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プロローグ

 完全な思い付きで書いてますので矛盾したらごめんなさい!

 ギャグをちょいちょい挟んでいけたらいいなと思いますので、シリアスな要素は少なめになる予定です!

 月白の世界に朝日が差し込み、一日の始まりを告げる鳥たちの声で人々が目を覚ましていくなか、今日もまたあれを実行する時間がやってきた。

 コツ..コツ..と乾いた靴の音が近づいてくる。その足音は扉の前に差し掛かるとぱったりと止み、そのすぐ後にはコンコンというドアをノックする音が鳴り響く。

 失礼いたします。という声とともにドアノブが回り、ガチャっという音とともにゆっくりとドアが開いていく。


 焦るな、まだだ、まだ早い、もう少し...今だ!!

 怪我をしないように敷かれたやわらかい素材の絨毯を右ひざに力を込め左手に体重を乗せることで左足と右手を浮かせ、一歩を踏み出す。

 それを左右逆でも行い二歩目、交互に行い三歩四歩と、どんどん加速して行く。

 小さい体を駆使してドアを潜るときにはトップスピードにまでもっていく。


 そして、片手をドアノブに掛け、朝の洗顔のために用意された温水が入った器とタオルを持った女性をあざ笑うかのように通り過ぎていく。

 また、女性の持っている荷物によって生まれた死角を利用することにより、俺が部屋を出たことを気づかせることなくチリ一つない廊下を駆け抜ける。

 すでに三部屋通り過ぎた段階で部屋に入ってきた女性がやっと俺がいないことに気付く。


「あー!!またアレス様が脱走してるー!!」


 なんという充実感、出し抜いたことによる少しの達成感とともに俺は廊下の突き当りを曲がる。


 俺の名はアレス・ディタイト。

 辺境を収める騎士の家系に生まれた三男坊。

 ハイハイを習得してから毎朝恒例で行っている専属メイドとの鬼ごっこの開幕である。




 俺はもともと普通の高校生だった。

 合気道の師範である祖父から教えを受け、忍者マニアの親父に忍者修行を受けている以外はどこにでも居る思春期の男の子だ。


 しかしある時、近所にある海で素潜りをしている最中に急激に体が浮上して、そのまま上空に浮かび上がってしまったのだ。

 上昇は止まるところを知らず、遂には雲が間近に迫る高さまで来てしまった。

 何とかならないだろうかと必死に抵抗し続けていると、ビリっという音がしてそれまで上昇していた体が急に落ち始めた。

 どうなったんだと思い上を見上げてみると、履いていた海水パンツの切れ端と一定の間隔で返しのあるフック状の針が付いた糸が見えた。


 ん?あれって釣り針じゃね?

 という何とも違和感しかない状況に疑問を持ちながら俺の意識は暗転した。


 目覚めるとそこには新品であろう釣竿を持って呆然としている着物を着た少女と右手に持ったハリセンを今にも少女の後頭部に振り下ろそうとしている真っ黒なスーツを着た男性がいた。


 なんだこれ?どゆこと?何かのコント?

 そんなプチパニックのなか二人を観察していると。

 スパーン!!と、とうとうハリセンが振り下ろされた。


「いったーい!何するんですか!?」

「何するんですかじゃない!お前が何してんだ!!」

「何ってあの蓮の間から蜘蛛の糸を垂らして亡者を釣り上げる奴ですよ?」

「何一つ合ってねーよ!?お前がやったのは雲の間から釣り糸垂らして生者を釣り上げ損ねてるじゃねーか!」


 ほへー。

 ここまでで大体理解できた奴は100点をあげよう。

 じゃなくて、誰か説明プリーズ!?


 その後も、着物を着た少女は釣り道具一式とバケツの中に入った釣り上げた成果を自慢し続け、黒い青年はハリセンで後頭部をしばきながら説教を続けていた。

 そんなズレた会話を聞くこと30分。

 そろそろ俺の存在に触れてほしいなーと思い、大きく息を吸って声を出した。


「あのー!すいません!!ここってどこですかー!」


 俺が声を発すると二人はビクッと体を震わせ、少女はポカンとした顔、青年はあちゃーという顔で俺の方を振り向く。


 その後の説明によると。

 暇を持て余した天照大神(少女)が亡者を釣りたいという意味不明な動機で海に釣り糸を垂らし、それに引っかかった俺が落下して死んだため、焦った月詠尊(青年)が俺をこの場に招いたのだが、説教に夢中になり忘れえていたということらしい。


「なるほど。つまり俺は死んだということなんですね?」

「そうなるな。本当に申し訳ない!あのバカのせいでっておいコラ!また釣りしようとするな!?」

「えーだって暇なんだよー?」


 とりあえずあのポンコツ(少女)は話にならないな。

 こっちの出来る人と会話しよう。


「ということは俺は黄泉の世界に行くんですか?」

「いや、君が死んでしまったのはあそこのバカのせいなので、生き返らせることは出来ないが代わりに違う世界に転生してもらおうかと思っているんだが、何か要望はあるかね?できる範囲で叶えてあげよう。」


 これは俗にいう異世界転生という奴だろうか?

 だったら王道の剣と魔法のファンタジー世界とやらでもいいのだろうか?

 とりあえず片っ端から質問して行こう。


 質問して見た限りでは、剣と魔法の世界は複数存在し、更に魔王や勇者がいる世界といない世界があるそうだ。

 また、魔王や勇者がいない世界であれば魔族というのは存在しないという。


 最終的に選んだのは剣と魔法とスキルがあって、人族、獣人族、エルフ族、ドワーフ族、妖精族の五つの種族が存在し、魔物が出現するファンタジー世界にすることにした。

 だって万が一魔王を討伐しろとかいう風になったら面倒じゃん。


「種族はどうする?」

「記憶を引き継いだままなんだし、人族が良いです。」

「分かった。あと、あのバカと僕からお詫びとして一つずつ何か要望を叶えてあげようと思うんだが何が良い?」


 これはつまりチートというやつではないだろうか!

 しかも二つも叶えて貰えるという。慎重に考えなければならない...といいつつもこの手の小説を読んでいるときから俺は決めていることがある。

 それは...


「まず一つ目はスピード特化の忍者的な感じでお願いします!」


 最近ハマっていたVRMMOのキャラもAGI特化で隠密や隠蔽系のスキル構成の忍者プレイをしていたため、俺はこれ以外を求めていないのである。


「じゃあ、そんな感じにしておくよ。他に要望はないかい?」


 他の要望、んー。せっかくだから貴族的な生活をしたいがあんまり堅苦しいのは苦手だからなー。

 それに家族の仲も良いほうが楽だしなー。よし!


「海に面した中の良い田舎貴族の三男坊あたりで、あと獣人のメイドがいたらうれしいです!」

「了解したよ。じゃあ、早速転生しようか。」

「はい。お願いします!」


 すると、青年の側に光の穴が生まれた。


「この穴の中に入ったら良いから。おいバカ姉!」


 青年は懲りずに釣り糸を垂らしているポンコツに声をかける。


「どしたのー?」

「このポンコツ野郎が。まあとにかく、最後くらい謝罪したりねぎらったりしろ!」

「ありゃー。ほんとにごめんねー?」


 首だけをこっちに向けて言うポンコツ。

 せめて体くらいはこっちに向けろと思うが、これ以上関わらないほうが無難だろう。


「もういいですよ。それじゃあ、行きますね。色々ありがとうございます。」

「いやいや、こっちこそ迷惑かけてすまなかったね。」


 月詠さんの方に向けてお礼を言うと向こうも頭を下げてくる。

 そして、光の穴に一歩踏み出したところで月詠さんが教えてくれた。


「そういえば、今から君が良く世界は自分のステータスを見たいときはそう念じれば良いからねー?」

「あ、ありがとうございます!じゃあ、行ってきm...」


 最後まで言葉を発する前に無い胸を張るポンコツが目に入った。

 お前に言ったんじゃねー!!


 そう口にすることなく俺は新しい世界で産声を上げた。



 基本は週1投稿です!

 よろしくお願いです!!

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