依琉さん②
今年最後の「小説書いてたら」です。
来年もよろしくお願いいたししますm(__)m
「いいだろ、な? 妹の写真撮ってくるだけだろうが」
「うううぅ……」
私、片原萩香。ただいま依琉に脅しという名のいじめを受けています。
この仕打ちは一体なに? 私が何をしたって言うんだよ! 依琉さんひどい。そして何気に言葉遣いが荒い!!
「だから、写真はさぁ……」
「あァ?」
「ひっ」
忘れてはならない。依琉はこんなにもわかりやすい格好をしているではないか。
そう、彼女はヤンキーなのである。私なんか簡単にひねりつぶせるのだ。だから、私が断るなんて言う選択肢なんか、もともとなかったのかもしれない。やだ怖い。
私が何をしたって言うんだ、友よ。ひどいじゃないかワトソン君。ってなんだこれ。何か懐かしいな、ワトソン君って。
いやいやいやいや、だからつまり。
依琉を怒らせたら依琉信者たちが立ち上がって私を潰しにかかるってことだよ! 依琉信者は怖いんだぞ!
みんなケバい化粧して今時ないだろっていうようなカッコしてどいつもこいつも金髪やら茶髪やら赤髪やらに染めてカラコンしてパーマかけてピアス開けてブレスレットとかネックレスとかジャラジャラつけてぞろぞろ大人数で歩いてきやがるんだよ!? 何の耐性もない私なんか、初めてその軍団と反依琉集団の戦を見たとき貧血起こして倒れかけたから。マジで。
ほんとだよ、これ! Believe me! 私を信じて! そしてみんな、ここから私を出して! 助けて!!
「だからさ萩香、写真撮ってきてくれるよな?」
至近距離で顔を覗きこまれて、逃げ場のない私。え、え? 何の話?
「うえぇっ、は、ハイ」
気付けば、首を縦に振っていた。おい私、しっかりしろよ。
「よっしゃー! なあなあ杏珠、萩香妹の写真撮ってきてくれるんだってよ! うわー、楽しみだなー!!」
「えーそうなの? やったー! 萩香、わたしにも見せてね」
「え、え、あれ?」
なんか、勝手に決まってる……。あれ、これってもしかして、撮ってこないと潰されちゃう感じ?
というか杏珠はいつからこのやりとりを聞いていたんだろう……。止めてくれたっていいのに。
ひどいな。薄情者だな、ヤンキーって!
「んじゃ、よろしくな!」
依琉にポンッと肩を叩かれた。も、ものすごい威圧を感じるのは私だけでしょうか……。依琉さんめっちゃ怖い。依琉さんめっちゃ怖い。依琉さん怖い怖い怖い!
私の無言の嘆きは依琉には届かず、私は純香の写真を隠し撮りしてでも撮ってこなければならなくなってしまった。こんなに不幸な事って、あります? 泣いちゃうよ、私。




