⚙︎「狂乱の科学者」9/12
Wifiが繋がらない・・・。
部屋は正方形の形をしており、各面の中心に扉が配置されていた。
つまり扉は全部で6個ある。
そのうちの一つである上の面にある扉からエドワールは落ちてきたのだろう。
戻る方法を考えていたが壁は掴めそうにもなく昇る
とりあえず出口を求めて正面にある扉に入る。
扉の向こうには同じような正方形の部屋があり、これまた同じように各面に扉が配置されていた。
エドワールが部屋に足を踏み入れた時だった。
ザンッ!!!
突如、網目状のワイヤーナイフがエドワールを襲う。
ザクッと彼の右手が切れた。
悶えていると、次々とトラップが襲いかかってくる。
彼は慌てて元の部屋へと戻った。
「はぁはぁ。」
右腕を反対の手で握り、断面を埋め止血する。
正面の扉の部屋には罠があった。
この感じでいくと他の部屋にも罠があるに違いない。
やはり元来た道を戻るしかないだろう。
戻れなくても、この部屋にいればとりあえず安全なはずだ。
そうエドワールは考えていた。
プシューーーーー。
部屋の四隅から何かが噴出した。
(流石にそんなに甘くないか。)
慌てて正面から右の扉を開けた。
プシャーーーーーーッ!!!!
上にあるスプリンクラーが作動したようだ。
液体が皮膚にかかる。
ジュワーーと皮膚が爛れていく。
「うっっっっ!!!!」
部屋を走り抜け最短の位置にある右側の扉を開けた。
次の部屋はいきなり襲ってくる罠がないようだ。
部屋の罠を警戒しながら進んでいく。
「はぁはぁ。」
爛れた皮膚を削ぎ落としていく。
先程の液体は酸だったようだ。
部屋の中央に来た時だった。
ゴォオオオオオオ!!!!
足元から炎が吹き出し、エドワールの全身に直撃する。
そのまま彼は仰け反り倒れた。
§
父はアルコール依存症で仕事が長続きする男ではなかった。
そのため家庭は決して裕福とは言えず、その日を生きるのに必死だった。
母は常に、幼い私に次のことを語っていた。
自分たちを除く、この世の生き物は生まれながらにして邪悪であり悪魔の手先である。
父は悪魔に唆され酒に溺れてしまったのだと。
私はそう教えられてきたし、それに疑問を持つ事はなかった。
学校には通っていたが、およそ友達と呼ぶものを作らなかったし、母もそれを作ることをよしとしなかった。
そのうち研究員として職を得るようになった。
私の人生が大きく変わったのはその頃だっただろう。
唯一の友達であり恋人であった母が死んだのだ。
父との口論の末、刃物で心臓を貫かれたのだ。
父はその後近くの川で自殺をしていたのが発見された。
よろしければブックマーク登録、評価、感想などお願いします。




