234 片手で撫でてたか?
ゴルド・マルベル:皇帝
クリアラ・マルベル:皇妃
メルソン・マルベル:皇女・姉
ライト・マルベル:皇子・弟
ナト・シャマン:マルベル帝国将軍・近衛騎士長
シガローネ・エレブニ:マルベル帝国宰相
スピカ・アムリット:マルベル帝国の占い師
セラム:メルソンの狗
ジョー:セブンに洗脳されている衛兵
オリンピア:皇子付き近衛騎士・セブンの側近
「――ああ、セブン! お前は本当によくやってくれた! 一気に将軍だなんて、夢でも見ているようだっ!」
謁見の後、俺はオリンピアを引き連れてライトの部屋を訪ねた。
すると数分後、興奮気味のライトが手ずからドアを開け、満面の笑みで俺にハグをしながらそう口にする。
「あ……っ!」
気持ちが高ぶり過ぎていたのか、数秒経ってようやく俺の後ろに控えていたオリンピアに気付いたライトは、慌てて俺から離れた。
「ち、違う。僕はセブンを困らせてやろうと思っただけだ。勘違いするな」
明らかに嘘である。
「宰相閣下とのご会談は約一時間半後となります。十五分前となりましたら、お迎えに上がります」
「わかった」
オリンピアは空気を読んだのか、俺にそう耳打ちすると、敬礼をして去っていった。
「……セブン、こっちへ来い。紅茶と菓子を用意してある」
「お? おお」
平静を取り戻したライトは、俺をテラスまで案内してくれる。へぇ、皇子が直々に案内か。
静かに閉まったドアの傍を見ると、かつてクビにされかけていたメイドさんがいた。彼女は案内という仕事をサボっているわけではなく、ライトの意思を尊重して静観しているのだろう。流石、帝国城に勤務している一流メイドなだけはあるな。
「紅茶は、僕が選んだ帝都マルメーラでも最高級のものだ。菓子は、城の職人にスペシャリテを用意させた」
「ほーん。よくわからんが、なんか凄そうだな」
「はぁ」
俺が漠然とした感想を口にすると、ライトは「やれやれ」といった風に溜め息をついた。
「セブン、これから勉強していかないと恥をかくぞ。外交でもこういったものを食べる機会はあるだろう? お前はもう将軍なんだから、自覚を持て」
「! それもそうか。ありがとう」
ライトはライトで、俺のことを考えてくれていたようだ。
あのライトが、人のためを思って行動したのである。
俺はなんだか嬉しくなって、素直に感謝を伝えた。
「…………」
「……?」
席について一分ほど。
テーブルの上には、メイドさんによって注がれた紅茶と、めちゃくちゃ美味しそうなフルーツのケーキやらなんやらが三階建ての皿みたいなやつに置かれている。
俺は一応の礼儀としてライトが食い始めるまで待っていようと思ったのだが、何故だかライトが一向に食い始めない。
当のライトは、両手で頬杖をついて、じーっと俺を見ているだけだ。
「おい、食わないのか?」
「え……?」
俺がそう聞くと、ライトは初めて気付いたというようにハッとした顔を見せる。
「あ、ああ、先にお前が食べていい。なんだ、お前にしては珍しく礼儀をわきまえているな。将軍としての自覚が出てきたか?」
「そういうわけじゃないが……まあいいや、いただきます」
とりあえず、紅茶を一啜り。
「おお、美味い」
「本当!?」
「え? いや、嘘ついてどうするよ」
「そ、そっか」
紅茶はファーステストで飲むやつと良い勝負なくらい美味かった。
ライトは何故かほっとしたように喜んでいる。
「ケーキも美味いな。何ケーキだこれ」
「季節のフルーツタルトだよ」
なんか、紅茶の時より反応が薄い。
俺がバクバクと食い始めたのを見て、ライトもぱくぱくと食べ始めた。
至福の時、と言えばいいのか。見ていてなんとなーくわかる。こいつ、紅茶とかお菓子とか好きなんだろうなあ。
「うふふ」
ちらりとライトの後ろを見ると、微笑むメイドさんの姿があった。
その少し困ったような笑顔で、俺は全てを察する。
この紅茶、ライトがいれてくれたんだな――。
「……ふぅ……」
落ち着く。
俺たちの間には、暫く食器の音が鳴っているだけだが、全く嫌な沈黙じゃない。
暖かい晩夏の昼下がりに、温かい紅茶も良いものだ。おかげで風を涼しく感じられる。
「――なあ、セブン」
柄にもなくぼんやりしていると、ライトが話しかけてきた。
「ん?」
返しつつ、気付く。彼の纏っているその静かな雰囲気が、あの日の夜に似ていることを。
「お前はいつも堂々としているな。シガローネや父上にさえちっとも身構えていない」
「そうか?」
「そうだ。僕とは……正反対だ」
ライトは少し俯いたかと思えば、真剣な表情をして、俺の瞳を見つめた。
「セブン。どうすればお前のようになれる? どうすれば虚勢を張らずに済む? 僕は、お前のようになりたい。お前のように、何があろうと、堂々と、飄々と、泰然自若でありたい。一体どうすればいい……?」
相談パート2ってか。
何か、きっかけがあったのだろう。そうでなければ、彼はこうも本気で他人に相談を持ちかけられるような性格じゃない。
……俺か。俺が将軍になったから、いよいよ、ライトは“父親と向き合う覚悟”を決めなければならなくなったのか。
「…………」
普段なら「知らん」「自分で考えろ」とあしらうところ。
もしくは用事があるからと言って逃げ出す。
それっぽいことを語ってお茶を濁すこともある。
だが……この紅茶は、濁したくはない。俺は無性にそう思えた。
「何処で――」
「?」
メヴィオン以外、ろくすっぽ他人にアドバイスできるような人生は送ってきていない。
しかし、そんないい加減な俺でも、ライトはなんだかんだ言いつつ慕ってくれていた。
俺は、そんな可愛い弟分を騙している。セブンなど、本当は何処にもいるはずのない存在だ。
ただ……こいつに、ちょっとでも、何かを残してやりたい。騙すのだとしても、せめて、紅茶の分くらいは。
騙し切って終わるはずの関係だったが、彼のいれてくれたこの紅茶のせいか、俺にはそんな気持ちが芽生えつつあった。
「何処で、生きるかじゃないか」
「生きる?」
劣等感と、孤独感。
ライトは俺がそれらを感じたことなどないと思っているのだろうが。
そんなことはない。この世界に来る前など、日常的に感じていた。
将来への不安は当然。社会で普通に生きることができる人々へ、俺は多分、劣等感を覚えていた。メヴィオンからアパートの一室へと戻る瞬間は、よく死にたくなったものだ。そして、不意に、俺は何歳まで世界一位を維持できるのだろうかと考えた時、このまま独り年老いて死んでいくのだろうなと思った時、孤独でしょうがなくなった。
皆、そんなものだろう。
そして、それでも皆、頑張って生きている。
俺だって、概ね笑って生きてきた。俺の長い青春時代は、それはそれは楽しかったと、自信をもってそう言える。
何故なら。
「なんでもいいんだ。お前が楽しいと思うものならなんでもいい。人を楽しませて自分も楽しかったとか、なりたい自分に近付けて嬉しかったとか、人の役に立てて気持ち良かったとか、誰かのために働くことが好きだとか、そういう、他人とのかかわり合いがあって、自然と笑顔になれるような、心の拠り所を見つけられれば……まあ、意外と頑張れるもんさ」
俺にはメヴィオンがあった。
もう楽しくて楽しくてしょうがなかった。
できれば、お前にも、そういうものを見つけてほしい。
俺は、メヴィオンで生きた。
お前は、何処で生きる?
「そういうものを見つけたら、僕もセブンみたいになれるかな……?」
「はっはっはっは」
「なっ、笑うなよ!」
「それとこれとは話が別だろう」
「それは、そうかもしれないけどっ」
「ただ、あんまり動じなくなるとは思うぞ。親父や姉貴に蔑まれたとしても、それがどうした俺にはこれがある! っていなせるからな」
「!」
嫌なことなど、何かに熱中しているうちは忘れられる。
楽しいことに生きてしまえば、嫌なことなど吹き飛ばせるパワーを得られる。
俺はずっとそうやって生きてきたから、こんな大雑把な感じのアドバイスしかできない。
だが、これだけは確信をもって言えるのだ。
お前を救ってくれる何かが、この世の何処かに、きっと隠れていると。
「……でも、僕は皇子だから」
そんなに簡単な問題じゃないか、そうだな。
ところがどっこい。
「安心しな。近々そうも言ってられなくなる」
「へ……?」
半月後、ここにまだ帝国が在る保証など何処にもない。
当の俺でさえ、この先どうなるかわからないのだから。
かつての刀八ノ国のような運命を辿るのか、それとも……。
「ま、あんまり気にし過ぎるなってことだ。ゆっくりでいいんだ。そのうち楽しいことだって見つかるし、背だって伸びるさ」
「わっ、あっ! おい、やめろっ!」
本当に、帝国をぶっ壊していいのだろうか。
ふと気付きかけたその疑問を誤魔化すように、俺はライトの頭を上から片手でワシッと掴んでぐりぐりと撫でた。
ライトは口では嫌だなんだと言いつつも、特に抵抗する様子はない。
その小ぶりな頭の感触を手に感じながら、俺はふとこう思った。もし俺に弟がいたら、こんな感じだったのかな……と。
いや、ないない。どうせ俺のことだ、毎日ケンカに決まっている。
「おいふざけるな、髪がぼさぼさだ。皇子の頭をボールみたいに扱うなっ」
「ワイルドでいい感じだぞ」
「そういう問題じゃないっ!」
じゃあ、仮に帝国が木っ端微塵に崩壊するとして、俺はこのクソ生意気な弟分を一体どうしようというのか。それは自分でもよくわからない。
ひょっとしたら、ちっとも壊れずに終わるかもしれない。それならそれでいいと、少しだけ安堵する自分もいる。
全ては軍師のみぞ知る。
まあ、なるようになるだろう。
これは帝国を使った遊戯であって、俺にとってはバカンスなのだから――。
* * *
「――私はもう限界かもしれません」
「ええ、みなまで言わずともわかっています」
帝国城内、エントランスホールの隅。
この時間は本来ならばせっせと掃除をこなしているはずのメイドたち。掃除用具を持ったままの彼女たちは数人集まって、小声で何やら話し合っていた。
「もう、もう、いじらしくて仕方がありません! あの殿下が、手ずから、セブン様へ紅茶をおいれになって……ああぁっ!」
「落ち着きなさい。そして、あったことを全て話すのよ。洗いざらい」
中心となっているのは、先ほどまでセブンとライトに給仕していた皇子付きのメイドだ。
その他のメイドたちは、彼女の話を聞き逃すまいと、やけに真剣な表情で食い入るように耳を傾けている。
「セブン様がいらっしゃるまで、そわそわと落ち着かない様子でして、リビングとテラスのあたりを行ったり来たりしてらっしゃいました。そしてオリンピア様がドアを三回叩かれると、殿下は暫し待てと仰って、慌ただしく紅茶をいれ始めたのです」
「殿下はセブン様がいらっしゃってから紅茶をいれ始めるご予定でしたのね」
「そうなのです。一番美味しくいただけるようにとお考えのことです。それまでは私に何度も紅茶のいれ方を確認なさっておりまして、いざとなったらそれはもう流石の腕前で御座いました」
「それでそれで、紅茶をいれ終えたらどうなったのですか?」
「フ、フフフ……フフフフフ!」
皇子付きのメイドはもったいぶるように笑って、恍惚とした表情をしながら口を開いた。
「よくやった、夢のようだと、満面の笑みで、セブン様をお褒めになりながら、そ、その胸へと、こう、ボフッ……と!」
「!?」
「ハグで御座います! そして、そしてっ! セブン様も、困惑しつつも、優しく抱き返されたのです!」
「!?!?」
「オリンピア様のことを失念されていた殿下は、慌てた様子でお離れになりました。セブン様は涼しく微笑んでおいででした。そしてオリンピア様も負けじと、セブン様の襟首のあたりへとそのお綺麗なお顔を近付けられて、切れ長の目を細め囁くように耳打ちなさいました。私の見立てでは、オリンピア様は少しむっとされていたのではないかと!」
「げ、激熱じゃないですか!!」
「だからそう言っているでしょう!!」
押し殺したような小声で、しかし昂るあまりに叫びながら、彼女たちの話は盛り上がる。
「私、オリンピア様がセブン様の側近になられたとお聞きした時、気付いたらガッツポーズしてましたからね」
「オリンピア様は矜恃をお持ちの気高いお方ですから、側近と聞いて最初はどうなることやらと思っていたのですが……たったの半日で、あれほどお似合いのカップ……失礼、コンビは他にいないと確信できるほど息がぴったりだと感じました」
「セブン様はどなたとご一緒でも絵になるから凄いです。特にオリンピア様との美形コンビは、絵面が最の高です」
「甚だ同意せざるを得ないですね常識的に考えて」
オリンピアは顔が良いため、メイドたちの間でも元々人気があったようだ。
彼女たちの中で今かなり「熱い」とされていたのは、セブンとオリンピアであった。そんな折にオリンピアがセブンの側近になったというニュースが飛び込んできたのだから、更にヒートアップするに決まっている。
その上、いわゆる本命であるライトに加え、対抗と言われるナトまで加わっては、もはや灼熱の狂宴が開かれることは致し方なしと言えた。
ゆえに、彼女たちは気付けない。きゃあきゃあと姦しい声の響くエントランスに、一人の男が訪れていることを。
「――箒を持ってパーティか? 良いご身分だな」
「ひっ……!?」
「も、申し訳御座いません!」
160センチほどの低い身長に筋肉質の小太りな体、いつも怒り顔で生え際後退気味の中年男――シガローネ・エレブニ宰相。マルベル帝国のナンバー2である。
にもかかわらず護衛など一人も付けずに、マントを翻しながら早足でエントランスを通り過ぎんとしていた。
彼は帝国で最も多忙な男である。一つ前の仕事が少し長引き、もうすぐにでもセブンとの会談が控えている状況、一分一秒も無駄にしている暇などなかった。
しかし彼の性格上、どれほど急いでいても、仕事に不誠実な者は見過ごせない。
「エントランスの掃除はメイド五人による持ち回り、所要時間は三十分である。これはいくら糞の寄せ集めであっても隅々まで掃除が行き届くようにと計算された人数と時間である。さて、残りは何分だろうか? その短い時間でこの広いエントランスを五人で掃除しきれるのだろうか? 答えてみたまえ」
「すみませ――」
「違う。私の質問に答えよと言っているのだ。肯定か否定か、答えよ」
「……雑に、なってしまいます」
「そうだ理解できているのなら最初からそう答えろ。お前たちのせいでもう四十秒は無駄にしている」
シガローネは早口でまくし立ててから、ちらりと彼女たち五人の顔を一瞥すると、時間がもったいないという風に背を向けて去り行きながら、こう口にした。
「この十五分は無給としておく。次に見かけたらクビだ。その箒さえ持てなくならんよう、骨身を惜しまず働くことだな」
メイドたちは深々と頭を下げ、シガローネがいなくなるのを待つ。
「頭ばかり下げている暇があったら仕事をしろ! 私はそういう形だけの態度が一番気に食わんッ!」
シガローネは綺麗に磨かれた花瓶に映った彼女たちの姿を見て、振り返らずにそうとだけ怒鳴ると、エントランスを後にした。
大声にびくりと肩が跳ねるメイドたち。
その数秒後……「あ~あ」というような白けた雰囲気が漂った。
「……相変わらず嫌味ったらしい方です」
「まあ私たちが悪いんですけど、でも一言も二言も多いですよね、宰相閣下は」
「皮肉を口にしない日はないらしいですよ」
メイドたちは皆、シガローネへの不満を口にする。
「しかし……有能なんですよね、怖いくらい」
「多分、私たちの顔も名前も、いちいち調べずとも憶えているんでしょう」
「実際、今月のお給料から十五分間の金額だけきっちり減らされていると思いますよ」
だが、彼女たちはいくら不快であっても、シガローネの有能さをよくわかっていた。だからこそ、今後はもう掃除をサボって雑談をするのはやめようと、なんだかんだ文句を言いつつも意識を改めることができる。
シガローネの怖いところは、その不快感さえ狙って与えているのではないかと思えてしまうことだ。あのような嫌味たらしい責め方と、十五分間の無給というペナルティと、最後の怒鳴り声がなければ、彼女たちは更生していなかったかもしれない。当の彼女たちでさえそう思えてしまうところが、シガローネという男の有能さをよく表していた。
「セブン様、宰相閣下に虐められないといいんですけど……」
「心配ですね……」
シガローネがセブンを重用していることは多くの者が知っている。
すっかりメイドたちのアイドル的存在と化していたセブンは、シガローネに使い潰されてしまわないかと彼女たちから心配されていた。
「…………」
暫しの沈黙ののち、各々は掃除へと戻っていく。
一人のメイドが、とても深刻そうな表情で口を開いた。
「……シガ×セブ……まあ、なくはない、ですか……」
「!」
それを耳にした他のメイドは、「ほう」と感心の声を漏らす。シガローネさえもが糧となるその貪欲さ、流石はオヤジ攻めというニッチジャンルを日夜開墾しているだけはあると、彼女の嗜好を知っていたがゆえに納得したのだ。
いささか過激な意見ではあったが、十分にブラッシュアップする価値はあると言えた。
意気消沈気味だった彼女たちは、少しずつ息を吹き返していく。
そして、その流れに乗せるように、皇子付きのメイドがニヤケ面で言い放った。
「実はあのあと……撫で撫でもあったんですよねぇ」
「ふぁっ!?」
「どっちがどっちに!?」
「片手で、こう、ぐりぐりとっ」
「なんですかそれ最高ですね!?」
そう、あの話はまだ途中だったのだ。
彼女たちは忙しなく掃除に手を動かしながらも、興奮の面持ちで確信する。
今夜は宴会だ――。
お読みいただき、ありがとうございます。
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