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【1】気になる女の子
ももくりと申します。青春ど真ん中の、登場人物みんなが必死で生きていく話にしたいと思います。楽しんで書くので、読んでくれたら嬉しいです♪
ああ、眠い。
柔らかい日差しは、教室の空気をやんわりと温める。このぽかぽかする陽気は、気持ちが良い。窓から覗く青い空が、今日は何だかとても広い。風に運ばれるのは、桜の花びら。ああ、もう、とにかく暖かい。
おまけに今は五時間目。大きな弁当を食べて、腹は十分に満たされている。
最高の気温に、最高の満腹感。眠くなる条件は、全部揃ったわけだ。地理のゆるいおじいちゃん先生の声が、もはや子守唄のよう。みんな、頭を伏せて眠っている。耳を澄ませば、隣の奴の寝息が聞こえてきそうだ。
--そんな中、ぴしっと姿勢を良くしてノートを取る背中があった。
この教室で、唯一ちゃんと授業を受けているんじゃないのか?
茶色の長い髪が、字を書くたびに、揺れる。俺は机に突っ伏したままで、斜め前の彼女を見ていた。
高校に入って、二年目の春。
最近、目で追ってしまう女の子がいる。