砂も星も
砂を撒くように
星を散らせたなら
何も願うことなどないのだろう
俯いた夜に
通り抜ける風
広げた手のひら
指の合間をなぞるように
乾いていく唇に
湿ったうたをのせて
運ぶもののない時が通りすぎても
忘れはしない
忘れはしない
迷い蛾のように
光を追い求めた日々も
焼き付けた影も
仰げば輝きを
ひとの営みに圧されてもなお
ただ頭上に広がる星よ
恋うように
乞うように
描いても
飲まれるばかりの身体ひとつ
差し出しながら
生きています
砂を撒けば
掠める風の最中
願いながら
喘ぎながら
いつか私もこの星の礫
誰のことも嗤わずに
どうかありますように