1話 (ノーマル)
木枯らしの吹き付ける季節。地面をくるくると漂う枯葉たち。
「うー、さっむ。」
手をこすりながら俺はいつもの通学路を歩いていく。
こんなに寒いなら手袋付けてくればよかった……。
俺の名前は野上大地。ごく普通の男子高校生だ。
学校へと続くこの道は俺と同じように登校中の高校生で溢れかえっており中にはあの忌まわしきリア充とやらも見受けられた。
なんなんだあの生物は?公衆の面前でああもイチャコライチャコラしやがって。
イライラメーターがマックス到達寸前な俺は信号も確認せず横断歩道を渡った。
そう、赤信号であったことにも気が付かず だ。
俺はその日トラックに轢かれて死んだ。
気が付くと俺は真っ暗な空間にいた。
「なんだここ?死んだら普通閻魔様に裁かれるんじゃねーの?」
「ふぉっふぉっふぉ。」
「誰だ?閻魔様か?」
「わしか?わしは神じゃよ。」
「いや、自分で神とか言っちゃうのイッタいわー。俺の中二の時レベルにイタい。」
「若くして死んだお前に慈悲をくれてやろうと思ってな。異世界に転生させてやろう。」
「俺の話は無視でいくスタンスなのな?」
「今から行ってもらうのはドラゴンと魔法のはびこる世界じゃ。
おぬしの場合途中参戦みたいなもんだから、多少の要望は受け入れてやろう。
能力などの希望はあるかね?」
「ねーよ。ってか急に言われてもパッと思いつくもんでもないだろ。
強いて言うとすれば平均ちょい上くらいで頼むわ。
あと、言葉の読み書きはできるようにしといてくれよ。じゃないと困る。」
なんかのラノベで読み書きできなくて困ってたパターン見たことあるしな。
「それでいいのかね?」
「まぁ、最低限衣食住に困らなければ問題ないだろ。世界最強俺つえーみたいなやつはごめんだね。」
「じゃあ、異世界ライフ楽しんでくるんだぞー!」