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Kiss*チュードク  作者: MIA
Kiss*チュードク
3/38

2-1

 学校生活の中で、一番好きな時間がきた。

 それは放課後の生徒会の時間だ。

 ただ今、生徒会室にルンルン気分で向かっている途中。

 この楽しみな時間のために、学校に来ていると言っても良いかもしれない。


 さっきの、幼なじみと言う人たちに一緒に帰ろうって誘われたけど

『生徒会の仕事があるから』

 と、断った。

 まあ、そんなことはさておき…

 もう、生徒会室が見える。

 今は誰かいるかな。


 生徒会室の前まで来ると、ドアに手をかけて開ける。

 ドアを開け、顔だけ入れて覗くと一人だけいた。

 眼鏡をかけている優等生な男子。

 綺羅 愁-きら しゅう-先輩が。

 いつも通り、机に向かってパソコンをいじっている。

 ソファという柔らかいイスがあるのに、わざわざ硬い木のイスに座っているし。


 生徒会室の中に入ってドアを静かに閉めると、シュウ先輩のもとへと足音たてづに近づく。


「シュウ先輩っ」


 そう呼ぶと、パソコンに向けていた視線があたしに移る。


「 早いな 」


 この、メガネのふちを直しながらに言う姿。

  好きなんだよね。


「どうしたんですか?シュウ先輩」


 パソコンを閉じて、急に立ち上がったシュウ先輩にたずねる。

 

「帰る」

「えっ、もう帰るんですか!?」


 せっかくあたしが来たのに、もう帰ると言い出したシュウ先輩。

 あたしが来たから…じゃないよね…?


「 …どうして帰るんですか?」


 恐る恐る、シュウ先輩を見上げて聞いてみた。


「やらなければいけない事が終わったからだ」

「な…なるほど」


 当然だというような顔をしている。


 しかし、このまま帰したくない。

 せっかくの二人きりだし。


「でも、まだみんな来てませんよ?」


 じゃあ、と帰ろうとしたところを止めてなんとか止める理由を探した。

 なんとしてでも止めることにした。


「 そうしたら言っといて 」


「あたしがですか?」


 ああ、と頷いた。

 これじゃあ意味ない。

 他になんかないかなと探すが、なにも見当たらない。

 止める方法が、全く見つからない。


 考えているうちに、シュウ先輩が生徒会室の出口を向かって歩き出す。


「シュウ先輩、キスしてくださいよ」


 後ろから ぎゅっと抱きしめた。


「 嫌だ 」

「え~、なんでですか~?まえに一回してくれたじゃないですかー」


 そう、まえに一回だけしてくれた。


 語尾をのばしまくって、笑顔で痛い視線を受け止める。


「そのぶりっ子キャラ、やめてくれないか」

「やめてあげたらキスしてくれるんですか~?」


 まさか、そこを指摘されるとは思わなかったけどおもしろい。

 シュウ先輩、ぶりっ子が苦手なのかな?

 それならなおさらこれでいこっと。


「朝比奈、いいかげんにしろ」


 朝比奈-あさひな-

 あたしの名字。

 シュウ先輩は、なかなか名前で呼んでくないんだよね。咲夜って。

 一回ぐらいは呼んでほしいな。キスしてくれたんだし。


 名字で呼ばれることはあまりないんだよね。

 逆にレアと言ったらレアかもしれないけど、やっぱり名前で呼ばれたほうがいい。

 だけど、今はそこにはつっかからない。


「だって今日、まだ3回しかしてないんですよ 」


 あの幼なじみとかいう人たちのせいであたしの機嫌が悪くて、キス相手をイラつかせてしまってできなかった。


「 充分だと思うけど 」

「充分じゃないです。だってあと最低7回はしたいです 」


 涼しそうに答えるシュウ先輩に対して自分の心情を言った。

 するとシュウ先輩は斜め横を向いて黙ってしまった。


「 …? 」

 

 後ろから抱きしめていたのに、するっとシュウ先輩の身体が正面を向いた。

 不思議に思う隙もないまま手が頬をわたり、あごに手をそえられる。

 なにかと思い 顔をあげようとするとシュウ先輩の顔が目の前にあった。

 

 唇が重なってる…


 目を瞑っているシュウ先輩をぼけっと見ていて、こんなにも綺麗だったんだと今更に思う。


 肌もきめ細かいし。

 透き通るような肌って、言うのかな。

 黒い髪の毛が一層目立たせて…


 ーチュッ


 もう…離れちゃうんだ…


 リップ音とともにシュウ先輩の顔が離れていく。


 まだ、頭がボケーッとしているなかにシュウ先輩を見上げているとクスッと笑われる。


「な…なんですか?」

「物欲しそうな顔してる」


 少しニヤッとしながら じっと見られていると、なんか負けた感じ。


 でも…


「もう、終わりですか?」


 離れようとするシュウ先輩を、しらないうちに緩めていた腕に力をこめて抱きしめる。

 そんなあたしに仕方ないとでも言うように、ふっと笑う。


「 もちろん 」


 なんか焦らされてる感じがする。


「ひどいです、シュウ先輩。あたしがあと6回したいってこと知ってますよね?」


 それを無視してあたしの腕の中からするっと抜けた。

  生徒会室の出口へと向かう。


「俺には関係ないよ」


 ドアに手をかけて、振り向くとそれだけを言い残して出て行った。


 それをただ某然とみていたが、下をむく。


 それにしても…シュウ先輩とのキスは長いような、短いような不思議な気分になった。

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