第四話 魔王と悪魔と天使 ~死神を待っていた時間は長く感じた
神様がミアと話をしている頃、ユーマとパーソは先に人間界に出ていた。場所は日本の山の上。その場所に普通は見えないドアがあるのだ。
「ふむ、ここが人間界の国の一つ、倭ですか。」
「いや、漢じゃねーのか?」
ユーマは立ち直ったようだ。
「もしくは蜀?」
日本に来たはいいが、そもそも二人は、特に人間界に詳しいわけじゃないようだ。
「やれやれ…。ユーマさんはバカですか?それは赤道直下の国ですよ。ちゃんとガイドブック読んどいて下さい。」
二人とも大外れ。
「やれやれ…はこっちですよ!!なんですかその気持ちがいいくらい明後日の方向の馬鹿っぷりは!!」
突然怒鳴りながら現れたのは、天使族のジェリーだ。
「いいですか?これからは人間界で過ごすのに、知識はまるで無いじゃないですか!!」
「そうですよ、ユーマさん。人間界に居る以上、わたくしのような常識人でなくてはいけません。ユーマさんは今後、わたくしを見習って…」
「あなたもです!!」
パーソは、ジェリーに言われた意味が分からないという顔で、首をひねっていた。
「あ、そういやゼリー。お前は何で来たんだ?」
「ジェリーです…。オホン…。べ…別に案内役兼紹介役なんかじゃないんだからね!!」
「え…なんだそりゃ。じゃあお前は、本当は何しに来たんだよ。」
ジェリーの人間界の知識も、人間界をよく知らないユーマには効かないようだった。
「分かりませんか、ユーマさん?これはナンデレですよ。ここではない国の食べ物のナンと呼ばれるものを、カレーと呼ばれる食べ物にデレーっとつける事をナンデレと言うのです。」
「自慢げに言ってますが、100%ちがいます。どうしたらああいう私の言い方になるんですか。」
パーソは、はい?といいながらまた首をひねった。
「もういいですよ…。とにかく、ミアさんが来たら説明しますから、しばしお待ちを…」
と言おうとした瞬間、ドアがバターンと開いてミアが出てきた。
「ただいまです!」
「家じゃねーよ?」
ミアは、はっとした顔で頬を赤らめていた。
「やっと三人は揃いましたね。〈kills〉の皆さん、これから色々説明しますから、よく聞いてくださいね…………」
これから、人間界での〈kills〉の物語が始まるのであった。
……あと、人もひとり加わって。
続く
第四話を読んでいただき、ありがとうございます。
キャラのボケは分かりやすかったですか?
今回は、ユーマとパーソがひたすら天然ボケをかますという話です。
そしてジェリーの再登場です。
彼女はこの先どうなるのでしょうかね。
自分ですらわからないのです(笑)
これまでは、ストックしてあったやつを改稿して載せていて、これが最後のストックなので、これからはストック無しです…。
で、この先は話を作るのに時間がかかるので、少し更新は遅くなるかもしれませんが、忘れないでもらえるとありがたいです。