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かぐや(3)
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雲が立ち込め、朝から夜のように暗く、氷のように冷たいこの日も、おじいさんは竹取りに向かいました。
おばあさんが死んでもおじいさんは生活習慣を変えようとしませんでした。
うまくいったかって?もちろん、うまくなんて行っていません。
無愛想なおじいさんは街道ではもちろん近くの村人とさえろくに取引きできず、物々交換はたいていボりすぎるか安すぎるかのどちらかなもんですから、村人も竹の食器を大切に使うようにして、なるべくおじいさんの所に行かないようになっていました。食器を大切に使うことはよいことですが、おじいさんからしてみれば商売あがったり。
さてさて、竹取りのおじいさんに話を戻しましょう。その日も竹林のへりで適当に細めの青竹を切っていたおじいさん。その時山の向こうから、
ドンっっっ
という音と、雷とは違う色の光。
おじいさんが道具を置き、光の方にに駆け出していった理由は「なんとなく」と言う他ないでしょう。




