1話〜あの日をもう一度〜
さてと、自宅近くの何時もの公園へと足を運びソフトを入れる…
前書きが流れしばしその内容に浸る。
時は前大戦から5年後…
「はやっ」と思いながら粗筋を読んでいく。
平穏に思えた日常に変化が訪れる…勇者だった主人公への糾弾、
「何故に?」
(それは現世界にもある人間模様でもあるのだが…)王家、王族らは平穏の世の中に勇者を必要とせず、あろう事か民衆の英雄となった勇者達を妬ましく思い、王家の威信と自己保身の為勇者達を落としめる画策をしたのだ。
サラ、ブランドにはあらぬ濡れ衣を被せ投獄し勇者にはその妻を魔女の類いによりみせしめの火あぶりとし、魔女を匿った罪として勇者へは見つけ次第生死を問わず王宮へ連れて来るようお触れが出された…
………
……ぶっ飛び過ぎてない?無茶苦茶だよ〜どんだけ話こじつけ合わせてんの?
ひょっとして…(クソゲーパターン?)
まぁ、そんなこんなでゲームは始まる、勇者の逃亡から…トホホである…
勇者の目的は王家への復讐?だったらお城に単身乗り込んで行っても大丈夫だろ、何せ勇者と言う位反則的な強さを持っているんだろ?あ〜この展開は王族が魔物から体を乗っ取られて…とか話の筋を想像しながら、レベルを上げて行く。
お城や周辺の町には近づけないみたいなので遠方の町を回りながら情報収集とレベル上げ、武器を買い替えて行く。
とある町で王宮に一月前に異変が起きていた事を聞く(ほらほら予想通りの展開に入ってきたな)
旅の商人が王様へ珍しい献上品を持ち込み謁見したはずだが、城から戻って来てない事を同じ商人仲間から聞いた。
その後、税率の引き上げや魔女狩りにより若い村娘が王宮へ連れて行かれる等の悪政が続いている事。最終目的は体を乗っとられた国王を倒す…で終わりか、ん…仲間は?
(どうもクソゲーっぽい)とりあえず僕は3日という無駄に思える期間をかけ単身城へと乗り込む。
途中中間ボスキャラなど数体出てきたが、何時もレベルをとことん上げるタイプなので難無く粉砕していく。
そして最後の扉の前でセーブし扉を開けた…
ん…?何とそこには投獄されていたはずのサラとブランドが、その下には国王が息もなく横たわっている。(遅かったわね。)
(終わったぜ…)
勇者はア然として二人の話を聞く事にした。
二人は投獄されていたが牢番の隙をつき脱獄し国王が魔物に乗っとられた事を知ると勇者を探しながら此処まで辿りついた、しかし勇者より早くついてしまい、現在にいたる。
町は平和を取り戻し、勇者達はまた英雄として語り継がれる…
エンドテロップが流れる…
は(怒)?何?終わり?うそだろ…
最後までみたがto.be.■■■■で画面は静止する。
僕は思わずゲーム機ごと地面に叩きつけたくなる衝動にかられた…
無駄な時間を費やした事に気付き公園を後にする。
(ただいま〜)
(お帰り、ちょうどご飯だから食べなさい。)
母さんはこっちを見る事なくテーブルに料理を運んでいた…
食事を終え二階の部屋につくと、ベットへと向かった。何時もはベットの上でゲームを取り出すのだが、先ほど公園でクリアーしてしまいする気にもならずにうとうとしてしまっていた…“…もうすぐだ……”
“再び時は来た…汝を必要とする…”
“…扉を開けるのだ……”
「ガバッ…」
僕はベットから跳び起きた、夢の中の声あれは夢であって夢でない、そう異世界からの呼ぶ意思…
扉…それを開ければまたあのドキドキする冒険が味わえるのだ、誰も知らない僕だけの秘密。
高揚する気持ちを押さえしばし思考を巡らせる。
to.be.■■■■
多分此処に何か隠されている…直感で感じるのだが目を細めても見えないし…
ゲームを取り出しラストをみるが■■■■の所はわからない…
どうすれば良いのか、ヒントがない分色々考えを巡らせる………
やがて一つの可能性を見つけ試してみる…
それは視点のズレを利用した見えない物に焦点を合わせる事で隠れた物が見える絵。
しかしやった事のない僕はコツがわからず中々思うようにいかない。
ゲーム機を離したり近付けたり何度も繰り返す。
どれくらいやったであろう、焦点をゲーム機の後ろ10センチぐらいに合わせるとぼんやり文字が浮かんで来た…
「王に世界樹を…」
……謎が解けた!
僕はゲームをスタートさせ最後の扉を開けるとサラとブランドの話も聞かず王へ世界樹の雫を振り掛けた………………
世界が反転する…少し嫌な感覚だが前に味わった事のある、違う世界へ向かって行くあの感覚だ…………