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ダイヤモンド・ダスト・トレイル「斜陽へと羽ばたく鳥」   作者: 白山 遼
●完全閉鎖孤島ーキロネキシアー
33/504

◑「僕の記憶」2/4

「さぁ。これで全て固めてやった。」


フランコは深呼吸をする。


「とどめだ。」


化け物を気体に変え、散らそうとしたその時だった。




「待て!!!!フランコ!!!」


大量の機械兵と共にピザファットが乱入してきた。




「もう済む。頼むから邪魔をするな!」


フランコが触れようと歩み寄る。




「この!」


ピザファットがフランコを押さえた。




「そいつを殺すな!!ひょっとしたらルカを生き返らせられるかもしれねぇ!」


「出来なかったらどうする!!今しか殺す機会はないぞ!こいつを止めるのに俺は左足を犠牲にした。もう二度目はない。しくじったら最悪島が消滅するんだぞ!」


「頼む。お前だってルカには生きてて欲しいだろ。」


「当たり前だろ!俺が好き好んでこんな事をしているとでも思っているのか!」


「だったら。」




「敵を前に随分余裕だなオメェら。」


2人を機会兵達が取り囲む。




ザーーーーーー


突然雨が降る。


機会兵達の動きが鈍感になっていく。


それと同時に怪物が水滴に入り込んでいった。




「くそ!やはり低予算の人型は水に弱いか。」


大型が銃を構える。


「フランコ、お前だけは今ここで殺さなくちゃならん。書類の件とお前との因縁、明日には持っていかんよ。」


「そうだな。俺も疲れたよ。次々と色んな事に振り回されるのは。日ももう落ちたが、お前の件は今日で片す。」


そういうとフランコは激しい雨によって出来た水溜りを蹴った。




「大型に水は効かねぇ。とどめ...。」


大型は直ぐにフランコがやった事に気付いた。




「 また、俺の勝ちのようだな。」


フランコは大型に背を向けピザファットの方へ足を向ける。




「馬鹿な、こいつは!」


化け物が水滴から飛び出していた。




「アミュレットを部分的に解除した。お前はもう助からない。」


「うっひょい!お前えげつねーな。」


ピザファットがフランコの顔を見る。




「化け物が水溜りに入っているのを見て、俺の方に投げたって言うのか!!この!!だが、まだだ後2体の大型が残っている。勝利の女神は我が手に...」


大型が消滅した。




「さて、化け物がまた暴れ出すぞ。ピザファットちゃんと対策を考えてきたんだろうな。」


「ふふん。俺っちがそんな真面目ちゃんに見えるってのかい?」


呆れるフランコをよそに化け物の前にピザファットは立った。




「おぉい!こっちみーろ!お尻ペンペン、あっかんべー!」


「そんなんで化け物が動かせるのか?」


ピザファットがとった幼稚な行為で化け物が反応していた。


「もうなんでもいいや。」


フランコは考えることを放棄した。




「よし、このままルカのいるところまで戻すぞ。」


ピザファットが走っていく。


「おぉ、これはいったい?」


様子を伺いにハレイ達が2人の元に来る。




「ハレイ!ルカの件はピザファットに任せろ、こっちは2つの集落を奪還する。戦士たちに指示を出すぞ。


それから、俺の記憶を共有させろ。」


「これまた、指示が多いことだ。」


ハレイの肩にフランコの手が触れる。




ー戦士たちよ!これを見ろ!-


人々の脳裏にフランコの記憶が現れる。


この戦いの元凶。すべての始まり。


ー島民たちよ、俺たちはこれまで外との交流を完全に断ち切ることで脅威を排除してきた。しかし、今回はどうだ、俺たちは発展した外の脅威にこれを利用され多くの者の命を失った。ある程度交流をしていればこういった可能性だって考えることが出来たかもしれないのにだ。俺たちは過去には戻れない、しかし未来を変えることは出来る。外とか中とかで判断するのはもう終わりにしよう。エドゥ=ベレンという男はどんなに命の危機を迎えようと、俺たちを誰一人殺すことはなかった。彼とはまだ数日の付き合いだが、十分信頼に値する働きをしてくれた。彼と協力して本当の敵を討つんだ。やることを伝える。襲われている集落にいるものは緊急の火薬を焚き皆に位置を教えてくれ。雨のおかげで機械兵はまともに動けない。今がチャンスなのだ。大型は雨だろうと関係ないから2体いる大型には注意を払ってくれ。それからエドガーの件だが、やつは洗脳されている。体力を奪い洗脳を解くのだ。エドガーの力が借りられれば一気に優位に立てるだろう。最後に、皆この島を民を守ろう。-




「ピザファットォォ!そこにいたのか!」


エドガーがピザファットの方へと進路を変える。




「放て!!」


すると、今までエドガー側だった戦士たちが矢を放ち始めた。




無数の矢がエドガーを襲う。が、ドラゴンの皮膚は固く矢ははじかれていく。


「効かん!無駄だ!!!」


ドラゴンが炎を吹く。

すかさずエドゥが近づく。


「気来・・」


「バカか、無駄だ!お前の攻撃など、この皮膚が通さぬ。」


エドゥは構えを解き腰の銃を握った。


バン、バン、バン


残弾全てを撃つ。


「!!!」


エドガーの体から血が出た。


ドラゴンの巨体がのたうち回る。


「おのれ!!」


エドガーのしっぽがエドゥに直撃した。


エドゥはそのまま意識を失い飛んでいった。




「小さい人間の分際で!ドラゴンに敵う者か!!」


エドガーは再び進行を始めた。


「放て放て!!!」


今度は痺れ薬が塗られた矢が放たれる。


「無駄だと言っている!!この愚か者どもめが!!!」


激しい炎が吹き荒れる。


「距離をもっと取れ!余熱だけで溶けてしまう!!」


戦士たちが後退する。




(・・・今はこいつらに構うだけ無駄だ。俺の目標はただ一人。)


エドガーが翼で空を飛んだ。


「ピザファット!!」




一方ピザファットはルカの体へと血の塊を先導していた。


「ふふ!俺っちたらモテモテ~!だが、男はNG!」




「xyeeeeeeeeeeeeel」


血の塊が血飛沫を上げる。


「!しまった!」


ピザファットに少しついてしまった。




血が侵食し、体が消滅していく。


「へへん。俺っちの回復速度をなめんなよ!」


無くなった細胞を新しく増殖し次々と置き換えていく。


「おぉぉぉぉぉぉお!」


ピザファットは気合で消滅を防いだ。




「・・・ははん!俺っちとお前の能力は相殺できるように出来ている。」


汗だくになりながらピザファットが格好つけた。


そしてそのまま背を向けて走り出した。


「grrrrrrrr」


血の塊がピザファットを追っていく。




「着いた、あぁルカ、今俺っちが助け出してやる。」


月のかすかな明かりに照らされルカの体が見える。


体はすっかり青白くなり、目には輝きはない。既に死んでいるのが改めて分かってしまう。


辺りに散らばる体の破片を集める。




「頼む!血よ!体の中に戻ってくれ!」


「zruuuuuuuuuu」


血の塊が暴れる。


(何だ?さっきよりも激しさが増している。)


血がルカの周りを消滅させていく。


ピザファットにももちろん血が付く。


(あぁ。そうか。)


ピザファットが血の塊に抱き着いた。




「まだ怖かったんだな。他人が。」


ピザファットは昔のことを思い出す。


幼い頃の記憶。


他人の視線に怯えている幼い少女。


(幼い頃の俺はただ長老の息子の名にふさわしい振る舞いをしなければならないと思っていた。)

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