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Kiss*チュードク  作者: MIA
Kiss*チュードク
32/38

キス*チュードク2 5-1


いつも通り来た生徒会室には

葵先輩 ただ一人いた。

…これは気まずいぞ。

なにか言われるんじゃないかと

身構えながらも

いつもなら座らない

葵先輩の座っているソファと

向かいあうソファに座った。

普通なら葵先輩の隣に座って

いるんだが…

こんな誰もいないところで

ましてや、あんなところを見られたんだから普通にいられない。

「 咲夜ちゃん 」

「 …! 」

名前を呼ばれただけで

体がびくついてしまう。

葵先輩があたしをじっと見ている。

あのときみたいに。

「単刀直入に聞くけど

アイツ だれ? 」

鋭い視線があたしを捉える。

いつもの葵先輩ではない。

いつもならこんな険しい顔なんて

しない。

それに先生のことを

アイツって……。

相当やばそう。

テーブルを挟んだ向かいのソファに

座っているけど

この威圧感は感じる。

「 だから、幼なじみ、だよ? 」

息が詰まるような感覚。

絞り出した声は

静かにこの生徒会室に響いて消える。

「 それ、聞いたんだけど

全然そんな風に見えなかった。

て、ことでやり直し 」

「 …… 」

こ、こわい…!

こわいです!

カイ…助けて……

なんて言っても

ここに来ないことぐらいわかってる。

「 …… 」

幼なじみ意外になんて言えばいいの

だろうか。

他に言うことなんて

ほんとにない。

「 幼なじみ……しかないです 」

葵先輩の強い視線が怖くて

下を向いて

ぎゅっと手に拳をつくった。

すると聞こえてくるのは

「 頭ポンポンされて

ほんとに 幼なじみな関係しかないの?」

少し優しくなった声。

ほんとうにほんの少しだ。

それより、見られてたんだ。

あのときも強い視線を感じていたんだ

けど。

見られてたとは…。

「 ねえ、どうなの? 」

なかなか答えないから

疑惑を持たせちゃったかな…。

「 ほんとになんでもないです。

あるわけないです 」

はっきりと言ったよ。

これで疑われなくすむ。

「 そう…まあ、良かった。

もしそうじゃなかったら

言いふらすところだった 」

あたしをうかがうように見ているのは

わかる。

これがわかってしまう。

だからその言葉に「はは…」と笑う

しかなかった。

変な反応を示したら逆にやばいから。

「 …? 」

手招きをされて

なにをすればいいのかと考え

「 早くこっち来て 」

と言われ、何事かと思いながら

素直に行ってみると

「 ここ、座って 」

ソファをポンポンッとされる。


ほんとうは座るところだったところ。

いつもあたしが座っているところ。

葵先輩の隣。

いまの葵先輩からは

大丈夫だという空気が漂っている。

だから安心して葵先輩のとなりに

座った。

「 … 」

「 … 」

いま、あたしは葵先輩に

頭をポンポンされている。

葵先輩を見ると

優しい目をしていた。

「 葵先輩。 どうしたんですか? 」

あたしより背の高い葵先輩を

下から見上げて見る。

「 頭ポンポンしたいから 」

「はあ…そうですか 」

そんなにしたかったなら

言ってくれれば…というか

なにも言わずにすれば良かったのに。

「 てのは、

咲夜ちゃんに触りたい口実 」

ニコッと綺麗に笑った。

そのセリフと表情にドキッときたのは

気のせいだろうか。

笑いながら

そのセリフはずるい。

「けどさ… 」

いきなり話が変わった。

なんの話かなあ、と思いながら

ぼけーっと聞く。

「もし、なにか俺に逆らったりしたら

みんなに言うから 」

急すぎで、なんの話かわからないぞ。

でもいい話じゃないことだけは

わかる。

「 なにを、ですか? 」

ニコッとしていた表情が消え、葵先輩の

顔は真剣そうになった。

「 咲夜ちゃんが

男の家に入ったこと 」

「 ……………へ? 」

いまなんて…。

「 あれ…?

もしかして当たっちゃった? 」

あたしよりも驚いているんじゃないかと

思うぐらいの表情をされた。

もう意味がわからない。

葵先輩。

意味がわからない。

聞きたいのはこっちのほうだから。

『 当たっちゃった? 』

って…もしかして…

「 カマかけてみたんだけど

…まさかの当たりとか言わないよね? 」

慎重に聞かれる。

けど

それ、当たりだ。

当たりだけどハズレというか

葵先輩の考えていることとは違う。


「 あたりのような…

ハズレのような? 」

「 …… 」

葵先輩が黙ってしまった。

やっぱりなにか勘違いしている。

「 や、あの、葵先輩が考えているようなことじゃなくて… 」

なんて言えばいい?

なんて言えばいいの?

あ…そうだ

「 ほら英語、再テストあるって

言ったじゃないですか。

それでカテ…、カテキョーしてもらった

んですよ 」

やばい、噛んだ。

これじゃあ動揺しまくってるって

わかっちゃうじゃん。

もしかして信用ゼロだったり…。

「 ふ~ん 」

納得してくれた?

「 まあ、それが本当だとしても

咲夜ちゃんの弱み

もらっちゃった 」

その言葉と

そのなにかたくんでいるような表情に

冷や汗をかきそうだ。

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