第二話
金の瞳で金髪の金ピカ女神のリリアはこう言った。確かに言ったのだ。
「アナタの生きていた頃の世界で言う『来世で本気出す』を実現してあげるわ。それが先程言った、それなりに良い来世を用意する、なのよ」
来世で本気出す……。確かに、今の自分は「本気を出さずに死んだ」訳だから、それは当たり前の譲歩だろう。うん、その通りだ。自分は悪くない。一生、生活保護でも仕方がない人生なのだから。
「さて、おデブちゃん。新しい来世では『どんな能力が欲しい?』」
だから、ぽっちゃり系なのに……。さて、能力? 転生すると能力がもらえるのか。ふむ……、そうだな。
「いろんなことが出来る能力が欲しい」即答した。
転生の女神リリアは一度、間を置いて大笑いをした。ツボに入ったらしく、何時までも腹を抱えて笑っていた。笑うリリアも可愛いなあ。ぐふ。
「じゃあ、お望み通りいろんなことが出来る能力をあげるわ」
マジでか! ビックリして長い邪魔な髪がピタッと顔に張り付いた。ええい、邪魔!
自分は遂に輝ける日が来たんだと、嬉しくて泣いた。嬉し泣きなんて生涯初ではないだろうか? あ、死んでいたっけ。
その後、女神リリアと感覚時間で五~十分、会話をした。こんな綺麗な女性と話すのは初めてだった。
そして、転生の時間が遂に来た。
「楽しかったわよ、コモリくん。それでは、楽しい来世ライフを過ごしてねえ」
自分は念押しで「能力忘れないでね」と言った。そして、リリアは笑顔で会釈した。
その瞬間、自分の口の中から一粒の水粒が出てきて、それがドンドン大きくなり、最終的には自分を包むくらいの大きさになり呼吸も出来た。死んでいるから呼吸しているかは分からないけど。
が、ドンドン呼吸が出来なくなり、口の中、鼻の中から水が入っていき意識が薄れていった。これが転生の儀式なのか。相当、苦しい転生だ。
薄れ行く意識の中、転生の女神リリアは何かを喋った。
自分は聞こえず、そのまま新しい人生のスタートが始まろうとしていた。
絶対にイケメンのスリムモデル体型になってやるからな! そう意気込みながら意識が飛んだ。
感想まってます。