第五話 魔王と悪魔と死神と天使 ~そして人がひとり
今、一人の少年が、過酷と言われる山を登っている。
「景色がいいな…。集合場所がこの山で良かった。ちゃんと頂上までこれがあるし。」
ロープウェイで。
「楽しみだな…。魔界の三種族に会うっていうのは。…仲良くなれるかな。」
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その頃、ジェリーによる30分にも及ぶ説明が終わっていた。
「…と言うことです。質問がなければ私は天界へ帰りますが。」
「長すぎて聞いていらんねぇよ。」
「任せて下さい。わたくしパーソが全て記憶しております。」
「パーソさんすごいです~。」
パチパチとミアが拍手する。
「む…。…パーソ。歯を食い縛れ…。」
ユーマは急に剣を召喚した。ユーマの武器の『怨絶」である。
「えっと…ユーマさん。わたくしが近接戦闘が苦手なのは、知ってます?」
「知らねぇよ!!」
ユーマは剣を振り下ろした。すると物凄い衝撃波が生じ、山を切り裂く一歩手前までいった。すると…
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
「なにやら凄い声がしましたけど!?というかこの声はまさか!!」
ジェリーが物凄く焦る。
「行ってみっか?」
「事件の首謀者の反応、軽っ!!」
ミアがまたも変貌した。しかし、ユーマの凄さとミアの変貌より、皆は声の主のほうが気になっていた。
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僕はただ、集合場所に行こうとしていたのに…。
急に衝撃波なるものがとんできて、そのあとは覚えていない…。
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「あ、人がぶっ倒れてる。」
「ユーマさんは人間界に来て早々、人を殺してしまいましたか。」
なぜこの二人はリアクションが軽いのだろう、とミアは思っていた。
とりあえず四人は逃げようか埋めようか相談することにした。
「やばいよ…。ユーマさんが殺っちまいましたよ…。よりによってこの人をだよ!?怒られるのかな?私怒られるのかな?『お前の監督がなっていない』って怒られるよね!?いや、怒られるじゃ済まないよね。恨まれるよ…。これ絶対恨まれるよね…。報復ものだよね。これ絶対報復ものだよね………」
ジェリーはおどおどしているだけだった。
続く