◔「継承」1/4
succession
ブクブク
フランコが土の中に埋められどれくらいの時間が経っただろうか。
土の中は真っ暗で自分が今どこにいるか検討もつかなかった。地表に上がろうと試みたが、一向に外へ出られる気配はない。
彼の周りは液体になっているので圧死は避けられたが、いかんせんあまり息が続きそうにもない。
(エドガーはどこから来る?)
槍を構え、奇襲がいつ来てもいいように警戒をする。
ブンブンブン
槍を高速で回してみた。
その時だった。ズシンズシンと振動が伝わってくるのが全身で感じられた。
(そこだ!!!)
音のする方へ槍を伸ばす。
槍の穂の部分に何かがぶつかる感触が伝わってきた。
ボキ。
何かとの力比べに負け、穂が折れる。
(くっ!一瞬じゃ能力が伝わらん。)
槍を持ち直し、再び警戒する。
(ん?)
土が流れていく。
どうやら空洞が出来ているようだ。
「すぅううはぁぁぁぁああ」
エドガーが作ったであろう空洞に入り大きく呼吸をする。
(エドガーは土を掘る生物に今変身しているということだな。しかも相当でかいぞ。)
空洞はフランコがしっかり立てる位の大きさだった。
(穴を辿れば、エドガーを見つけられる!!)
フランコが空洞を進んでいく。
(おっと。)
足元に爆弾型の機械兵の残りがうようよと移動しているのが夜目で確認できた。
爆弾型は赤い色のライトを光らせて進んでいた。
(明るいところでは分からなかったが、あのライトで敵を認識しているのか?)
フランコは土を手で握り爆弾型のライトを目掛けて投げた。
土がライトの明かりを遮る。
その瞬間、爆弾型の機体が膨れ上がり爆発が起こった。
爆発が起こると付近の爆弾型も一緒に爆発していく。
もの凄い振動が伝わってくる。
フランコはその場から離れようとした。
その時だった、爆発した場所に近づくように何かがくる気配がした。
土から巨大な爪が現れた。
(!?これが、エドガーが変身した生物か。)
大きな爪の後から毛で覆われた頭が出てきた。
巨大な目玉と一瞬目が合う。
(しまった!見つかった!!)
フランコは臨戦態勢をとる。
しかし、エドガーはそのまま穴を掘って再び姿を消していった。
(どういうことだ?目が合ったと思ったが。)
フランコは不思議に思った。しかし、後ろから新たな爆弾型機械兵の群れが迫って来ていて
その場に立ち尽くすわけにもいかなかったので、エドガーを追うことにした。
大きな穴が下まで続いていた。
迷うことなく飛び込む。
(!?これは)
木がフランコの行く手を阻んでいた。
そのまま木の中央を液体にし、通過する。
メキメキと木は音を立てていた。
(エドガーは何所だ?)
さらに落ちていく。が、依然エドガーの姿が見えない。
下に進むにつれ、木が多く、フランコは能力を使いその都度、道を開けていた。
メキメキ、メキメキ 音が鳴り響く。
(おかしい、この木の並べ方は自然に出来たものじゃないはずだ。)
そう思うときにはもう手遅れだった。
ドゴーンという巨大な音と共に横からエドガーが出てきた。
巨大な爪に当たり側面の地面にまで吹き飛ばされた。
槍を使い、土を液体にし衝撃を押さえる。
エドガーがその巨体をフランコの元まで一直線に動かしてきた。
(とどめをさすつもりだな。)
フランコが能力を解除し、地面を元に戻す。
エドガーの爪がフランコごと地面を掘ろうと迫る。
爪が地面を割る。
フランコは持っていた槍で爪を防いだ。
しかし、勢いに負け槍が手から離れてしまった。
爪がフランコの体を切り裂く。
「・・・終わりだフランコ。」
エドガーが追撃する。
「あぁ、終わりだな。」
フランコが瀕死の体で立ち上がる。
エドガーが再び爪を振り上げる。
「・・・最後に何か命乞いでもしたらどうだ?」
エドガーはフランコに最後の情けをかけていた。もし自分に仕えたいと言ったら喜んで助けてやる。
そう本気で思っていた。だが、フランコから出た言葉はエドガーの予想外のものだった。
「お前は、目が見えてない。音で認識してる。・・違うか?」
「・・・いきなり何を言っている。」
「あの時、目が合ったと思ったのはやはり間違いじゃなかったんだ。お前は目が見えていなかった。」
「・・・」
「そうするとあの不自然に組まれた木にも説明がつく、あれで音を鳴らして俺の居場所を把握したんだ。」
「・・・それが分かったから何だというんだ。このまま俺の爪を振りかざせばお前の負けだ。」
「よかったよ。目が見えてなくて、本当に良かった。勝負はお前の勝ちだ。だが、勝ち逃げは・・・させん。」
「・・・もう良い。さらばだ・・・友よ。」
エドガーの手が振り下ろされようとした。
しかし、その手が振り下ろされることはなかった。
フランコを探知した爆弾型の機械兵の群れが二人を囲んでいたのだ。
無論エドガーは何も見えていない。
激しい爆炎が二人を包み、地面が崩れていく。
フランコは相打ち覚悟でこれを計画していた。
エドゥ、ネミ、戦士たちが駆け付ける。
辺りを囲んでいた炎は消えた、が、地面はどんどん陥没していく。
「フランコは?どっちが勝ったの?」
ネミが息をのんだ。
地面が一部隆起した。
「ハァハァぜぇぜぇ」
「・・・そんな!」
ネミが地面に座り込む。
勝ったのはエドガーだった。
体中についた土を払いエドガーは大声を上げる。
「聞け!!ピザファットとフランコはこの俺が倒した!!この島の最強の戦士がこれではっきりした!!
エドゥ=ベレンを殺せ。命令を聞かない者も敵として処分しろ!」
エドガーの声が響く。しかし、その言葉に従う者は誰一人としていなかった。
全員武器を構え、エドガーを囲む。
「そうか、それがお前たちの答えか!!!」
エドガーがドラゴンに変身する。
「!?ん。」
しかし、変身は直ぐに解除された。
エドガーの全身から汗が噴き出す。
「体力の限界だ!全員で押さえつけろ!!」
戦士たちがエドガーに向かっていく。
「舐めるなぁぁぁぁ!!!」
エドガーが小さい生物に変身する。
口からエドゥを苦しめた毒を吐いた。
「皆!毒だ離れろ!!」
エドゥが叫ぶ。
(くそ!!間に合わない!!)
体の酸素を使い気来風躰掌を撃つ。
毒が吹き飛ばされていく。
「ゲホッ!」 「うわぁぁ!」
数人の戦士が毒に侵され、その場に倒れ込む。
「毒は対策済みか・・だがお前のような雑魚には拳で十分。」
エドガーがエドゥに向かってくる。
「すうぅうぅぅぅう。」
エドゥが風体術の構えをとる。
「無駄!!!無意味だ!!お前の技は所詮凡人の域を出ん!お前は同じステージにも立てんわ!!」
エドガーの拳が迫る。
バキューーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン
エドガーの手を弾丸が打ち抜いた。
「文明の利器と風体術のコラボだ。どうやらステージに足を踏み込めたみたいだな。」
エドゥは深呼吸をしてからルーティンをこなす。
「今の技は気来風躰銃きらいふうていがん、そう名付けよう!」
年甲斐もなく、必殺技名を考えて喜ぶ男の姿がそこにはあった。
「!!偶然攻撃が当たったからと、調子に乗るな!!」
エドガーが再び動き出す。
「気来風躰銃!!!」
弾丸を風に乗せて2発撃ちこむ。
エドガーが体を曲げ軌道から外れる。
「二度も同じ攻撃は効かん!!」
エドガーの鋭いパンチが当たる。
「こぉぉぉぉ」
エドゥは風を纏い威力を軽減させた。
「どうだ!!新技2連発!!行雲流水!!」
しかし、完全には威力を押さえつけられなかった。
「ぐっ!」
その場に倒れ込む。




