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ダイヤモンド・ダスト・トレイル「斜陽へと羽ばたく鳥」   作者: 白山 遼
●完全閉鎖孤島ーキロネキシアー
17/514

●「脱出」4/4

「ほら、こうすれば一瞬で誰でも死ぬのよ。次はあんたね。」

「何故だ!何故俺まで攻撃する!」

「・・・」

これ以上の会話をする気は全くないらしい。ネミは静かに近づいてきた。


ザバーンとフランコが地中にもぐり、ネミの隙を伺う。

(ピザファットと違い、この手が有効で本当に良かった。隙だらけだ。命までは奪わないが、数週間は動けなくしてやる。)

地面に埋めていた槍を拾う。

(くらえ)

フランコがネミの後ろに回り込み、横っ腹を狙う。

依然としてネミの反応がないことを確認し、槍を投げた。


ひょい

ネミは最小限の動きで槍を避けた。

これには、フランコも驚きを隠せなかった。

(馬鹿な!こちらの位置が分かるのか?)

試しに移動してみるが、ネミは全く動きを見せなかった。

フランコの位置はどうやらバレていなかった。

(くそ!もう一度だ!)

再び、槍を拾いに潜る。

(今度は2本だ!もう加減はなしだ!殺す気でやってやる。)

一本を死角から投げ飛ばし、もう一本を予測する回避ルートに投げ込んだ。


今度はぐにゃあ、っと体を捻りその場を動くことなく2本の槍の間をすり抜けた。


(偶然だ!あり得ない!次で確実に仕留めてやる。)


ネミが口を開いた。

「まだやるの?別にいいけど。まさか偶然よけられたなんて思ってないでしょうね。一度しかできないことは奇跡と言える、2度出来たことは、偶然で片づけてもまぁ良いわ。じゃあ3回も出来たらそれはどうなるのかしら?」


槍が5本上に飛ばされる。

続いて3本の槍がネミの足元目掛けて飛ばされた。

当然ジャンプでよけられた。

すかさず槍を投げる。

(やはりすぐ躱されるか、これならどうだ。)


フランコは地面を気体に変えた。砂や土が激しく飛び交う。


「これを狙っていたの?目や肺に気を付ければ、、いや違う!足場が!」


吹き飛んだ地面は不安定な形をしていて、砂や土が飛び交う空中にいたネミは上手く着地をすることが出来なかった。

そして最初に投げた5本の槍が落ちてきた。

(しまった、間に合わない!)

ネミはその身に槍を受け、意識を失った。


「はぁ、はぁ。」

フランコは連戦による疲れで、意識が朦朧としてきていた。


バタ

足に力が入らず、その場に倒れ込む。


(体力の限界だ。)

そのままフランコは横になった。


エドゥはこれまでの攻防を全て見ていた。

(やばい、色々な事が起こりすぎて訳が分からない。ピザファットはどうなった、俺はこのまま殺されるのか?)

体を動かして地面からようやく抜け出した。

(今なら宇宙船まで行けるか?もうこれ以上ここにいては危険だ。)

腰の重りを外していく。この場に残っているのはネミの部下だけだった。超能力を使ってくる様子はなかった。エドゥは急いで宇宙船まで走っていく。


後ろで何か声がしたような気がしたが、お構いなしに走っていく。

(もう少し。)

ハァハァと息が上がっていくのを感じる。

だが、出来るだけ止まりたくなかった。一刻も早く安全な場所に向かいたかったのだ。

(着いた。よし、誰もいないな。)


シュゴォォォ

宇宙船の入り口が開いていく。最早その時間すら惜しい。

まだ開ききっていないうちに船内に入った。

起動ボタンを押す。

「早くしてくれ。」


ゴン、ゴン、ゴン

船内に何かがぶつかる音が響く。

(何だ?何かいるのか?)


音のする方にライトを当てる。


ゴン、ゴン


一瞬何かが動いたのが見えた。


ゴン、ゴン、ゴン


音が次第に激しくなっていった。

最初は無視しようとも思っていたが、気がたっていたこともあってか、その音が無視できない程不快なものになっていった。


「えぇい、何だ!」

ライトで様々な場所を照らす。しかし、音の正体は一向に分からなかった。

(明かりはまだつかないのか!)

音に気を取られていて気にしていなかったが、ボタンを押してから時間がたっているというのに明かりがついていなかった。


ゴン、ゴン、ゴン


音はまだ鳴りやまず、激しさを増していく。


(あぁ、頭に響く!このままじゃ。)

エドゥはたまらず扉を開け外に出る。


「見つけたぞ!こいつが首謀者か!」

運の悪いことに島の戦士に見つかってしまった。

「貴様のせいで!」


エドゥは戦士たちの様子に違和感を感じた。

(何だ?さっきの奴は仕事みたいに淡々とした態度だったが、こいつらはまるで親の仇のように見てくるな。)


「捕まえろ!こいつもアミュレットを使ってくるぞ!エドガーが来るまでここから動かせるな!」

一人の戦士が音を鳴らした。

プゥ~プゥ~

すると島のあちこちから戦士たちが沸き上がってきた。


大勢が一斉にエドゥの元まで走ってきた。

エドゥが逃げる前に大勢が襲い掛かる。

足を引っかけられその場で倒れ込む。

手、足を抑えられた。

「よし、この状態を維持し続けるんだ。何かしてきそうになったら、最悪殺しても構わん。」


「…遅れてすまない、」

「エドガー!」

エドガーがやってきた。

「ひどい怪我だが、あの奇妙な敵はやっつけたのか?」

「あぁ、だが、同胞を何人も失ってしまった。」

「・・・。やはりこいつは直ぐに殺そう!」

殺せ、殺せと戦士たちは口々に言っていた。


「待て!こいつからは聞かなくてはいけないことがある。尋問にかけるのだ。連れていくぞ。」

エドガーが戦士たちを鎮めた。


「待ってくれ、俺は・・・」

エドゥが弁明の言葉を紡ごうとしていると、エドガーが

「話は全て裁判で聞く。」と言い、それ以上は取り合わなかった。



(ん、、意識を失っちまってたのか。)

フランコの意識が戻る。戦闘で受けた傷が痛み、まだ上手く立てないようだ。


ミシ、ミシという音が聞こえてきた。

(!?あそこは、ピザファットが落ちた穴?)

穴から手が出てくる。そこから体が這い上がってきた。


(もう、好きにしてくれ。どうせ俺の体は動かない。)


ピザファットの体が地面を掘り始めた。


やがて、頭部を掘り出した。

頭の土を丁寧に払っていく。

そして、首と頭をくっつけた。

血液が巡っていっているのだろう、顔色がよくなり首が完全につながった。


(ピザファットのアミュレットを初めてみたが、無敵ではないか、こんなもんどうやって倒すんだ?)

フランコは恐怖すら抱いていた。


一方当のピザファットはというと

「はぁはぁ、生きているのか。相棒は?」

頭を失っていた間の記憶はなかった。


「おい!フランコ!てめぇ相棒をどうした。」

そういうと、フランコに突っかかっていった。


「知らん!俺も今起きたばかりなのだ。今頃拷問にかけられて死んでいるんじゃないか?」

「くそ!助けにいかねぇと。」

「待て、何故あの男に肩入れする?」

「俺っちはこの島のことしか知らねぇ、もっと広い世界を知りたいんだ。それには相棒がいないと困る。」

「この島の何が悪い?必要なものが全て揃っているだろう。」

「分かってねぇな、それだけじゃダメなんだよ。」

「よく分からんな。島中の者を敵に回すほどのことなのか?」

「あぁ、俺っちはそう判断したぜ。」

「そうか、ならとことんやることだな、俺は今は動けん。だが、この傷が癒えたら必ず再び、お前らの邪魔をするからな。覚悟しておくんだな。」

(といっても、お前を殺すやり方は分からんのだがな。)

「なら、お前が回復する前にこの島を出て行ってやるよ。」


ピザファットはそういうと、エドゥを探しに走っていった。


脳内設定その④

ピザファット=ネリゲラ 種族ーエルフー

アミュレット名ーSuper Size Meー

「細胞を異常な速さで分裂させる。一度体から離れた細胞は正しく分裂が出来ず、膨張して爆弾となる。この能力についてはまだ未知な部分が多い。」


脳内設定その⑤

フランコ=ゴートン 種族ーエルフー

アミュレット名ーThree Statesー

「あらゆる物を温度と性質を変えることなく、気体、液体、固体のように扱うことが出来る。」


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