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見せてきたのはそっちでしょっ!!

僕のベッドには全裸のシズールが忍び込んできていた。

「な、ななななな、なにしてんのー---っ!?」

僕がシズールを叱りつけるとシズールは「年頃の男女。子供作る当たり前。ジュリアン殿下でんか、何がおかしい?」と、不思議そうにたずねてきたのだった。

鬼族は男は筋骨隆々きんこつりゅうりゅう。女も筋肉質だが、それ以上に女性としての肉体が完成されている。

わかりやすく言うと、オッパイが大きくて、お尻が大きい。ムチムチボディってことね。

シズールは僕より1歳ほど年上だけれども、その熟れた肉体美はもう色気の権化ごんげのように完璧だった。

まるでスライムのようにポヨポヨのおっぱいが、身じろぎするたびに大きくれる。

僕は、もう生きた心地がしない。

だって、こんなところをクリスティーナに見つかったら、殺されちゃうもん。


しかし、シズールは僕が何もしないことに不思議そうに首をかしげると、体制を変えて僕の腰の上にまたがって言うのだった。

「シズール、安産型。いい子一杯産む。

 だからジュリアン殿下でんか

 沢山、私の中に子種、一杯出す。わかる?」

というのだった。

ちょっと、まって。

そんな股を開いた姿勢だったら、見えちゃうからっ!!

女の子の全部見えちゃうからっ!

僕は必死で性欲を道徳心で抑え込んで、目を背ける。

すると、そこへ勢いよくバンッと音を立ててドアを開ける疾風のローガンが入ってきた。


「ヤヤッ、殿下。コレハ困リマシタナッ!!

 年頃ノ娘ト同衾どうきんサレルトハッ!!

 イヤー、困リマシタナッ!!責任トッテ 孫ト結婚シテイタダキマセント 困リマスルゾッ!!」


な、なんちゅう白々(しらじら)しい芝居だ。

全て、この老エルフの企みか・・・・・年頃の娘になんてことをさせるんだ。

「疾風のローガン・・・・・三文芝居の下手くそな演技で勇者アルファのパーティでも散々、トラブルを起こしたって言う伝説は、本当だったんだな。てっきり英雄譚えいゆうたんを面白おかしくするための脚色だと信じていたのに・・・・・。

 でも、いくら何でも女の子にこんなことをさせるなんて・・・・・・・」


「・・・・・・・ふざけるなっ!!」

僕が怒鳴どなりつけるとシズールは、怯えて部屋の外へ出て行ってしまった。

残った疾風のローガンは、白々しい口笛を吹いて誤魔化そうとしている。誤魔化せるわけないだろっ!

「ローガン殿・・・・。」

僕がジト目でにらみつけると、流石の疾風のローガンも観念かんねんして本心を語る。

「いや、これは失敬しっけい

 ただ、孫の将来を思うと、不安で・・・・・。」

「・・・不安?」

僕が尋ね返すと、疾風のローガンは、まじめな顔で答えた。

「ジュリアン殿下。殿下はおっしゃいましたな。弱きものがいじめられることが無いように、その者たちが逃げ出せる場所を作りたいと・・・。

 しかしですな。あのは、どうですかな?

 確かに殿下ならば、あの娘が逃げ出せる場所を作り出すことなど、容易でしょう。

 ただ、問題は・・・・・・あの娘は逃げ込んだが最後、もう、出ることはかなわぬ身だという事ですよ。」

その言葉は衝撃しょうげきだった。

僕は、己の浅慮せんりょを呪った。

「確かに・・・・・。

 シズールはあの姿形だ。どこへ行っても鬼族として奇異きいされ、恐怖の対象としてうとまれて・・・・・。

 僕が作る箱庭はこにわに逃げ込んだら最後、二度と出ることは出来ないかもしれない・・・・。」

「おわかりいただけますな?

 そうなれば、この子は男と恋をして結婚することも出来ません。

 殿下、どうかシズールにお慈悲じひを・・・・・・。」

そう、匿うまではいい・・・・。

でも、それだけじゃダメなんだ。僕には、いじめられっ子が社会復帰できる、できやすいようにもしてあげないといけないのだ。

かつて・・・・・僕が前世にいた日本という国にも、いじめの体験から外界との接触コンタクトの一切を断ち切り、実家に引きこもってしまう「ひきこもり」と呼ばれる状況に追い込まれてしまった人たちがいた。

彼らだって、本当は皆と一緒に笑い、みんなと同じように恋をして、皆と一緒に行動してプロジェクトを達成する喜びを知りたいはずだ。勿論、例外もあるだろうが、大多数の人は、社会復帰を望んでいるはずだ。

・・・・・だって、人は一人では生きていけないのだから。

僕は、まだまだ自分の計画に穴があることを悟る。

そう、逃げ出せる場所を作ることは、絶対に大切だ。

いじめられた子が傷つく時間は、短ければ短い方がいい。すぐに保護して、心の傷を癒して上げれる場所。それを作ることが僕の目的だが、それは最終目標地点にえるのは、間違っている。

何故なら、この国の第一王子である僕には、それらを作り出す権限と知識があるからだ・・!!。


「ありがとう、ローガン。僕は、重大なことを見落としていたよ。」

素直にそう言って頭を下げるとローガンは嬉しそうに「では、私の孫と結婚してくださいますな?」という。

だめ。

絶対ダメ。僕にはクリスティーナがいるんだから。

可愛いクリス。僕はどんなに魅力的な女の子に誘惑されても、君との純潔じゅんけつを守るからね。

「疾風のローガン。申し訳ないが。僕には心に決めた女性がいる。それに同情で女の子と結婚は出来ない。そんな失礼なことを僕にはできないのだよ。」

僕はきっぱりと断った。

そんな僕を見て疾風のローガンは、「いやはや・・・」とあきれ顔だった。

「ジュリアン殿下。殿下は王族ではありませんか。側室そくしつ愛妾あいしょうを何人でもお抱えすることは、むしろ王の権威を見せるためにも必要な事ですぞ?

 純愛は、英雄には不要なもの。そのことをよくよくご理解くださいませ。」

この世界の習わしでは、そのとおりだ。

王が側室や愛妾を持たぬ話など聞いたことがない。父上だってマリア・ガーンを愛妾にしているし・・・・・(というか、あれは力づくで、手込めにしてしまった感じだが・・・・)。

「でもね。疾風のローガン。王室の権威は、その偉業によって示すものだと心得る。

 僕は、しきたりや習わしではなく、治世ちせいをもって、それを天下に知らしめる。」

真っすぐな瞳でそう答えられると、ローガンは、渋々しぶしぶ納得するものの

「では、あの娘を殿下の端女はしためのお一人にお加えくだされ。

 私がこの世を去った後も、あの子が安心して暮らせる世が来るまで面倒を見てくださりませんか?

 ・・・・・裸も見せてしまいましたし・・・・・。お嫁にいけない体にされてしまいましたからな。」

ひ、人聞きの悪いこと言うなよっ!!

そっちが全裸で僕のベッドにもぐりこんできたんだろうがっ!!

そう、突っ込みたかったものの、僕はシズールを端女としてそばにいることを許可した。

それは、シズールのような鬼族とのハーフの娘が、世間の人に何の差別もなく暮らしていけるには、まだまだ時間がかかることを僕は重々承知しているからだった。

話し合いが済むと、ローガンはシズールを部屋に呼び戻した。「殿下はもう怒ってないから。」と言い含めて。

そして、怯えて泣きじゃくるシズールを見て僕は言う。



「だから、服を着せろっ!!」

シズールは、未だ全裸だった・・・・。



疾風のローガンの家に厄介になって5日目の事、ローガンが城に使いを出してくれたおかげで、城から迎えが来た。

そこには当然、クリスとミレーヌもいた。

「ジュリアン様っ!!」

クリスは、泣きながら僕に抱き着いてきた。

可愛い僕のクリスティーナの小さな体を抱きしめると、僕の胸がキュンと鳴るのを感じる。

とても幸せな胸の締め付けに僕は、クリスティーナへの愛を再確認する。

泣きじゃくる顔を指で拭いて涙をぬぐうと、その小さくてプルプルした可愛らしい唇にキスをする。

「心配かけてごめんね・・・・クリス。」

僕がそう囁くと、クリスは再び泣きじゃくり始めた。

その様子を見たシズールが「おお。貧相な体の娘だ。殿下、やはり私に子種を注ぐべき。私の方がたくさん子供産む。とても気持ちいいぞ。」といった。疾風のローガンもシズールに「いけるぞ、このまま端女として側にいれば、殿下はお前の誘惑にあらがえなくなって、子種を授けてくれるはずだ。このままいけば大丈夫だ」と耳打ちする。おいっ!! 聞こえてるからねっ!


クリスとミレーヌは、年頃の娘が決して口に出してはいけないような破廉恥はれんちな言葉を聞いて固まる。

「お前。そこ代われ。私の方がオッパイ大きい。私の方が殿下、気持ちいい。」

シズールはなおもいう。顔を見ると、かなりむくれているので・・・・どうやら。クリスに嫉妬しているらしい。

だが、不満があるのはシズールだけではない。かねてより「2番目でいい」と宣言しているミレーヌがシズールの前に立ちはだかる。

それは、もう顔と顔がくっつくほど。そうすると、どうなる?

ああ。2次元でよく見てたアレが起きているわけですよ。巨乳娘が向かい立つと起こるあの現象が。

部屋中にいる男子の目が釘付けになったのを、敏感に悟るクリスは「エッチ・・・・嫌いっ!!」といってボクから離れていく。


誤解だっ!!

いや、見てたけど・・・・・

君も前世で男だったんだから、わかるだろう?

本能で見ちゃうんだから、しょうがないじゃないっ!!

でも、僕は、君のプニ乳も大好きなんだよっ・・・・・・・!!!声に出せない弁明の言葉を僕は、心の中で絶叫するのみだった。


そんな僕とクリスのやり取りを神妙しんみょうな顔で疾風のローガンが見つめていた。

「どうした? ローガン。彼女が気になるのかい?」

僕が尋ねると疾風のローガンは、眉間みけんにしわを寄せて答えるのだった。




「これは面妖な・・・・こんな小さな少女の体に・・・・・・2つの魂が混在しておる・・・。」

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