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第295話 無限コボルト地獄・大ゴーレム部屋・幽霊部屋

向かってくる犬頭(コボルト)の剣士を一刀のもとに切り捨てて、その背後から飛び掛かってきた格闘家を霞斬りで切り捨てる。

同時に放たれた矢と魔術を影渡り(シャドウ・トリップ)で回避し、魔術師の首を撥ねると、アーチャーを魔弾(マナ・バレット)で撃破。

目標を見失って一瞬動きを止めた槍兵に切りかかると、リポップした剣士が向かってくるのが見えた。


『ここ、良いですね!』


部屋の中を拘束で移動する魔物の本体ガン無視して、ひたすらに湧き出て来るコボルト太刀を切り捨てる。

ここは6階層のボス部屋の一つ、無限コボルト地獄である。


部屋の広さは学校の教室ほど。天井の高さは3メートル程で、基本的には狭い。

その中にコボルトの剣士、槍兵、格闘家、弓兵、魔術師、斧戦士、指揮官の7体と、ボスである光球が浮いている。コボルト達はいくら倒しても光球を破壊しないと壁から無限に湧き出て来る。

中を漂う光球は常時縮地と緊急回避で動き続けており、さらに魔術を無効化するごく小さな結界を展開している。攻撃事態はしてこないので、コボルトを処理してタイミング良く光球を破壊すればリポップが止まる。


コボルトのリポップ時間は完全に消えてから3秒ほど。無力化してから5秒もすると復活してくる。

それだけ復活スパンが早いという事は、ひたすらに戦い続けることが出来るわけで、なかなかに良いアスレチックだ。


『鍛錬と数稼ぎにあつらえたような部屋であるな』


『ワタル~、次あたしなっ!』


『普通はそんな戦い方しないと思うんだけど……』


コボルトの強さは150Gほどで、はっきり言って一体一体は敵ではない。

使ってくるスキルもどれも1次職の物で威力も低い。しかしリポップ速度はが早く、しかもおそらく無限に湧いてくることを考えると、これをさばきながらボスの光球と追いかけっこをするのは面倒というしかない。


ちなみにこの光球、火旋風(ワール・ファイア)のような初級魔術は防ぐが、ストーム系などの中級魔術は普通に通る。部屋の外から死霊術師が獲得する影の暴風(シャドウ・ストーム)で一発で倒すことが出来る。

ただ、一、二分で復活してくるので倒した状況を維持しようとすると毎分打つことになる。MPがキツイ。さらにドロップ回収が異常に早く、光球から落ちたドロップ品が地面についた瞬間ダンジョンに食われた。これがこの部屋の特性らしい。


100体ほどコボルトを切り倒して交代。アーニャ、コゴロウ、タリアも結構な勢いで危なげなくコボルトを狩れる。特に近接戦の経験が少ないタリアは、立ち回りで良い訓練に成りそう。


バカでかい部屋の中に1体、陸竜よりデカいゴーレムが居た。通称は大ゴーレム部屋。

高いステータスで力押しをしてくるタイプで、移動系のスキルは高速移動。陸竜と同じく、突進での攻撃を得意としているようだ。

遠距離攻撃は自分の腕を発射するロケットパンチ。撃つと回収するまで肘から先が無くなる。


『ドラゴンより硬いけど、ザコ召喚が無い分一体に集中して戦えるのは良さ下ですねっ!』


『しかし火力が無いと破壊できないのである!』


俺とコゴロウが二人でザクザク切り刻んでいくが、なかなか倒れる様子は無く、しかも傷は自己治癒しているようだ。瞬発火力が無いと倒せないタイプらしい。


魔投槍(マナ・ジャベリン)!』


魔術無効化は出来ないようで、ジャベリン1発でもそれなりのダメージが入る。

ストーム系では倒れないけど、多重詠唱(マルチキャスト)でジャベリンやランスを打ち込めば倒し切れるかも知れない。


「炎に焼かれてはじけなさい!爆破(ボム)!」


タリアは念動力を炎へ変換、からの精霊魔術で吹き飛ばす。ただ、これは力が拡散してしまっていて思いのほか威力が出ていない。槍の水投槍(アクア・ジャベリン)爆破(ボム)を繰り返せば熱膨張、収縮の繰り返しでダメージになる……か?魔物だから分からんん。


「ヨッと!高速移動は動き出しが遅いな!」


アーニャが剣を突き刺すと、そこから先が爆発して吹き飛ぶ。

魔操法技(クラフト)によって内部から吹き飛ばしたようだ。使っているのは魔槍かな?

INTがそう高いわけじゃないけど、威力は十分。その戦いかたで一人で倒し切れそうな気配がある。


……それにしてもアーニャの動きが良いな。加速の仕方に違和感がある。

物理限界を突破するスキルはまだ覚えるレベルじゃなかったと思うが……呪術の方でおぎなっているのかな?

明らかに俺より動きが早くて無駄がない。後で確認してみよう。


『とりあえず倒し切りましょう』


防御力無視の上級魔術、死の衝撃(デス・ショット)を使ってHPを削り切る。

スキルを使えば2次職のパーティーで倒し切れる。けれど硬くて短時間で何度も戦うには向かない感じ。相手の攻撃も当たると相当痛いはずなので、集中力が切れたら怪我じゃ済まないだろ。


ちなみにここもドロップは回収し損ねた。

リポップは10分ほど。休憩時間はあるが、MPは回復させてくれない感じだ。


「骨と皮になって朽ち果てるが良い!」


3部屋目。体育館くらいの広さの部屋に、多数の浮遊霊(レイス)とそれを従える悪霊王(ワイトキング)が居た。とりあえず幽霊部屋と呼ぶことにする。

悪霊王(ワイトキング)はどうやら言葉を放せる程度に頭があるらしい。


レイスは物理攻撃が一切無効。

相手からの物理攻撃は無いが、触れたり通り抜けたりされるとHPが減少する。肉体的なダメージは無いが、HPが0になるとステータス等の恩恵が無くなくなるのでなかなか危険で厄介な相手。

魔術も聞くが、効果が薄い者が多い。まともにダメージを与えられるのは神聖魔術か対魔魔術くらいだろう。久々に聖衝弾(ホーリー・バレット)なんか使った。


悪霊王(ワイトキング)は2次職相当の魔術師件召喚術師。

影矢(シャドウ・アロー)(ウォール)暗黒爆撃(ダーク・ブラスト)影投槍(シャドウ・ジャベリン)影の旋風(ワール・ダークネス)影の刺突(シャドウ・スパイク)影束縛(シャドウ・バインド)と、なかなかに多彩な魔術を使ってくる。

高速移動スキルは影渡り(シャドウ・トリップ)

レイスの数が減ると影渡り(シャドウ・トリップ)で逃げながら召喚してくるが……これは一匹づつなので殲滅速度で勝てるだろう。


何よりこいつは俺の霞斬りと相性が良い。


「はっはっはっ!手ごたえが無いなぁ!」


「バカナっ!」


突っ込んでくるレイス供が、霞斬りで撫でられるだけで消えていく。

遠距離攻撃の魔術も霞斬り一本で迎撃可能。影渡り(シャドウ・トリップ)で逃げ回られるとうっとおしいが、そこは照明弾(フレア)で影を潰してしまえば対処できる。


「天明流・唐竹割!」


HPと防御力の低い魔術師タイプ。頭から真っ二つにしたらあっさりと倒せた。

俺は今部屋が一番楽に経験値が稼げるかもしれん。これは霞斬りが強すぎるな。ご愁傷様。


そんな事を思っていたら、またドロップを回収し損ねた。

どうやらこいつの核はこいつ本体じゃなく、浮遊しているレイスの内1体がそうらしい。

悪霊王(ワイトキング)を倒したところで、部屋内のレイスが一斉に消え、落ちたドロップをダンジョンが即座意に回収した。


……明らかに俺たち対策で、コストを抑えて攻略をあきらめさせる方針だ。

4階層の攻略を始めた後に、この階層を作り変えてる気がする。

……まぁ、経験値が結構入るからそれはそれでいい。今の悪霊王(ワイトキング)で49レベルに上がり、中級魔術の無詠唱が可能になった。もう影渡り(シャドウ・トリップ)を叫ばなくて済む。

リポップは7~8分らしい。多数のレイスと悪霊王(ワイトキング)が一緒に沸いた。悪霊王(ワイトキング)だけなら楽だったのだが、そうは問屋が卸さないらしい。


さて、未攻略なのは後2部屋。

亡者の希望者に先行してもらって様子見、からの4人で攻略で進めてるけど、このまま行けるかな。

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