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人間ならざる者  作者: takasy
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生まれ

ヒトならざるものです。

僕の名前はラフィール・ウィルシェイダ。今は多分13歳くらいだと思う。

僕はごくごく一般的な家庭に生まれた

唯一、違うことと言えば父親がいないことと、外に出してもらえないこと。

薄暗い自分の部屋で本を読んだり窓から外を見ることしかできなかった。

外を見るといっても綺麗な透明ではなく、濁っていて視認性はよくなかった。



とある本を読んでいるときに鏡というものを知った。

僕は生まれてこの方自分の顔を見たことがない。

どんな感じなのか顔を触ってみても想像がつかなかった。

欲しいと母親にせがんでもうちは貧乏だからと言われる。

何度もおねだりをしても同じ回答なので、鏡というものはうちでは買えないくらい高いものなのかと思うようになっていた。


はたから見ればおかしな環境なのは明白だが、当時の僕は知る余地もない。

しかし、そんな生活も終わりを告げた。




とある日の夜。

生活リズムが崩壊していた僕は寝付くことができず本を読んでいた。

にぎやかな朝とは打って変わって静かな中で読書をするのが好きだった。

紙をめくる音しか入ってこないからだろうか。

そんなことを考えながらページをめくる。

すると紙以外にも下から木がこすれる音がした。


(この音はドアだろうか)


母親がこんな夜遅くに出ていくなんて珍しいと思いながらも読書を再開

しかし、次はガタン、ゴト

と暴れているような音がした。

恐る恐る階段を下ると鉄のにおいが漂っている。

何か重いものを落としてしまって流血してるのでは?

と思い、母親の部屋へ近づく

そして母親がベットから落ち、横たわり流血しているのが見えた。

予想外だったのは体に剣が刺さっていることと人が母親と僕以外にもいるということだった。

これは、本で読んだ泥棒に違いないと思い外へ出て助けを呼ぼうと思った。

しかし、外へ出ると中にいるような人と同じような格好をした人たちに囲まれていた。

初めて外へ出た

親以外に初めて見る人間。

本では様々な顔や性格、体型の人が書かれていたが今の状況とは全く違う

色々なことが一気にきて頭が混乱し始めた。

混乱している中、一つだけ理解することができた。


僕の母親は死んだ



数秒後、片目から水が出てきた。

僕の記憶上泣いたことが一度もなかったがこれが涙や悲しみだと直感で分かるとその場で大声で泣き始めた。

心なしか人間が構えたような気がするがぼやけて見えない。

三人ほど僕のことを捕縛しようと近寄ってきた

腕をつかんできたが自暴自棄になっている僕は暴れた

三人が吹き飛ぶ。

予想外すぎて一瞬冷静になった。

そこで思う


ここにいる人間は僕の敵だ



しかし、今戦っても負けるだけだと本の知識が教えてくれた。

号泣しながら人間を押しのけ、街の中を無我夢中に走った。


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