第五話 国外追放
久しぶりに王家の面々が揃った王都。
力いっぱい殴られた。
いや、本当に力いっぱいなら死んでいるはずだから、多少は手加減されたのだと思う。
「カァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァルッ!!!!!」
右の頬の次は、左の頬だった。
吹き飛んで壁に叩きつけられました。
二度もぶったね、父王君にもぶたれたことないのにっ!
「ぐぅあはっ!げはっ!げはっ!」
三度目は鳩尾に、的確に打ちこまれて胃の中身を吐き出した。
さいわいなことに最近は固形物が食べられなかったため、吐き出したモンジャは綺麗なものです。
「レオンハルト兄様! やめて! カールが死んでしまうわ!」
ルイーゼ巨乳姉さまが割って入ってくれた。相変わらずフォローが遅いと思うのですがね。
それとも、ルイーゼ巨乳姉さまも利用されたことにお怒りだったのですか?
<先見>の特級加護を持つラウロ枢機卿は言っていた。
「この先、西ハープスブルクとフランク帝国の間に緊張関係が生まれます。その間隙をつき、オルダーニ卿の<虫>の加護を用いてフランク帝国内にネロカヴァリエーレを進軍させます」
なので、早急に西ハープスブルクを消滅させ、その出足を挫いたのだ。
そしてドラゴンを頂点とした亜人だけの国、アルプス連合王国を建国し、バチカン法皇国が二度と蟲群種をこちら側に放てないように手配した。「女帝」こと姐さんの許しのない人間が侵入した場合には即座に極刑となる国だ。
言い換えるなら、姐さんの知り会いではない人間は全てドラゴンの滋養になるのだ。
この近隣の国で、フランク帝国の条約破りによるジュネーブ侵略の動静を調べなかった国はないだろう。
そして彼等は空を覆うドラゴンの大群を見たはずだ。
その報告を受けながらアルプス連合王国を敵に回そうなどと言う馬鹿な国はいないだろう。
それから、アルプス連合王国と軍事同盟を結んだグローセ王国に対してもだ。
ドラゴンおよびドワーフおよびエルフと名付けたのは、ゴブリンやオークなどのヤンチャな子が何かをしでかしても国際問題にならないようにという配慮だった。個々の亜人など見分けがつかないのだから、ウチの子じゃないと言えばそれで問題は解決するのですけどね。
今まで手を付ける事の出来なかったチューリッヒやリヒテンシュタインなどの都市部に眠っていた財貨の回収も終った。
西ハープスブルク王国が所有権を主張できたのは、王家が滅びさるその日までのことでしたから今はうちのものです。
さすがの都市、十分に今までの軍事行動の費用を賄えました。だって、黒カマキリさんは金や銀や宝石類を食べませんから。
まぁ、ほぼ食費のみで元値が激安の費用なんですけどね。
と、いう悪巧みはレオンハルト兄様の逆鱗に触れたらしい。
獅子の癖に鱗があるのかよ、まったく何でも揃いだレオ兄様は。
レオンハルト兄様の主観では、俺が亜人をそそのかして、西ハープスブルク王国を滅ぼしたことになっているようだ。
その通りなので、甘んじて暴力の嵐を受けているわけだが、どうせ説明しても理解は……するだろうけど、悩みもだえることだろう。
兄弟姉妹が手を取り合い、そして助けたあの国を、俺が滅ぼした。それでいいよレオ兄様。
「どうしてだ!? どうしてあんなことを!! どうして殺したんだ!?」
「殺したのは俺ではなく、フランク帝国軍と、アルプス連合王国ですよ」
「お前が唆したからだろうっ!! シャルロットに雲を作らせ、俺とジークの<加護>でも見えないように卑怯な真似までしてっ!!」
だって、そうしないとレオンハルト兄様もジークハルト兄様も苦しむでしょう?
まさか、西ハープスブルク王国のために、フランク帝国へ戦争を挑む気だったのですか?
そうして、国民に死を強いる気だったのですか?
「そうですよ? だからどうしました?」
「開き直るなあっ!!」
パンチの次は投げ技ですか、実に多彩な体術ですねレオ兄様。
口の中が鉄の味でいっぱいです。
いやぁ、投げ技ってのは内臓に来ますね。
内側から血が溢れる新感覚。いや、シャルロットに初体験は捧げたのでした。
「ジーク!! お前はどうなんだ!? カールに対して言ってやることは無いのかっ!!」
ジークフリート兄様は姐さんが卵を産んだため、一時的に開放されました。
子育ては女の仕事だそうで、卵を守るのも女の仕事なんだそうだ。さすがは姐さん男前です。
甥っ子か姪っ子の誕生が楽しみだ。
男の子が生まれるか、女の子が生まれるか、雄が生まれるか、雌が生まれるか、四択クイズです。
「カールのやったことは、とても美しくないことだと思うよ。だけど、カールなりの考えがあってのことじゃないのかな?」
おぉ、非童貞の貫禄か、父としての自覚が出来たのか。
ジーク兄様が頭を使っている珍しいお姿。
「考えて、マリア王女を殺したってのか!? あのお姫様はお前に惚れてたんだぞ!! カール!!」
胸倉をつかまれて絞られると息が苦しいですよレオ兄様。
それとも、相手が一方的に惚れてきたなら男には守る義務でもあるんですかね?
あぁ、レオンハルト兄様ならそうしそうですね。
レオンハルト兄様は「英雄」ですから。
「そうだったんですか? それは初めて知りっ!!」
また殴られた。三度目だとネタがないな、ちくしょう。
ぶったの顔も三度まで? ははは、ナイスセンス。
「知らなかったとは言わせんぞっ!! あそこまで惚れられて解らないお前じゃないだろっ!!」
しょうがないなぁ。
ちゃんと答えてあげますよ。
「レオンハルト兄様、僕の加護は<おっぱい>ですよ? あんな胸の小さな小娘っっっ!」
ぐおぅっっ!! 天井に叩きつけられるって、漫画で見たことはあっても新感覚ですねっ、あと、自由落下で床に叩きつけられるのもぉぉぅっっっ!!
「何をしておるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
玉座に座っていることがお仕事の父王君が珍しくご登場。
傍には涙を流しているシャルロット。
あぁ、にぃちゃんの心配をして涙を流すシャルロットの顔も可愛いなぁ。
レオンハルト兄様の激昂に驚いて、止められそうな人物として父上を呼んできたのか。
もう少しぐらい、レオ兄様の怒りに付き合っても良かったんだけどね。
ありがとう、シャルロット。
さすがにレオンハルト兄様も父上の前で暴れることは出来ないのか、怒りに震えながら我慢していた。
ただ、力いっぱいに握り締められた握り拳はとてもとても硬くて痛そうです。当たったなら、俺が。
そっとルイーゼ巨乳姉さまが傍により、<生命>の加護を使ってくれたのか痛みが急速に消えて、体が癒されていった。
ふぅ、ひとごこち、ひとごこち。
「カールッ!! 兄をここまで怒らせるとは何事だ!! お前には三男としての自覚はないのかっ!! 余が話を聞く、事と次第によってはそれなりの処罰を与えるゆえ覚悟せよっ!! 着いてまいれ!!」
父上が説教部屋にお呼びなので、胸を張って部屋を出て行きましょう。
そういえば、説教部屋って入ったこと無かったな。
子供の頃から大人だったから怒られるようなこと一度もなかったもので。
部屋を出るときにシャルロットが心配そうな顔をしていたので、頭を撫でて、それから部屋を出ました。
父王君の談話室、通称・説教部屋。
子供が何かしでかしたときに、父上が叱りつける目的ばかりに使用しためそう呼ばれるようになった。
使用回数の一位はレオンハルト兄様、二位はシャルロットだ。
シャルのお転婆を隠し切れなかった、にぃちゃんを許しておくれ。
でも、泣いて出てきたシャルを抱き締める役得も捨てがたかったんだ。そんな、にぃちゃんも許しておくれ。
「カール」
「はい」
父上も、なんと切り出したものか迷っているようだ。
グローセ王家はフランク帝国と不可侵条約を結んでいる。
そして西ハープスブルク王国とも不可侵条約を結んでいる、いや、結んでいた。
ゆえに、両国が争うのであれば中立の立場を貫くほか無い。
だが、レオンハルト兄様はそれが出来ない人だ。一度は西ハープスブルクの人々を救うため共に戦った。
情が邪魔をして、いや、情に突き動かされてしまう人だから、早々にジュネーブの地から遠ざけた。
そして、その目が届かないようにシャルロットの力を借りた。
「大儀であった」
「はい」
レオンハルト兄様は王子で、ヴィルヘルム父様は王だ。
王子に戦争を行なう権利は無い。
国主はあくまでヴィルヘルム父王君なのだ。
侵略者が悪で、侵略された側が正義という簡単世界なら「英雄」様が出張しても良いのだが、残念無念なことに、この世界は違う。
「マクシミリアンの最後は、堂々たるものであったか?」
「はい、それは雄々しく。弱卒の民兵を率いながらフランク帝国の精鋭を相手に獅子奮迅の戦いを」
そう聞くと、父上は嬉しそうに、悲しそうな笑みを浮かべた。
「そうか……。余は、マクシミリアン……マックスと、友であったのだ」
「それは奇遇ですね。私もマクシミリアン陛下の友でした。少なくとも私はそう考えておりました」
嘘偽りの無い感想だ。
「マックスには色々と世話になったものだ。悪知恵がよく働いてな、余が困った時にはよく策をねだったものだ。玉座についてからであるぞ? 家臣より先に相談を持ちかけたくらいだ」
父上が苦笑いを浮かべる。
「えぇ、その悪知恵のおかげでマリア王女と結婚させられるところでした。それからレオンハルト兄様を抱きこみ、フランク帝国との争いにおける牽制役として使用し、いずれはグローセ王国を巻き込むおつもりでした。ですから早々に切らせていただきました」
俺も苦笑いを浮かべた。
「……そうか。重ねて大儀であった」
父上が目頭を押さえている。
これだから年寄りは……って、前世こみだとあまりかわらないじゃない俺。
父上まだ40代だったよな。
「こたびのアルプス連合王国の建国。これはマクシミリアン陛下から父上に送られた遺産で御座います。どうぞ、心してお受け取りください」
「遺産、だと? 詳しく申せ」
マクシミリアン陛下、父上の友マックス、その最期の悪巧みについて、お話申し上げましょう。
友として知る権利があるでしょうから。
「簡単に申しあげるなら、国土をフランク帝国に奪われるくらいならグローセ王国にくれてやる、ということです。フランク帝国の中央は現在、疲弊しきっております、それもなりふり構わぬほどに。ですからこれ以上、グローセ王国に近づけぬようアルプス連合王国の設立に尽力していただきました。ジュネーブは必ず落ち、民もまたいずれ奴隷として必ず捕らえられてしまう状況です。ですから、全ての民を一同に集め、ベルンより東の地から目を背けさせ、その間にアルプス連合王国の設立を私が行ないました。そしてフランク帝国との開戦と同時にアルプス連合王国からも宣戦布告をいたしました。道理の通らないドラゴン達の国という横槍に慌てたフランク帝国にアルプス連合王国との共闘関係を条約として締結させ、そしてそれを見届けた後、ジュネーブの陥落を演出するために自らの命をアルプス連合王国に討ち取らせ、全軍の士気を低下、さらには王宮や各種の施設を破壊し、民衆から戦う意欲を完全に失わせました。そうして多くの民は気力と戦意をなくし無抵抗のままにフランク帝国の奴隷となりました。ただ、マクシミリアン陛下の見立てでは遠からずフランク帝国は内部から崩壊し、多くの貴族たちによる独立した領土へと分裂、その際には奴隷となった民たちにも生きる目、自由になる目があると予想なさっておりました。奴隷身分からの解放を条件に戦争への参加を要請するというのは常道ですから。敵国側の奴隷を自由民として引き入れることも多く御座いますでしょう? 混乱のなかでは自力での逃亡も容易くありますしね。フランク帝国内での奴隷の使い道の多くは農奴ですが国民に辛い道を歩ませることになると嘆いておられました。それから、ジュネーブ他にあった王族や貴族の財貨のうちの多くをお預かりしております。十のうちの九ほど。自由になった民たちが戻ってきた暁には、それらを使い再建の援助をしてやってほしいと頼まれました。ですがこれは口約束ですので父上が接収なされるというなら国庫に入れますがいかがいたしますか?」
個人的にはアルプス連合国の国土に残された財貨も援助にまわしても良いと思うのですが、経済をまわしておいた方がより多く援助できるでしょうからマクシミリアン陛下の遺言通りに使わせてもらいましょうそうしましょう。
しかし、父上の返事が無い、ただの屍か?
まさか、友人の残した金を盗むかどうかで迷っているのか!?
それは父上、引きますよ……いや、でも王族としては正しい判断かもしれません。
「のう、カール……」
「なんでしょう父上」
「簡単に申せ、マックスと話していた時のことを思い出したぞ」
………………………………父上ぇぇ。
「簡単に申しあげるなら、国土をフランク帝国に取られるくらいならグローセ王国にくれてやる、ということです」
「うむ、解ったぞ」
さて、話は大きく変わりますが車は急に止まれないものですよね。
さらに、積載物があると、もっと止まれなくなるものです。
軍と言う字を見てみると、車の上に積載物があって、さらに止まれないような気がしませんか?
父上から処分決定までの謹慎の命を受けた俺は、goodfull先生のマップサービスでバカチン、もとい、バチカン法皇国を覗き見しておりました。
懐かしの黒カマキリさんが居ました。あぁ、その黒光りするフォルム、久しぶりに見ると、カッコイイ気がしてきます。
はっ、料理人のロニーさんの気持ちが解って……いや、解んない解んない、虫食は。
赤いカマキリさんもおりました。
えーっと、彼がローソンカリブトーレ?
『ロッソカヴァリエーレです』
確か特殊技能は三倍速で……。
『催眠性のガスによる攻撃です』
最後まで言わせてぇえぇぇぇ。
『わたしが三倍速なのです』
なんとっ!?
goodfull先生が、赤く、赤く染まってしまった!?
……あ、でも公平性って意味なら真っ赤だな。先生は人類には決して辿り着つことが出来なかった公平の極地の存在でございました。
『カールさまも角型加速装置を取り付けますか?』
NOっ! サイボーグ機動戦士にはなりたくありません。たとえ指揮官機でもっ!
さて、雑談はそこそこに、いやホント、黒カマキリさんはカッコイイなぁ。
敵として憎んでいた時はそう感じなかったけど、男の子の心をくすぐるシャープさを持ってるよ。
カマキリな上に鋼鉄で黒光りするんだぜ? カッコイイに決まってる。
赤カマキリさんは、黒カマキリさんに比べてやや細身でありながら滑らかな曲線を持つ、あのイタリアの赤い暴れ馬を思い起こさせる造形。これもまた男の子の心をくすぐります。
俺が右の鎌に乗って、女の子を左の鎌に乗せてカッコよく走らせればきっとホレてくれるでしょう。
ぶぉぉぉぉん! ぶぉぉぉぉんっっ!!
『イタリア車ですので運転席は左になります。女性が運転してカール様が惚れられるという因果関係がわかりません。サービス向上のためにその論理を教えてはいただけませんか?』
い、いえ、ただの、勘違いです……。
しかし、よく食べますね。みなさんスクスクと育ってます。
なにを、食べているのかについては、私の精神衛生上考えないようにしておきます。
侵攻作戦の決定から一月と半とちょっとくらいでしょうか? 赤いマーキングの数はだいたい八万だとのこと。
これからもう一月半で二十万まで増えるのですね。
いっぱい食べておーきくなーれ。いや、数が増えるだけでした。
ちなみに、アルプス連合王国からは特使のっぺりーの男爵が出向き「女帝」からのお手紙で「ウチのシマにそのクソムシどもを入れたら長靴が火の海やぞ? あとうちの国に入った人間は即殺が法だから」という内容を柔らかく伝えておきました。これでモンブラン山より東のアルプス山脈ルートは潰せましたので一安心です。
それから法皇国内の幻想世界種の亜人さん達にとって、アルプス連合王国は奇跡の国として崇められている模様。
今までは、逃げられる場所がなかった。
でもこれからは、逃げられる場所がある。
この違いは虐げられた民にとって大きな違いがあるものです。
アルプス山脈に入りさえすれば助かるんだ! という安易な希望の光が彼等のなかに広がり命がけの逃亡奴隷がわんさかと。
実際、アルプス山脈内に人間は入れませんから不慮の事故でもない限り助かります。
成功した逃亡奴隷が、逃げてきた逃亡奴隷を保護する、互助会の成立もしておりますから。
こうして亜人たちが逃亡に成功しても失敗しても、バチカン法皇国の国力は下がる一方なのでした。
それから「法皇国内の亜人奴隷は我が国の所有物でありどうのこうので返せ」という書状を持った人間の特使さんが外交のために山に入ろうとしたのですが、山に入った瞬間に即殺されました。アルプス連合王国の法では「女帝」の許可を得ない人間の立ち入りは即時極刑ですから当然の処置です。
通達済みのことですから文句を言われる筋合いはございません。
白旗を持った使者であれば敵国の人間でも自国に受け入れて交渉の席を持つという道理がドラゴンに通用すると思ったのでしょうか?
相手は獣ですよ?
いえ、姐さんはとっても知的な才女なのですが「女帝」の演技をしていただいているときには獣になりきってくださいます。
ちなみに、軍事侵攻を試みるならどうぞ。
アルプス山脈内で幾百の空飛ぶドラゴンに勝てるつもりなら。(ハッタリ)
あと、グローセ王国とは軍事同盟の関係なので「女帝」の旦那さま、ジークフリート兄様が控えて居ることを忘れていないといいですね。
しかし、このところ、アルプス連合王国内での総戦力が解らなくなりました。
「女帝」を頂点とした旧来の亜人たちに逃亡奴隷を加えた「女帝」信仰戦力。
「なんか、南から山に入った人間を殺すと美味いものが食える」という噂が本当になった<料理>の一級加護をもつ料理人ロニーの野生ドラゴン戦力。
なんだか安全な森があるらしいという噂を聞きつけて移住が進むエルフ戦力。
アルプス山脈を制覇するのだと意気込んでトンネルを掘り続けるドワーフ戦力。
もともと山なんて人間にとっては攻略する価値のない場所にこれだけの戦力。
頭がまともなら攻めようなんて考えはしませんわな。
これだけの戦力が存在していると把握できてもいないでしょうけれど。総戦力とは軍事機密です。
そして、これだけの戦力を用意しておいたならば安心して国を出ることができます。
さて、これだけのお膳立てしたのですから、あとはよろしく頼みますよ? ヒルヒル皇女殿下。
僕はお父様の怒りを買い、王位継承権を剥奪、周辺諸国に絶縁状を撒かれて国外追放の身となりましたので。




