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Kiss*チュードク  作者: MIA
Kiss*チュードク
1/38

1-1

「 ……ん… 」


 今日もあたしは知らない男とキスをする。

 顔は、悪くないと思う。

 キスしている時が一番、落ち着く。

 キス以上のことを求める男がほとんどだが、あたしはそれ以上の事はしない。

 だって、そんなものは求めてないから。


 あたしがキス中毒になったのには理由がある。

 あたしにキスをして、突然あたしの前から消えた男。


 九柳 魁-くりゅう かい-


 この人が原因。

 なんでキスなんてされたかわからない。

 それからあたしは、誰かと何度もキスをしてきた。

 何回なのかもわからない。



「今からジャンケンして、勝った人はキスしてあげまーす」


 ただいま合コン中。

 あたしの友達、美姫が大きな声を出して言う。

 その一言で周りの男たちの目は変わった。

 そんな光景をぼけ~と見ているあたし。


 ージャーンケーンポンッ


 みんなで声をそろえてジャンケンして勝ったのは二人の男子だった。


「 恭弥と一対一か~ 」

「 … 」


 一人はチャラそうな人。

 もう一人はさっきから何も喋らないやつ。

 なんか、不機嫌オーラが見える気がするんだけど…気のせい?


 ージャーンケーンポンッ


 勝ったのは……


「負けたー、キス貰えるのは恭弥か」

「 …… 」


 残念そうにしているが、全然そんな風には見えない。

 見た目はカッコいいから、女に不自由しないんだろう。

 てか、まだ無言なんだけど……。

 勝った人、どうしたのかな?

 感激して何も言葉にでないとか?

 それはないか。


「おめでとー、恭弥くん」


 柚木と他の女たちが褒めたたえる。

 おめでとう、恭弥くん。


「て、ことで。咲夜、よろしく」

「 うん 」


 咲夜-さくや-

 そう呼ばれて席をたつ。

 勝者の人の前まで移動する。

 顔を近づけて勝者にあげるキスをする。

 いや、しようとした…


「やめてくれる」


 …は?

 彼の顔近くで閉じていた目を開ける。

 すると視界には、眉間にシワを寄せている男子の顔が映る。

 〝やめてくれる〟ってあたしに言ってるのか…?

 ーえっと、意味不明なんだけど


「それって、あたしに言ってますか?」


 いつもは敬語は使わないが、嫌味にわざとらしく聞いてみた。


「アンタの他に誰がいる?」


 …なっ

 …なっ

 なんなんだこの人は!

 だったらジャンケンなんて参加しなきゃ

 良かったのに。


「そういうわけにもいかないんだよね」


 胸ぐらを掴むと顔を引き寄せて

 唇にキスをする。頬じゃなく。

 相手は一体どんな顔をするのか。

 唇から離して顔を見る。

 見た…。

 最初は驚いた表情をしてたけど、だんだんと険しくなっていって。


「お前、ふざけんじゃねーぞ」

「 …っ 」


 今度は、あたしの胸ぐらを掴まれた。

 怖い、怖い。

 怒らせるつもりじゃなかったのに。


「ちょ、恭弥。離して、離して」


 となりにいた男が止めてくれる。

 さっき、ジャンケンの時に勝ち残った二人のうちの一人だ。

 恐い男子は舌打ちをして、胸ぐらを掴んでいたのを離してくれた。

 

「ごめんね、大丈夫?」


 コクっと頷いた。

 今は、さっきの恐怖で頷くことしかできない。




「さっきは、ほんとにごめんね」


 あなたが謝ることではないと思う。

 だって、さっきの恐い人が胸ぐら掴んできたんだよ。

 あたしが最初にやったんだけどね…。


 合コンが終わって、帰り道に呼び止められた。

 恐い人はなぜか謝っている人のとなりにいて、どうでもいいという雰囲気を醸し出している。

 視線が横向いてるし。


「 大丈夫 」


 謝られたことに対して一言。

 すると恐い人が口を開く。


「謝られなきゃいけないのは、こっちだと思うけど」

「 … 」


 なにが〝謝られなきゃいけないのはこっちだと思うけど〟だ。

 あ、いいこと思いついた…かも。


「ごめんね。代わりにアナタからキスして良いよ」

「 は? 」

「 え? 」


 ハモる二人の驚きの声。

 おもしろい反応。

 この人はどうするのかな。


「じゃあ、目閉じろよ」


 ほんとにするつもりなの?

 さっきは嫌がってたのに?


 どういう風の吹き回しか、以外に冷静な怖い人。

 何も抵抗せず言われたとおりに目を閉じる。

 視界には何も見えない。

 それは当然のことだ。目を瞑っているのだから。

 

「バカバカしい」


 …?

 目を閉じろと言われて閉じた目を開ける。


「お前、バカだな。さっき嫌がっていた俺がキスなんてすると思ったか?」


 なんかすごく腹が立つ。

 バカにされてる。

 これって、バカにされてるよね。


「バカでごめんね。もう用が無いなら帰りたいんだけど」


 ここにいても時間の無駄だしね。

 あたしの大切な時間を奪われたくないし。

 驚いている顔をして、なにも言葉を発しない二人。


「もう行くね」


 背中を向けて歩き出す。


「ちょっと待って」


 しかし、肩を掴まれた。

 胸ぐらの次は肩ですか…

 胸ぐらを掴んだ人と違う人だけど


「なに?」

「メアド交換しよ」


 自分の携帯を見せて、笑顔で言ってきた。

 そのとなりでは不機嫌な怖い人がいる。

 メアドか…


「いいよ」

 

 何かが減るってわけでもないし。

 そう言うと、さっそくメアドを交換した。

 いちようということで電話番号も。


「恭弥は良いの?」

「いらね」


 いらねだって、いらねって。


「バイバイ」


 それだけ言ってこの場から離れた。

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