。




「えっと、・・・無理ですね。」




一瞬にして希望が断ち切られた。




「無理?」


「えぇ無理ですね。時間切れです。」




後ろを見る。


ギランが中に入って来ていた。




「本当に熱い人。」


占い師が席を立つ。




「何も言わなくていい。悪魔に魂を売るものどもよ!!!俺が鉄槌を下す!!」


ギランの体が熱く燃え上がる。

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