出会い
第1話 ー出会いー
-夢の中-
わたしはーーさんが好き
ーーさんがいいの!
…
……
――――――目が覚めた――――――
…なんだろ、、、あの夢
夢の中のわたしは少し大人な感じだった。
相手の顔はなんかモヤがかかってわからなかったし
ーーさんが好きとか誰だよ…マジウケるw
まぁ夢だし いいかw
わたしの名前は坂口 秋乃
年齢14
血液型はO型
性格は…O型説明書でも読んでもらえたらわかってくれるかな(笑)
一つ上に夏美って名前の真面目すぎる姉が1人
成績も上々で皆勤賞を取れるような まさにお手本のような姉。で その真逆の
登校日数がギリで学力も徐々に下降気味なわたし…
わたしも小学生の時は休まず成績もそれなりによかったんだけど…
わたしの両親は2年ほど前に離婚している。
実際のところ離婚がキッカケかどうかはわからない…
けど、わたしはそれから何をしても楽しく感じられなくなりつまらない日々を過ごしていた。
ついには学校にあまり行かなくなってしまった。
母春菜は付き合っていた彼氏はいたみたいだけどわたし達のことを思って家には絶対に連れて来なかった。何があってもわたし達、子ども優先で付き合っていたらしく それもあってかいつも長続きはしてなかった。
父と離婚してからの母は仕事が終わると
いつも不機嫌な状態で帰ってきてた。
帰ってくるのも徐々に徐々に遅くなっていき、ついには朝方帰ってる来るようになっていった。
そんなある日の夕方
母は少し上機嫌で家の扉をあける。
「あんたらに紹介したい人がおるんよ」
いきなりの事にわたし達は唖然。
「入ってきてよかよー」と
わたし達の返事より先にその人を呼ぶ。
「どーも、こんにちは」
と会った事のない男性が家に入ってきた。
わたし達は未だに状況がつかめてない。
『え?随分と若いけど家庭教師かなんか?
学校サボっているわたしに対しての処置?』
とわたしが困惑している中でのトドメの母の一言
「今 この彼とお付き合いしてまーす♪」
………はい?
いつもの母じゃないみたいなノリと見た目若すぎる彼を見て口には出してないが
最初に思ったのは
母に対して思春期特有の『気持ち悪い…』だった。
その日は紹介ということで母と彼氏さんに外食に連れて行かれたが、話が全く入ってこなかった…。
家に帰ってからすぐに着替えて布団に包まった。
その日は精神的に疲れていたのか
いつのまにかに寝落ちしてた。
目が覚めて母の寝室を覗いてみたら
彼氏さんの寝ている姿が見えた…
そのまま泊まっていたのか…。
母は彼氏さんの腕枕の中で幸せそうに寝ている…
母の安心しきった顔を久しぶりに見た気がする。
昨日感じた嫌悪感は母のその顔を見た時から
自然と無くなっていた。
なんとなく家に居辛くなったので
学校に行こうと思った。
起こさないように学校に行く準備をしていた時に
母が起きてきた。
「あら、学校に行くの?気をつけてね。」
と母は優しく微笑みながらに言ってくれた。
「…お母さんよかったね!いい人と出逢って♪行ってきます!」
と本心で言えたのは自分でもビックリした。
送り出してくれる母はわたしが見えなくなるまで玄関に立っていた。
学校が終わり自宅に帰宅途中
昨日乗った彼氏さんの車が停まっていて
運転席に人がいるのもわかった。
助手席側の窓が開き声をかけられた
彼氏「あ…秋乃ちゃんだよね!秋乃ちゃん!」
秋乃「えっ…なんですか?」
彼氏「ちょっとお話したいんだけど…いいかな?」
秋乃「え?イヤです(笑)特に私が話したいことなどないので、失礼します。」
彼氏「いやいや、ちょ!ちょっと待って少し少しだけ
お母さんのことなんだけど…」
秋乃「付き合っているんですよね。それは昨日聞きました…。」
彼氏「それもだけど…春菜さんが居る時はちょっと話しにくいことなんだけど…ダメかな?」
秋乃「…わかりました。でも車の中はイヤです。何かされた時に逃げられないので(笑)」
彼氏「なっな何もしないよ!したら捕まるどころか春菜さんに殺される!」
秋乃「それじゃあ、どこかお話しできるお店にでも行きましょうか」
彼氏「じゃあどこかいいところあるかな?ご馳走するよ!ここら辺のお店知らないからさ、あっでも晩ご飯前だから軽めにかなw教えてもらえるとうれしいな!先に行って待ってるから!」
先に行って待ってるってめんどぃと思いながら
秋乃「………では。案内するので」と助手席に乗る。
彼氏「え?」
彼氏さんは戸惑っている。
秋乃「え?ってどうしたんですか?教えてって頼んできましたよね?」とからかい気味に言ってみた。
彼氏「いや、車の中はイヤって言われて 車に乗ってくれたからビックリしちゃって…。」
「そ…そのありがとう!」
秋乃「お礼はいいので早く行きますよ!早く終わらせて帰りたいので…とりあえず出発してください。」
彼氏「そ…そうだね!ごめんねっっっ。
とりあえず真っ直ぐでいいのかな?」
秋乃「曲がるときは早めに言いますので、それまで真っ直ぐ直進しててください。」
彼氏「りょーかい!」
秋乃「それで話というのは?」
彼氏「えっああ。春菜さんと付き合うとなった時の話なんだけどね。春菜さん俺とは絶対に付き合わないって言ってたんだけど、ある日飲み会の席でね俺の事好きなんだけど付き合えないんだぁって言ってたの。」
秋乃「えっと…惚気ですか?それならあまり聞きたくないのですが…」
彼氏「ちっ違うよ!春菜さん秋乃ちゃん達のことが
1番大切だから付き合えないって私は幸せになること考えちゃいけないのって、秋乃ちゃん達が自立した後は一人で何も考えずに過ごしていく…って俺に対して話してくれたのね。」
秋乃「…。」
彼氏「でもそれって秋乃ちゃん達の立場からしても後からそうだったって知ったらショックじゃない?
だから提案してみたの。俺と付き合っているってことにして秋乃ちゃん達に俺が聞いてみるって」
秋乃「……ぁ そこの信号を右に」
彼氏「秋乃ちゃん達的にはどう思うかな?
やっぱり春菜…お母さんは付き合わないでほしい?」
秋乃「正直…わたしは男性自体があまり信じられない…というより近づいて欲しくないです。でも…
なぜか彼氏さん……
えっとあなたの事なんて呼べば良いです?」
彼氏「おれ?佐藤一真だから佐藤でも一真でもかずちゃん(笑)でも呼びたいように呼んでくれて構わないよ」
秋乃「…で佐藤さん。最初に言ってた付き合ってるってことにしてってことはまだ母と付き合ってないんですか?」
佐藤「んー。正式にはまだって事が正しいかな。
それこそ秋乃ちゃん達と春菜さんの生活を壊したくないしね。おれも春菜さんと同じで秋乃ちゃん達優先って感じかな。」
秋乃「そうなんですね…。いいんじゃないですか?
母の昨日の寝顔見たら何も言えないですよ。久しぶりなんですよ…母が安心して寝てるとか機嫌がいいとか昔の母が帰ってきたようで嬉しかったのは事実です。あ!今のは内緒にしてて下さいね!」
佐藤「もちろん!ところでまだお店着かないのかな?」
秋乃「え?まだ話すことあるんですか?そこの信号右に曲がったらわたし達の家ですよ(笑)」
佐藤「え?あっ本当だ…え?え⤵︎?」
家に着き、秋乃が車から降りる
秋乃「佐藤さん。わたし男性の方、苦手なんですが
なぜか佐藤さんは大丈夫みたいです。車の中で二人きりでも大丈夫でした。これからもわたし達共々よろしくお願いしますね!」
佐藤「はは…敵わないなwこちらこそよろしく!
今日はありがとうね。車の中で話終わるなら飲み物でも買っておくべきだったよ!それじゃあまたね!」
と佐藤はそのまま自宅に帰っていった。