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Kiss*チュードク  作者: MIA
Kiss*チュードク
13/38

6-3

「はあ、はあ」


 走ってきてついたところは保健室だった。

 ベッドに近づくとベッドにつっぷす。


 なぜこんなことになったのかはわからない。

 なんであの髪の長い女があたしに向かって走ってきたのか、すごくよくわからない。

 そういうドッキリみたいなのは他の人にやってほしい。

 もう心臓に悪いよ…。


 落ち着いてベッドに座っていた。

 そこにガラッとドアが開いて葵先輩が来た。

 まだタキシード 着てる。


「さっきはすごかったね」

「そうですね…」


 そこはもう忘れてほしい。

 葵先輩はあたしのとなりに自然に座る。


「葵先輩のところのホストクラブはどんな感じでしたか? 」

「女の子たちが積極的でかわいかったな」


 なにを思ってか、ニコッと笑ってあたしを見る。

 反応をじっと見るかのような目。

 なにかを求められているようだけど、それに答えれるかわからない。


「そうですか。それは良かったですね」

「キスもした」

「……あたしになにを求めてるんですか?」


 突拍子もない発言に、葵先輩を不思議に思いながらに見た。


 葵先輩は遠くをみて、ん~…と考えるようにしてから


「咲夜ちゃん、このごろキス断るからさ、こういう話したらなんか言ってくるかなって思って」


 こちらを向いた。


「 … 」


 どう返事していいかわからずにただ無言になる。

 あのときからずっと断ってるんだよね。


「どうして? 」


 首を傾げて覗くように見られた。


「どうしてと言われても、まあいろいろあって… 」

「ふ~ん」


 興味なさそうに返された。

 もっと聞かれるかと思ったけど

 聞かれなっ…


 ーバタッ


「俺、咲夜ちゃんの全部、知りたいな」


 この人は……。

 急にベッドの上に押し倒された。

 押し倒した犯人、葵先輩はなにを考えているのかよくわらない。

 意味深な笑みを向けられる。


 これは答えるしかない状況。

 答えなきゃ解放されなそうな状況だ。


「別に…対したことじゃないですよ」


 ほんとうに対したことじゃない。

 言ってもどうせわからない。


「キスしたあと、罪悪感が残るようになって、それであまりしなくなったんですよね…」


  自分でもなに言ってるかわからなく、視線をそらしながらに言う。


「それって、誰に対してもそうなるの?」

「え? 」

「だからその罪悪感ってやつ」


 まさか信じてくれるとは思ってなくて驚いた。

 でも…


「それはわからないです。ただ何人かの人たちとして、罪悪感が残って、それでしないようになったので」


 なんか、変な言い訳にしか聞こえない。


「そう。じゃあ試してみていい? 」


 顔が近づかれる。

 不覚にもドキッとしてしまった。

 だって、こんな状態でそんなセリフ…


「いいよね」


 拒否権ないじゃないか。


「…んっ……」


 ひさしぶりにしたキスは


「どう? 罪悪感、感じる? 」


 ドキドキした。


「しないです…」


「もしかして咲夜ちゃん、俺が好きとか? 」

「それは違うと思います」

「きついね」


 はっきりと言うあたしに苦笑いをした。

 だって、恋愛感情の好きとかよくわかってないし。


「じゃあ、なんで俺だと罪悪感がでないのかな」


 あたしの上から自然な行動で退くと、さっきのように座った。

 それを見てからあたしも、起き上がる。


「それは… 」


 違う。葵先輩だけじゃなかった。

 ふと、思い出したものはシュウ先輩の顔。


「葵先輩だけじゃなかったです。シュウ先輩のときも罪悪感がでなかった、気がします」

「 … 」


 それを聞くと黙ってしまった。

 葵先輩は驚いたような顔をしている。

 葵先輩までもがこういう反応するとは思ってなかった。

 雲雀くんに言ったときも声に出さず、驚かれた気がする。


「シュウ先輩ともしてたんだ…。ちょっと意外」


 誰に向けられるものでもなく小さく呟いた。

 その‘意外’はシュウ先輩のことを言っているとわかる。


「ま、難しい話はいいよね」

「どうせ考えてもわかりませんし」


 開き直るように明るい声を出した葵先輩に、相づちをいれた。

 そんなあたしを見るとおかしそうに笑った。

 まあ、自分のことなのに考えてもわからないなんておかしいよね。


「俺もあるんだよね。自分のことでわからないことが」

 ベッドに片手をつき、距離を縮まれてじっと見られる。

 そんな行動に少し動揺。

 だけど後ろには下がらない。

 下がったら、また顔を近づけてこようとすることはわかってるから。


「なんですか? そのわからないことって」


 聞いたほうがいいのかわからずに、気になって聞いてみた。


「知りたい? 」


 至近距離で聞かれる。


「…知りたいです」


 そこまで重要なことなのかと、身構えする。


「じゃあ、教えてあげる」


 あたしが言った言葉が葵先輩の待っていた言葉なのか、満足そうに笑った。


「さくや……」


 耳をばっと抑えて葵先輩の声が聞こえなくなった。

 だって…だって、口を耳まで近づけてきて、耳元で話そうとするんだもん。

 顔はまだいいけど耳は…


「ちょっと、教えてあげるって言ったでしょ。 ちゃんと聞いてよ」


 不機嫌そうにしようとする葵先輩の顔は笑っている。

 両手を掴まれて耳から外されてしまった。


 また耳元で話そうとされて、手で隠そうとするが両手とも掴まれていてできない。


「咲夜ちゃんの相手。なんでしちゃうんだろうって」


 びくっとして、鳥肌が立ちそうになる。

 話の内容が頭に入ってこなくてただ聞いている。


「俺、実はね、年下は全く相手にしてこなかったんだよね。なのに… 」


 そこで、とまった。

 無意識にぎゅっと閉じていた目を開けると、すぐ近くに葵先輩の顔が視界に映る。


「なんできみの相手をしてるんだろうね」

「そ…そんなこと…」


 至近距離で葵先輩に見つめられて、つい視線をそらしてしまう。


「教えてあげたんだから今度は咲夜ちゃんが教えてよ」


 手がぎゅっと握られると同時に、体も近づいてくる。

 そんな葵先輩の表情は、からかうように笑っている。


「葵先輩。からかわないでください」

「からかってなんかないよ。これさ、ほんとうに悩んでるんだよね」


 だったらその、からかうような笑みをやめてください。


「だって…いまだってキスしてあげたいって思ってる」

「 ………ん 」


 いきなりキスされた。

 あたしはなにも言ってないのに…。


「…ちょ……」


 いつものキスとは違うものに驚く。

 やめてもらうために抵抗したいけど手が握られていて、なにも抵抗できない。

 葵先輩の片手が肩にまわしてくると解放された手で胸板をおす。


「 葵先輩っ 」


 そこでやっと唇が離された。


「…なに? 」

「なに? じゃ、ありません」


 あたしが抵抗したことに不満そうな葵先輩。

 息を切らしながらに口でも抵抗する。

 次の答えをまつかのようにじっと見られてるから、望み通りに口を開く。


「いきなりしてきてどうしたんですか。あたし、なにも言ってませんよ」

「咲夜ちゃんが好きだから」

「…真面目に答えてください」


 葵先輩のペースにのまれそう。


「 他の女の子たちより かわいくて好きだよ 」

「 そうですか… 」

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