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川のお水がすこし冷たくなったころ、たまごにおめめが出来ました。
「おそとは明るい・・」
川の中をてらすおひさまの光で、きいろいたまごの中がすけています。
その中には、小さなかおが見えて、キラキラ光るお水をはじめて知ります。
「そして、みんながいる・・・」
おめめが出来たのですから、自分のまわりも見えてきて、自分と同じたまごがたくさんあることを知ります。
そして、ほかのたまごたちにも、おめめがあるのを知って、なかまがいることも知りました。
そのほかにも見えるものがあります。
「あれ?。ぼくたちより、小さいのがいるよ」
何かが、水の中をピョンピョンはねるようにおよいでいます。
これは、どうぶつせいプランクトンのミジンコさん。
たまごたちよりも小さな生き物で、すきとおった体に黒いおめめがついています。
「きみたち、だぁれ?」
と、ミジンコさんがたまごたちにきいてきます。
「ぼくたち?・・・。う~ん、分からないや・・」
まだまだ、たまごたちは自分のことは分かりません。
そして、ききます。
「ミジンコさんはどうしてたまごの中にいないの?」
たまごたちは、ミジンコさんたちがお水の中でうごいているのが、ふしぎみたいです。
だって、たまごたちはきいろいたまごの中でクルクルまわるくらいしかできないのですから。
「ぼくたちもむかしはたまごの中にいたんだ。でも、今は小さい足でお水の中をピョンピョンおよげるよ!」
と、いうように、まわりをよく見ると、たくさんのミジンコさんおよいでいます。
「ふ~ん。およぐって、なんだろう?」
そして、ミジンコさんのほかにも生き物がいます。
しょくぶつせいプランクトンのボルボックスさんたちです。
ボルボックスさんは、みどりひろのまるいかたち。
そして、お水の中でフワフワういています。
「うん?。きみたち、だぁれ?」
と、ミジンコさんたちとおなじように、ボルボックスさんたちがきいてきます。
「うん?・・、ぼくたちはだれだろう。分からないよ」
と、ボルボックスさんにきかれても、たまごたちは分かりません。
「ボルボックスさんはどうしてフワフワしてるの?」
と、たまごたちはききます。
だって、たまごたちはたまごの中からでれないのですから。
「ぼくたちは、およげないからお水にういているのさ」
ミジンコさんとボルボックスさんはとても小さな生き物。
いろいろなことを知ったたまごたち。
もうすぐ、たまごから出てきて、ひろいお水の中をおよげるようになるのかも知れません。