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詩集

千歳歌

作者: 江馬 百合子

儚き別れ言より 時の止まったこの地には

私の歌が響き続ける

「これが今生の別れとなるなら」

君を独りで ゆかせはしない


この不肖なる言の葉を

東風が届けてくれるなら

声を枯らして歌った時を、けして悔やみはしないだろう


花と散らせて 私の現世

どうか迎えて 君の隠り世

私の歌はやみますが

千年越しに会いましょう



震える歌声は これより先には必要ない

静まる野山に響かせた歌を

「あれが今生の別れとなったが」

私の隣で歌ってほしい


のばす君の指先を

今度は必ず私が引こう

愛しき君のその声が、二度と枯れることなきように


君の微笑む 私の隠り世

音を失くした ただの現世

君の歌を導とし

千年越しに会えました



積もりに積もった返し歌

伝えたかった千歳の想い

ようやく伝わるこの地こそ


まごうことなき真実なのだ



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