表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/42

旅の始まり レベルアップ

一瞬の出来事だった。


目の前のサハギン5匹が倒された。

それも、「スライムすら倒せない普通の人」にだ。


いや、スライムに負けていたリラク本人と、今ここにいるリラクは別人なのかもしれない。

もしくは、夢を見ているのかもしれない。

すでに、私自身は、サハギンにやられていて、天国で素晴らしい景色を見ているだけなのかもしれない。

そうだ、きっとそうなんだ。


あのリラクが、サハギンを倒せる訳がない。


「私、そっか、死んじゃったのか・・・」


「???」「何を言ってるの?」


「だって、ほら、リラクがサハギン倒せるだなんて、夢かあの世での出来事以外ないでしょ?あはは・・・・」


乾いた、寂しげな笑い声だ。


『ティラリラッタラ―』


『リリィ・中級魔法使い

レベルが上がりました。』


『レベル12 魔力アップ 新たな魔法が使えるようになりました。』


首から下げていたアイテムがレベルアップを知らせてくれた。


この世界では、不思議な能力と職業を授けてくれる種の欠片を使って、アイテムに加工することで、旅のレベルアップなどを知らせてくれる。


リリィは今、サハギンをパーティーであるリラクが倒したことによって、経験値を積んでレベルが上がったのだ。


「あれ?私、生きてるの?レベルもあがっちゃったし」


「そう、生きてるよ。それに、僕とはパーティーを組んだままだよ。」

「僕はそう簡単に、僕の命の恩人を、僕のちょっとクセのある女神さまを見捨てたりはしないから。」


「ねぇ、リラクさん、昨日はごめんなさい。つい、出来心で・・・」


急に丁寧語に変わっている。命を助けられたことと、昨日お金を盗んだことで、うしろめたさがあるのだ。


「僕が弱いからだよね。分かってる。スライム倒せないし、普通の人だし、お金はあってもまぁ、得することないもんね。」

「僕みたいな普通の人が旅していたら、命がいくつあっても助からない。だから、君は僕に旅をあきらめさせようとして、こういうことをしたんだと思う。」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ