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旅の始まり 戦いの火ぶた

「こらぁー!うぉぉぉぉ~!」


とりあえず、声をあげてみた。


一斉にこちらを振り返る。


そして、リリィの顔は一瞬は希望に溢れたが、すぐに絶望に変わった。


そりゃそうだ。スライムすらも倒せない弱い男。普通の人。


「リラク??護衛は??」


彼女は一縷の望みをかけて聞いてきている。しかし、

「路銀を失くしてしまってね。一人旅の途中さ。」と、

僕は嫌みを少しだけ入れてみた。


彼女は自分が犯した過ちを深く反省している様子だ。

路銀を盗みさえしなかったら、新しい護衛をつけて次の街まで旅をしていたはず。

もしくは、馬に乗っていたかも知れない。

助かる可能性を完全になくしたのは自分のせいだとはっきりと自覚したらしい。


声にならない声で、地面に涙の跡が出来ていく。


僕はあっけらかんと言ってやった。

「僕が来たから大丈夫!」


次の瞬間の彼女の顔といったら。


「どこにそんな自信があるの?それとも本当に脳みそが筋肉なの?」


涙を通り越して、笑えてきたらしい。


「あははははっ!おかしぃ!

 なんで、こんな時に冗談言えるの?ほんとおかしぃわ。」

「だって、あなた、『スライムすら倒せなかった』じゃない。」


僕は、命の恩人で、直感で「僕の女神さま」と感じたリリィの笑顔が見れて満足だった。


「ねぇ、大丈夫ってどうするの?あなたが私を守ってくれるわけ?おとりになるの?」


僕は首を振った。

手には石を持っていた。


その石を、大きく振りかぶって、投げる!!




ビュシュゥゥゥ~~~、と。




サハギンの頭を超えて、みごとに的外れな方へ飛んで行った。


あまりのコントロールの無さにか、みんながその石の行方を目で追ってしまった。


次の瞬間。


『グギャ!』


どちゃっ。


首があり得ない方向までねじ切られたサハギンがそこに倒れた。


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