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ダイヤモンド・ダスト・トレイル「斜陽へと羽ばたく鳥」   作者: 白山 遼
●完全閉鎖孤島ーキロネキシアー
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◕「最後の芸術」2/4

(どうなった?やったのか?)


顔を上げる。


そこには腹に大きな風穴を開けて立っている黒幕の姿と、風によって倒された木々の姿があった。




(30を超えた良いおっさんになって、少年の心が戻ったようだ。あの頃のヒーローみたいなすごい力を手にしてしまった。そうだな、子供に戻って名前を付けよう。昔見た日本の漫画みたいなカッコいい名前が良い。)




エドゥは今、10代の若い頃の記憶を手繰る。




(決めた!この必殺技の名前は!  -気来風躰掌きらいふうていしょうー だ!!!)


こうしてエドゥは新たな必殺技と、エルフの戦士たちと共に次の狼煙の元へと向かっていった。




フランコはというと狼煙の上がった集落を救いに向かっていた。


失った右手の代わりに手頃な形をした木をくっつけて応急処置は済ましていた。


(少しでも打てる手は多い方が良い。傷など大したことではない、島の危機に何もできない方がよっぽど問題だ。)




道中遭遇する機械兵を液体化した地面に埋めたり、槍で突き直接溶かしていく。


ようやく一つの集落にたどり着くことが出来た。


「皆、待たせた!よく持ちこたえてくれた!」




フランコの登場に、戦士達の指揮が上がる。




「また、テメェか。今までみたいに簡単にはやらせねぇぞ。」


その集落の指揮官が合図を送る。


すると上空から大量のドローン兵が現れた。


空襲により多くの戦士達が負傷していく。


フランコも地中に潜れて避けようとしたが、地面には爆弾型が潜んでいた。


爆発が起こる。足元に気を取られる。




ドドドっと体に衝撃が走る。




「やったぞ!遂に能力者を一人始末してやった!心臓を撃ち抜いたぞ!」


黒幕が笑う。


その声だけがその場に響いていた。


戦士達が武器を落とす。




「蹂躙だ!蹂躙しろ〜〜〜!!!!」


次々と命が奪われていく。




「撤退、撤退ー!」


号令がかかり、生き残った者たちは逃げていった。




「逃げられると、思ってんのか?」


黒幕が兵を向かわせ、追い討ちをかける。




「magic art !柵 プラス ペイント弾!」


声と同時に柵が立ち、絵の具で出来た弾が打たれた。




弾が当たると絵の具が炸裂し、ドローンはペラペラの絵になり地面に落ちていった。




「また新手の能力者か。厄介な!」




「magic art ! ペイントロード!」


何処からか絵の具が飛んで来て、黒幕まで届く道が出来た。




「惜しいな。絵の具に当たらなければ、能力は発動できないと見た。」


黒幕が笑う。




「ART」


絵の具から筆が飛び出し、黒幕の機体に絵の具を塗った。




塗られた部分が絵に変わる。


「ク、コノ、クソ野郎がーー。」


次々と絵に変わって崩れていく機体。


最後に見たものは絵の具からエルフが這い出てくる姿だった。




「女性に野郎って失礼すぎるっしょ。」


そういうとそのエルフは絵になった水をかけて消した。


「地獄で反省しな。」




圧倒的な戦闘力にその場にいた全員が息を飲んだ。


「誰だ、あんな強い戦士いたか?」


「いたら、知らない筈ないだろ。」




絵で出来た柵が消え、戦士たちが圧倒的な力をしたエルフの元へと駆けていく。


その姿は誰もが知っているものであった。


「ルカ?ルカじゃないか!」


「よかった!生きてた!生きてたぞ!早く皆に伝えないと。」




「待って。」


ルカが口を開く。


「皆、これを見て。」


ルカがポケットから紙を取り出す。


「これは!一体!」




それは機密情報と表紙に描かれた書類だった。


「それがネミの言っていた資料か。」


死んだと思われていたフランコが立ち上がり、ルカ達の会話に入ってきた。




「フランコ?心臓を撃たれたんじゃ!?」


当然の質問にフランコが答える。


「臓器の位置を無理やり移動させた。しばらく戻すのに時間がかかったが。」


戦士たちは驚愕した。そして次の言葉で青ざめることになる。


「それよりも・・だ!俺がやられたからと言って武器を捨て、さらに敵前逃亡までするとは、貴様ら一から鍛えなおしてやるからな!!」




「フランコ、右手。それどうしたの?」


ルカがフランコのなくなった手を凝視していた。


「戦いで・・な。」


フランコはそれ以上は何も言わなかったし、ルカもそれ以上は聞かなかった。




話を戻し、書類をその場にいる全員が目を通した。


そこには今回の計画がこと細かに記されてあった。




ー今回の目的は、大陸間を行き来しやすい孤島を我々AH社が占拠することにより、全ての大陸間の移動をAH社が介入できるようにすること、である。




島民たちは外から来るものを異常に嫌う傾向が調査で判明した。


島外から人が来たタイミングで、秘密裏に設置した機械兵1型、3型を放ち集落を襲わせる。


このことにより、島民は島外の者を捕まえて殺すと考えられる。


その間に存在を気付かれることなく追加の機械兵を島に運ぶ。


あとは、No.8の能力で島民を洗脳し、我々の支配下に置く。


島外の者はタフでなければこの作戦は難しいと考える。作戦決行のタイミングはそちらに一任する。


追記1


島の能力者が判明した。


エドガーという男をNo.8の能力でジャックし、記憶を覗いたところ、やはり島には能力を持つ者がいることが分かった。


能力の詳細はお互いに共有していないのかエドガーの中に情報はなかったが、名前だけは判明した。


ピザファット=ネリゲラ、フランコ=ゴートン、ネミ=シャンパティエ、ハレイ=コンペ


この4名が能力を持っている。特にピザファットという男にエドガーは執着しているのが分かった。


エドガーは島の長になりたがっていることもまた分かった。


これは作戦に使えるかもしれない。




追記2


空から懐かしい宇宙船が落ちてきた。


中に入っていた男は、エドゥ=ベレンと判明。先日長になったピザファットに殺害されたように見せかけられていたが、その後生きていることを2型の機械兵が捉えていた。


エドガーと少し前にジャックしたネミを利用し作戦の開始を提案する。


エドゥに罪を被せ、ついでに脅威となりえる能力者の能力を把握させる。




追記3


ピザファット、フランコを仕留めた。能力は超再生と触れたものを液体、固体、気体と好きに状態を変化させる能力だった。同時にネミが負傷したので回収に向かわせた。


エドゥはエドガーが捕らえた。そのまま殺すのかと観察していたがどうやら拷問をかけるために生かされたらしい。こちらとしてはもう用済みなので、この件は向こうの判断に任せようと思う。




追記4


失敗した。死んだと思われたフランコ、ピザファット、エドゥが協力関係を結び、抵抗を始めた。


機械兵の数が足りなくなりそうだ。No.8が援軍を要請している。


大型の機械兵を数台、島の付近まで運んでもらいたい。                     -


上記の他にもそれはもう色々な情報が書かれていた。




「これを書いた男とNo.8、少なくとも2人がこの島に今いるということか。」


「うん、それで敵はAH社っていう組織だってことも分かったわ。」


「ところでどうやってこれを手に入れたんだ?」


「能力でね。magic art! ペイント ヴュー」


ルカが絵具を自分に塗る。すると、ルカの体が風景と同化した。


「これでエドガーを追跡したの。そしたら大事そうにこれをしまってたから、奪って逃げてきたのよ。」


「なるほど、ルカもアミュレットを持っていたのか。」


「えぇ、それよりも。このことを早く皆に知らせなくちゃ!」


「ハレイの居場所が分からないと進まない。」


「二手に分かれよう。やつの家付近と山で。」


「分かったわ。私は家の方でいいかしら。」


「分かった。俺は山を探す。」


ルカとフランコは二手に分かれハレイを探すことにした。

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