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エレメンタルロードテナー  作者: 葵 嵐雪
純情不倶戴天編
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第六十四話 たった一つの出来る事

 鉄砲と鉄兵、それから精霊達の活躍により長篠の戦は織田家の勝利に終わった。

 もちろん、この時代でも精霊や鉄兵は黙認されて当然の存在だから歴史の表舞台に立つことは無い。だが、それでも鉄兵と精霊達の活躍は凄まじかった。

 その凄さを語るかのように武田の被害は甚大だ。重臣たちを始め多くの物が戦死、たった一回の突撃で八〇〇〇人以上の兵が戦死した。

 それほど鉄砲と鉄兵の力が証明されたと言えよう。

 それから信長は岐阜へと帰還する。



 それから再び始まる信長の疾走。歴史が信長を求めているかのように天下を目指して突き進み始めた。

 そして長篠の戦から三年後。ついに上杉謙信がこの世を去る。

 信長と謙信は一度激突して負けているが、これで武田と上杉、この二強が去って信長を止める者は誰もいなくなった。

 そしてそれを示すかのように信長はある物を作り始めた。それが城、後の世に言う安土城である。

 足掛け七年の歳月を掛けてやっと完成した安土城の天主閣、それは今までに無いほど壮麗でなもので、その天主閣完成が道勝に思わぬ幸運をもたらす事になった。



「小松、小松はいるか」

 道勝は帰ってくるなり廊下を走りながら小松を探していた。

なんじゃ、帰ってくるなり騒がしいのう。なにかしらあったんじゃろうか?

 その時閃華はちょうど庭にいたので、通りかかった道勝に小松の居場所を教えると一緒に来るように言われたので同行することにした。

 そして勝手に言葉を掛けて部屋に入る道勝。

 小松は驚く事もせずに道勝を迎え入れる。まあ、あれだけ騒いでいたのだから聞こえて当然だろう。

 道勝は小松の前に座ると嬉しそうな顔で話し始めた。

「小松、安土城の天主が完成したのは聞いておろう」

「ええ、皆その話題で持ちきりです」

 それを聞いた道勝は更に胸を張る。

「そこで今日、御館様から直々にお許しが出たのだ」

「と、言いますと」

「聞いて驚け、なんと、織田家重臣の中で儂が一番最初に天主に入ってよいようじゃ」

「ッ!」

 さすがにこれには小松も言葉は出ないようだ。

 安土城の天主閣、これは信長の部屋であり、そこに一番最初に入る権利を与えられたのだから、これは織田家中では他にありえないほど栄誉な事だ。

 なんと、これは、まさか御館様はそこまで旦那様を重視しておったとはのう。

 この栄誉な事は重臣だからと言って得られる物ではない。信長が自分で一番最初に見せてやろうと思ったのが道勝だ。そしてそのことは、織田家で道勝が重臣の中で一番重要視していることを示していた。

 まあ、確かに旦那様は目立った功績はないが、裏ではしっかりと仕事をこなしておるからのう。じゃからこそ、戦で思いっきり戦えるというものじゃ。

 どうやら御館様も裏方の役割をちゃんと分かっておるようじゃのう。裏方を重視せずに負ける者は多いが、御館様は違うか。

 つまり戦は兵達の戦いだけで決まるわけではない。食料や武器などの物資の補給、情報の獲得。いろいろな事を得るからこそ戦に勝てるんだ。そこをちゃんと分かっていたからこそ、信長は今まで戦に勝てたのだろう。

 だが、話はそれだけではなかった。

「どうだ小松、これほどの朗報もないだろう!」

 楽しそうに話す道勝に閃華は頭を下げた。

「旦那様」

「んっ、どうした閃華、改まって」

 顔を上げる閃華。その顔は笑みに満ちていた。

「実はもう一つ、朗報らしき物があるのです」

「らしき物?」

「はい、まだ確定はしていませんが間違いないかと」

 そう言われると興味があるのだろう。道勝は閃華と向き合った。

「実は昨今、精霊達の間で囁かれている話しがあるのです。それは精霊王の器がもうすぐ消えるとの事」

 それがどうしたとばかりの顔をする道勝。

「精霊王の器が消える。つまり、新しいエレメンタルロードテナーが決まるのです。そしてその最大の候補者こそ、御館様なのです」

 再び驚く小松と少し考えて事態を把握する道勝。

 道勝などは思わず閃華の肩を掴むほどだ。

「それは本当か閃華」

「まだ確定はしていません。ですが、御館様以外にエレメンタルロードテナーに最も適している人間がいないのも事実。海の向こうにも御館様を超える契約者はいないそうです」

「……そうか、そうか!」

 閃華から離れて更に嬉しそうに腕を振る道勝。その気持ちも分らない訳ではない。

 道勝は織田家の中で最高の栄誉を得て、信長はとうとう精霊王の器となり天下統一に近づくのだから織田家にとってこれほど喜ばしい事は無いのだろう。

「これで御館様がエレメンタルロードテナーになれば織田家は安泰。それに儂もその織田家で立派に役目を果たせる。これほど嬉しい事はない、なあ小松に閃華!」

「はい、それはもう!」

 信長がエレメンタルロードテナーになれば、その力だけで一軍を倒す事が出来る力を得る事が出来る。それほどの力を信長は手にいようとしている。そうなれば、もう信長に逆らえる者はいなくなるのだろう。つまり、織田家の天下である。

 そして道勝はその傍で信長を支える。道勝にとっても信長にとってもこれほど喜ばしい事は無かった。

 そして閃華もこの幸運が続く物だと思っていたが、不安があるのも確かだった。

 強大な力は時に人を変えるからのう。御館様がそうなるとは思わんが、なんじゃろうな、どこかで不安を感じておるんじゃ。

 胸の奥で蠢く不安。閃華はそれを無視する事は出来ないが、これほど喜ばしい事が続いたのだから、とりあえず胸の奥に閉まって置いて明るい未来を想像する。

 さて、これで織田家の天下になれば私は暇になるのう。今のうちに小松を懐柔させていろいろと画策しておこうかのう。それに旦那様も織田家にとっては無くてはならない人になるのだから、それなりの恩賞があって当然じゃろう。さて、どこの領地がもらえるじゃろうな。

 どちらにしても、林家にとっては朗報続きだった。



 そして、閃華達が思っていたとおりにことは進んだ。

 見事、安土城の天主閣は完成して最初の見物は道勝だった。もちろん信長も同行して直々に案内して驚く道勝を楽しんでいるようだった。

 しかもそればかりではない。道勝と小松の間には子は無い。だから養子を取ってはどうかと言い出し、その世話をしてやろうとまで言ってくれた。

 思わずその場に平伏する道勝。道勝にとってこれほど嬉しい事は無かった。正にこの時が林家にとって最高の瞬間。道勝など何度も信長に礼を言ったほどだ。



 更に時は進み、安土城が完成してから六ヶ月。遂に前のエレメンタルロードテナーが完全に消滅した。そして精霊王が選んだ次の器はもちろん信長だった。

 精霊王の力を得た信長。これで信長の天下はなったと誰もが思ったが、綻びは意外なところから出るものである。

 絶対的な力で天下統一を計る信長。だが強大な力ほど近くに脅威を生む物のようだ。

 一五七八年、天正六年一一月。荒木村重が元の将軍足利義昭と組んで謀反を起こした。そして、その鎮圧に奔走したのが羽柴秀吉。特に秀吉の家臣である黒田官兵衛などは自ら荒木村重の居城に乗り込んで説得をしようとしたが捕らえられてしまった。

 もちろん、信長の怒りは尋常ではない。すぐに荒木村重の城に焼き討ちを掛けろと言い出したが、秀吉が官兵衛を心配してなんとかこれを抑えた。

 それから足掛け二年。やっと村重の反乱を鎮圧して官兵衛を救い出すことに成功したのだが、これで終わりではなかった。いや、今思えばこれがすべての始まりだったのかもしれない。

 絶対的な力を手に入れたとしても、人の心までも支配できるわけではない。それに信長は浅井長政、荒木村重と意外なところから謀反が出ている。

そのことがあっただろうか、閃華が予想していたとおりに信長が変わってしまったのは。いや、最初からそういう気質を持っていたのかもしれない。

だからこそ、エレメンタルロードテナーとなって神に近い力を得た信長にとっては絶対に許せいないことだし、もう二度と繰り返したくは無い事だ。

 だからだろう、道勝にまで累が及んだのは。



 ある日突然、織田家の重臣である佐久間信盛と道勝は一緒に信長の元へ呼び出された。両名とも織田家では最も地位かある家老職である。

 その二人が呼ばれるとは尋常ではないと、二人は信長がいる部屋へと向かった。

 そして両名が部屋に入るとすでに信長はおり、不機嫌そうに扇子を軽く叩いていた。

「林道勝、佐久間信盛、両名をお呼び付けと聞き参上しました」

「ああ、呼んだぞ」

 まだ不機嫌な雰囲気を崩さない信長は座り直すと両名に敵意ではなく、別の意を含んだ目を向けた。

「信盛」

「はっ」

「そなたには石山攻略を命じたのに未だに落とせないのか。四年の歳月も掛けて何もしなかったのか」

「いえ、そのようなことは決して。本願寺勢の鉄砲の数は多く、海上からの補給路閉鎖を狙いましたが、これが」

「言い訳などよいわ!」

 突然、扇子を放り出し立ち上がると信盛の元へ行き、膝を折って目線を合わせる。

「サルも勝家も毛利、上杉と奮迅しておるのにそなたは何も出来ぬのか!」

「いえ、そのようなことは!」

 つまり信盛が成果を上げていない事に信長は怒っているのだろう。そのまま元の席に戻ろうとする信長の裾を信盛は掴んで懇願し始めた。

「お待ちください! 確かに」

「離せれ者が!」

 信盛を蹴り飛ばし、更に手にしていた扇子を投げつけた。それから席に戻り再び信盛に命じる。

「そなたように痴れ者に用は無い。織田家から去れ!」

 つまり織田家からの追放ということである。

「お待ちください御館様!」

 さすがにこれには今まで黙っていた道勝が口を開く。

「佐久間殿も決して手を抜いておった訳ではございません。それだけ本願寺勢が精強なのでしょう。どうか、もうしばしのご猶予を」

 頭を下げて懇願する道勝。そんな道勝にも信盛は気体の眼差しを送り同じように頭を下げるが、信長は信盛と同じような目で道勝を見る。

「道勝」

「はっ」

「そなたは信長が織田家の家督を継いだ後に弟の信行に付いておったな」

「はっ?」

「つまり機会があれば儂の首を狙っておるのだろう!」

「なっ!」

 さすがにこれには驚く道勝。信長の弟である信行が謀反を起こしたのはもう二〇年以上前になる。それからずっと織田家のために仕えてきたのに、その事を今更言い出すのは酷すぎる。

「そのようなことがあるはずがございません! 確かに信行様に加担しましたが、それは二〇年以上前のこと、その後はただ織田家のために尽くして参りました」

「では、そなたは何をやって尽くして来たのだ」

「はっ?」

「そなたはこの二〇年以上何をやったと聞いておるのだ!」

 怒鳴りつけてくる信長に道勝は思わず身をすくめる。確かに道勝の仕事は裏方が多いから目立った功績は無い。それをどう説明すればよいといわれても困るだけだ。それは道勝もそれを信長が分かっていると思っていた。だからこそ、目立った功績を作ろうとしなかったのだ。

 だが今はそんな事を言ってられない。どんな事でも良いから目立った功績を上げなければ。そして道勝が思い悩んだ時だった。誰にも負けない功績を思いついた。

「し、信玄の首を取ったのはこの林家でございます。それをお忘れでしょうか。それに長篠では御館様を直々にお守りしました」

 武田との戦いで得た功績を語る道勝。だが信長は再び席を下りて今度は道勝と目線を合わせる。

「道勝、まだ分らぬのか?」

「はっ?」

「信玄の首を取ったのも、長篠で精霊達を撃退したのもそなたではなかろう。小松と閃華、この両名であろう!」

「ですが、二人とも林家の」

「だが、そなたは何もやっておらぬではないか。それでは信盛と一緒に痴れ者だ。そなたにも用は無い。織田家から去れ」

「お、お待ちを。それでは小松と閃華が救われません」

 信長は道勝のまげを取るとそのまま掴んで投げ飛ばす。

「まだ分らぬか道勝!」

「……」

「そなたは小松と閃華という精強な兵を得ていたのだぞ。それを遊ばせておいて何もせずとは、それでよく一軍の将が務まるのかと申しておるのだ!」

 そういわれれば言い返す言葉が無い。確かに小松と閃華の力は戦に出せばかなりの戦力となっただろう。だが道勝は小松可愛さに戦に出さず、閃華も小松と契約したから利用しという考えが思い浮かばなかった。

「これで分っただろう、そなたらの罪が。今まで織田家に仕えてきたのだ、命だけは助けてやるからさっさと去れ!」

『お待ちください!』

 道勝と信盛は更に懇願しようと呼び止めようとするが、信長はさっさと部屋を後にしてしまった。

 取り残される二人。もう交わす言葉も無い、ただうな垂れるだけである。

 なんでこんな事になったのかも分らない。もちろん、裏切りを考えたり手を抜いた事は無い。織田家のために必至に働いてきた。それなのにこの仕打ちは酷すぎる。

 ただただ、いろいろな考えが頭を巡り、うな垂れながら時が過ぎていく。もちろん交わす言葉も無く、これからの境遇を考える余裕すらない。



 道勝が帰ってきたのは、かなり夜が更けてだった。そして出迎えた小松も侍女達も魂が抜けた道勝に言葉を掛けても返事は無く、ただ自室に入っていくのを見送るだけだった。

 それからすぐに小松は閃華を自室に呼ぶ。やはりこういう時に頼れるのは閃華なのだろう。

「先程の旦那様、まるで魂が抜けたようでした。なにかあったのか知りませんか?」

 小松の問に閃華は少し考える。確かに思い当たる事が少しあるが確定しているわけではないし、閃華自身も信じられなかった。

 だがエレメンタルロードテナーとなった信長にはその可能性があるのも確かだ。

 う〜ん、まさかあの噂が本当じゃったんじゃろうか。あくまでも噂じゃと思っておったし、旦那様は織田家の家老職じゃ。そんなことがあるはずがないんじゃが。……あの御館様の事じゃ、もしやしたら。

「確証は無いんじゃが」

「それでも知っている事は教えてください」

「最近巷ではとある噂が流れておる。なんでも御館様の周りに謀反が続くから怪しいのを斬り捨てていこうという噂じゃ」

「それなら私も聞いた事があります」

 強すぎる権力には必ず謀反が出る。エレメンタルロードテナーなどという最強の力を有しているのだから信長の周りに謀反が出て当然といえよう。

「ですが、御館様は神に最も近い存在。謀反人も出ましょう」

「うむ、そこが一番問題なんじゃ」

「と、言いますと?」

 もし、これは御館様の性格にまつわる問題なんじゃが。もし、御館様が裏切りというのを嫌うお人なら、これを最も排除しようとするじゃろう。たとえ、その可能性が薄くても信頼が置ける人物だけで周りを固めようとするんではないじゃろうか。

 そんな完璧主義的なやり方で世が治まると思わんが、エレメンタルロードテナーの力がある以上はそれが可能じゃ。

 ……そうか! 今まで御館様に時々感じていた不安。それは御館様が完璧主義ではないじゃろうかということか。つまり、エレメンタルロードテナーの力を手に入れれば信頼できるかどうか分らない人間は不要。逆に斬り捨てた方が安心じゃ。……となると。

「もしやしたら、御館様は旦那様の事を謀反の疑いがあると思ったんじゃ」

「決してそのようなことはありません!」

「そこで怒鳴らなくても分っておる。じゃが、御館様の事じゃ。もしや何かしらの事で疑いを掛けられたのじゃろう」

 それを聞いて黙っていられなくなったのだろう。小松は立ち上がると部屋を出ようとするが、閃華は慌ててそれを止める。

「離しなさい閃華!」

「今はそっとしておいてやれ。時が来れば話すはずじゃ。無理に聞けば心を乱すことになるぞ」

 それを聞いて小松は困った顔になると一応納得したのだろう。再び座り溜息を付いた。

「ただ待つというのもつらいですね」

「一番つらいのは旦那様じゃ、それぐらいは察してやれ」

「ええ、そうですね」

 それから更に時が過ぎ、夜が明けて朝食が終わったときだった。



 道勝は登城せずに小松と閃華を部屋に呼び全てを話した。

「何故ですか! 旦那様はあれだけ織田家に尽くして来たのというのに!」

 感情を抑えきれないのか叫ぶ小松を閃華は押さえ込む。だが道勝はもう全てを受け入れたのだろう。静かに座りながらこれからの事を話し始めた。

「まあ、儂も年だ。隠居してもおかしくは無い。だから追放ではなく隠居と考えよう」

 そう考えた方が気が楽なんじゃろうな。

 道勝の心中を察した閃華はなるべく明るく振舞う事にした。これ以上、怒ったり沈んだりしたら道勝が傷ついてしまう。

「なら、住まいを変えたらどうじゃ。ここでの暮らしは飽きたからのう。どうせなら他の土地に住みたいものじゃな」

 つまり織田の傍にいたいほうが良いという閃華の判断だ。織田が傍にいればどうしても道勝が気にしてしまう。そうなるくらいなら織田から遠のいた方が良い。

「だな……どうせなら京にでもいくか」

「京か、なるほどのう。あそこならいくらでもうまい物がありそうじゃ」

「あなた達はそれでよいのですか!」

 思わず声を荒げる小松に道勝は顔を伏せて、閃華は目をそむける。

「今回の仕打ち、あまりにも理不尽極まりないものではありませんか。それを黙って受け入れるなんて、どうみてもおかしいでしょう!」

 しかたなく小松と向き合う道勝。

「それは儂も良く分かっている。だが御館様の命だ。逆らえば儂の命が飛ぶじゃろ」

「ですが!」

「とりあえず落ち着け小松。そしてよく周りをよく見ろ。一番辛いのは誰じゃ?」

 閃華にそう言われてやっと冷静さを取り戻す小松。確かに辛いのは道勝だ。そんな中で自分がこんなに騒いでは道勝を困らせるだけではないか。

 やっと口を紡ぐ小松。

(ですがこれはあんまりです。確かに旦那様は信行様に加担しました。ですがその後は二心など抱かずに織田家に奉公されたではありませんか。それを今更信行様に加担したという理由で追放など酷すぎます)

 確かに納得できるものではない。だがエレメンタルロードテナーになった信長には道勝は邪魔な存在だけだったかもしれない。どちらにしても理不尽な処置なのは確かだ。

(なぜ、なぜ私には何も出来ないのでしょう。もう少し力があれば、旦那様のお役に立てたのに)

 だがこればかりはしかたない。信長直々の命だし、誰にも覆す事は出来ないだろう。だからもう、小松は黙り込むしかなかった。

 小松が静かになったので安心したのだろう、閃華と道勝は再び今日の話し戻り、その横で小松は不機嫌な顔をしている。まあ、道勝と違い先程この話を聞いたのだから不機嫌なのも分からなくはない。逆に道勝はもう隠居してもよい年だし、諦めがつけようとしているのだろう。

 そして閃華はというと落ち着いたものだ。昨日の時点からこの事態は予測できたし、信長の性格からなんとなくこういう事になるのではないかと感じ取っていたのだろう。

 まあ、こうなってしまったものはしかたないからのう。旦那様の驚きは私達以上じゃし、先程の事もあるからのう。後で小松に言っておくか。

 そらから閃華の計らいでとりあえず小松と閃華は部屋から出ることにした。これ以上小松が騒げば道勝に心労が溜まるかもしれないからだ。

 そして部屋に戻った閃華と小松はこれからの事について話し合いを始めた。



 なにしろ道勝は織田家を追放されて無職になったのと同じである。そんな者が何人もの使用人や家来を雇い続ける事は出来ない。それだけではなく、もう安土からは出て行くのだから新たな新居もどこかに構えないといけない。つまり、家の後始末に追われる事になる。これで林家は断絶なのだから。

 まず小松達が取り掛かったのは大量にある荷物の整理だ。いらない物を捨てて最低限のものにまで物を減らしていく。織田家を追放された以上、これまでのような裕福な生活は出来ない。そんな中でも何人もの家来が去って行き、作業ははかどらなくなるがやっと全てをまとめる事が出来た。

 それから使用人達の解雇。これはしかたない。この時代、上位にいる武士には必ず何人もの使用人、つまり主家でなくその家に仕えているものがいた。中には兵となるものもいるがほとんどが私生活周りの仕事をこなしている。そういう使用人たちを全て解雇した。

 そして使用人達もこうなることは分っていたのだろう。泣きながら小松に別れを告げると次々と林家を去って行った。こういった裏の事を取り仕切るのも妻である小松の役目だ。

 そして最後に残ったのは、道勝と小松、そして閃華だけだった。閃華は契約も破棄できたが、ここで見捨てるのも忍びない。せめてその生涯だけでも看取ってやろうと最期まで付き合う気のようだ。

 こうして林家は断絶、同じく追放された佐久間信盛にも同情の目を向けられたが、それ以上に信長に恐れの目を向けるものが多かった。

 そして遂にこの家を出るときが来た。

(今思えば、織田家のために何度も住まいを変えてきましたね。ですが、これも全て織田家のためと喜び勇んで準備をしたものですが、今回ほど気が重いときはありませんでした)

 まあ、そうだろう。今回は織田家の転居ではなく追放である。そんなのを気乗りでやる奴などいない。

 だがそんなことよりも小松には心配事があった。

(織田家を追放されてからというもの、旦那様の食事が細くなりました。此度の転居でお心が変わればよいのですが。このままでは病にかかってしまいそうです)

 小松がそんな事を思いながら閃華達は安土を離れて京へ上がった。



 今までの暮らしに比べればかなり貧相な生活になっただろう。だが小松は文句の一つも言わずに畑仕事まで始めた。まあ、このまま隠居生活も悪くは無いだろう。

 だが心配事はあった。

(旦那様はやはり未だ織田家のことが忘れられないのでしょう。食欲が無いようです)

 こちらに来れば気持ちの切り替えで元気が出ると思ったが、よほど織田家の事が忘れられないのだろう。特に何かをするわけではなく、京の町に出た時に織田家の話を聞けばすぐに喰らいつく。そんな生活をしていたのだから、よほど今でも織田家に執着があるようだ。

(ここでの生活も悪くないというのに、旦那様もお早く織田家の事を忘れてくれればよいのですが。別に暮らしに困ってるわけではない。楽隠居といっても良いくらいの生活なのですが)

 今まで織田家の家老でいたのだから、これからの生活に困る事は無い。余生をゆっくり過ごす人生も良いと小松は思っていた。

 だが道勝は未だに織田家の家老であったことに執着があるらしい。だがそれもしかたない、道勝にとって織田家の家老という立場は誇りであり全てだったのだろう。

 それを失ったのだから精神に掛かる負担は大きいものだ。

 京に移ってから数ヶ月、とうとう道勝は病に倒れた。病状は不明、どうやら織田家から追放された心労から来ているものだろうが、今更どうする事も出来なかった。

(やはり織田家から追放されたのが堪えているのでしょう。なんとか、気を取り戻してもらわないと)

必至に道勝の看病を続ける小松。その傍らで閃華も小松を手伝っていた。

 ……あまり、思いたくない事じゃが。旦那様はあまり長くは無いじゃろう。もう年だし、織田家を追放された事が相当堪えたようじゃ。まあ、今まで織田家の家老が一気にこんな生活に落ちたんじゃからのう。心労は絶えんじゃろう。

 そして閃華が思っていた悪い想像は現実となる。

 京に移ってから一年。遂に道勝はこの世を去った。

(なぜ、なぜ旦那様が逝ってしまうのです! どうしてこんなことに!)

道勝に寄り添い泣き叫ぶ小松に掛ける言葉が無い閃華は、いたたまれずにその場から去ってしまう。

その後も小松は未だに道勝に寄り添う。

(旦那様、旦那様! ……くっ! やはり織田家ですか。織田家追放がそこまで旦那様を苦しめたのですか!)

 二人の仲が良かっただけに耐え切れないのだろう。いや、小松はどこかにぶつけないと耐えられないのだろう。それが織田家だったに過ぎない。

 だからこそ、小松の恨みは織田家へと、いや、信長へ向いたのかもしれない。

(旦那様、確かに織田家ではいろいろとありました。だが、信長様に叛こうとした事は一度も無いはずです。なのに、何故このような仕打ちを受けねばならぬのです! そこまでの事を旦那様はしたのですか?)

 そう聞かれれば誰もがしていないと言うだろう。だが信長にとっては何もしていない事が罪なのだろう。

 小松は一旦涙を拭く去ると道勝の手を取る。未だに少しだけ暖かい感触が伝わってくる。

(もう、この手は私を撫でてはくれないのですね。触れる事すらできないのですね。二度と……旦那様の温もりを感じられないのですね)

 だからだろう、小松は道勝を感じるかのように頬を撫でて、少しずつ冷たくなっていく道勝を何度も撫で続けた。

(違う、こんなのは違う! 旦那様が、旦那様は……)

 小松は道勝の手を戻すと今度は覆いかぶさるようにして、失われていく道勝を少しでも感じ取ろうとする。

(旦那様、私がこの林家に嫁いでからというもの。毎日が幸せでした。確かに子の産めない私でも可愛がってくださり、生涯愛してくださいました。だから私は……旦那様のお役に立ちたかった。閃華と契約して力を得ればそれが出来ると思っていた。……けど、私は無力だったのですね。旦那様が一番苦しんでいる時に支える事が出来なくて)

 悔しかった。寂しいのでも悲しいのでもない、ただ悔しかった。何かが出来ると思っていた自分、役に立っていると思っていた自分。それは全て小松の幻想に過ぎないのだったから。

 そして道勝の体からは生気が消えて行き、唇も紫色になっていくと小松は自分の紅を持ってきて唇に塗る。

(武士は死んでも桜色、せめて旦那様は最後まで武士でいてくださらなければ)

 顔の色は完全に生気を失っているが、唇の赤が今までの道勝を思い出させて小松は再び道勝の腕に抱かれる。

(お許しください旦那様。私は何も出来ませんでした。何もやり遂げる事が出来ませんでした。だからこそ、この思いは墓まで持っていこうと思います。だから向こうでも、再び夫婦になってください。お願い申し上げます)

 悲しいほどに夫を思う妻の心。それこそがこの夫婦だったのだろう。



 その頃の閃華はというと、外に出ると未だに少し冷たい夜風が頬を撫でる。

 とうとう来たか。まあ、こうなると分っておったが……やはり寂しいものじゃのう。今まで仕えていただけに、私まで泣きなくなってくるではないか。

 じゃが、これはしかたないことじゃ。人間はいつか死ぬ。そんな事は分りきっている。なのに何故受けきれないんじゃ。

 小松と道勝、この二人は本当に仲の良い夫婦だった。閃華が小松に目をつけた本心も実は二人の関係にある。あれほど互いに思い思われる、これほどの物があるのかと、だからこそ閃華はこの二人の関係をもっと見続けたいと思った。人が互いに思う姿がこんなにも美しいと思わなかったから。

 そしてそのために小松と契約した。

 だが……道勝はもういない。もう、あの夫婦の姿は見ることが出来ない。それだけ、ただそれだけなのに。閃華の頬に涙が流れ落ちて、口からは嗚咽が勝手に出てくる。止める事なんてしない。そんな事をしても意味は無いから。

 そして閃華の悲しみは静かな夜に溶けて行った。



 それから一年、最初は魂が抜けたような小松であったが、今ではすっかり以前の明るさを取り戻していた。そして閃華も同じように振舞っている。

 もう、あれから一年以上も経つのである。いつまで沈んでいても意味は無い。

 まだ夏が遠い気候の中で小松も閃華も畑仕事を良くやっているし、小松などは時々京の町に出ては芝居見物などもしている。決して道勝の事を忘れたわけではないが、やっと振り切れてきたのだろう。

 そしてその日も小松一人で芝居見物のために京の町に繰り出していた。閃華はあまり芝居は好きではないようだ。それよりか家で書物を読んでいる方が多い。

 芝居小屋に入る小松。そしてその日の芝居はちょっと変わった物だった。

 内容は信長が前の将軍足利義昭を追放する場面を描いた芝居だったが、その後が変わっていた。なんと、その義昭が信長に復讐をするのだった。

 どうみても現実的には無理だろうという身のこなしで信長の寝所に潜入する義昭。そしてそのまま信長と刃を交えるが返り討ちに遭ってしまい、芝居は終わった。

 まあ、信長の天下である。信長が殺されるような芝居は出来ないのだろう。だが小松の胸にはある思いが生まれ始めていた。

(……)

 芝居が終わっても小松は席を立とうとはしなかった。まあ、次の芝居を見るために席に座り続ける人も多いのも確かだが、小松の心には何か別なものがあったようだ。

 そんな時小松の横から小声で妙な話が聞こえてくる。

「よお、この芝居実は実際に義昭様が信長を討とうとしてる企みから出来てるみたいだぜ」

「本当かよ! でも義昭様は追放されたんだろ」

「そう、そこが肝よ! つまり義昭様は死んでない。いくらでも復讐できるってワケさ」

「なるほどね〜、だからこんな芝居を書いたんか」

(死んでない? そうか、義昭様は死んでおられないんでしたね)

だが話はそれで終わりではない。二人してその話をしていた一人がもう一人に耳打ちする。だが声が大きいのだろう。小松にもしっかりと聞こえてきた。

「しかもよ、義昭様は実際に信長への挙兵を考えてるらしいぜ」

「嘘だろ!」

(ッ!)

 思わず大声で反論してしまう相手に慌てて指を口に当てて静かにさせる。それを聞いていた小松も驚きを隠せないようだ。

「それがよ、俺も聞いた話なんだけど。どうやら義昭様は坂本に居て兵を挙げようとしてるんだってよ」

「なんでそんな場所に」

「馬鹿だな、お前。坂本といえば明智様の領地だろ。つまり、明智様と義昭様が信長の天下を覆そうとしてるんだよ」

「その話は本当ですか!」

 思わず話しに入り込む小松。話していた二人は驚くばかりだが、義昭の事を話していた者は頷くばかりだ。

 それから小松は懐から財布を出すと小判を差し出す。こういった話は普通他人には話さないのが普通だろうが、金銭が絡んでくると急に口が軽くなる物だ。

「これでその話、良く聞かせてください」

 最初は戸惑う二人だが、目の前に小判を受け取り知っている事を全て話した。

 それからここでの話は誰にも漏らさない事を約束に小松は更に金銭を渡して芝居小屋を後にした。

(旦那様、一年以上の歳月を掛けてしまいましたが、やっとお役に立てる時が来ました。ですから見ていて下さい。必ずやお役に立ちます、旦那様のために)



「閃華、私はしばらく旅に出ますから留守番お願いします」

 芝居見物から帰ってくるなり、突然荷物をまとめ始めた小松がそんな事を言い出したので、閃華は驚き立ちすくんでしまった。

「小松、いったいどうしたんだ?」

 だが小松は作業の手を休めることなく簡単に答えるだけだった。

「湯治と明智様に用がありまして坂本へ行ってきます。それで準備をしているだけです」

「なら私も行こうか?」

「いえ、閃華は留守番をお願いします」

(これは……誰にも知られてはいけない事ですから。それに閃華が知ったら止めるでしょう。だからこそ、私一人でやらねばならないのです)

 荷物をまとめながら小松は更に思いを募らせる。

(確かに閃華がいれば心強いでしょう。けど、旦那様の無念は私自身が晴らさないといけないのです。そのためには一人で行くのが一番良い。そして誰にも漏れないように閃華にも話しません。)

 だが、そう思うと閃華自信のことがふびんと言うか心配させるのではないかと思ってくる。

(許してください閃華。これは、これだけは私自身の手でやり遂げたいのです。だから後のことは任せます。身勝手な私を許してください)

 それから数日後、閃華を残して小松は坂本へ向けて旅立っていった。



 更に時は過ぎ、五月の半ば。坂本にある名も無い廃寺ある。だが一応雨風は防げるようで中ではお経を上げる声が聞こえている。

 その廃寺の前に小松は立っていた。

 辺りは雨が降り、随分と湿気が高くなっている。そんな中で小松は中に入り笠を取ると平伏する。

 だが和尚は小松に気付いているのかいないのか、読経を続けている。

 そんな中で小松は読経を遮り言葉を掛ける。

「初めて御意を得ます。足利義昭様とお見受けしましたがお間違えないでしょうか?」

 和尚はやっと読経をやめると小松に振り向いた。平伏している小松を見下ろすように見定めるとやっと口を開いた。

「どうしてそう思いなさる?」

 どうやらあくまでもシラをきるつもりのようだ。そんな義昭の心中を察したのだろう。小松は真っ直ぐと義昭を見つめる。

「義昭様のご健在を聞き及び、ぜひともお話がしたくて探しておりました」

 その言葉に和尚は笑ってみせる。

「なら正直に言おう。確かに元の名は足利義昭と申すが、今は一介の和尚だ」

「ご冗談を言わないでください!」

 いきなり声を荒げた小松にさすがの義昭も驚いたようだ。

「義昭様が信長様に兵を上げるのは聞き及んでおります。恐れながら私も契約者、現在は精霊を連れてはおりませんが、ぜひとも明智軍に加えて欲しいのです」

 義昭は少し考えると、やはり軽く笑みを向ける。

「何を言い出すかと思えば、そのような噂は聞いたことがあるが、この義昭はそのようなことを考えた事は無いぞ」

(やはりそう簡単にはお心を話してはくれないか。なら、一気に畳み掛けるしかありませんね)

「ここに来る途中、坂本城下の事を調べました。なんでも中国の毛利へ援軍に向かう手はずでしょうがそうは思えません。兵糧があまりにも少ないし、兵達にもちゃんと指示が届いていない。これはどういうことでしょう」

「それは光秀の指示でやっておることだろ、儂は知らんぞ」

「ですが、このまま明智様が羽柴様の援軍に行くとは思えません。狙っているのは信長ただ一人ではないでしょうか?」

「そうはいわれてものう。確かに儂も信長に追放された身、恨んで当然だろうが力が無い。だから信長を討つだのとてもとても」

(くっ、だめか。ここまで話してシラをきられると攻めてがない。……なら最後の手段です)

「申し送れました。私は元織田家家老、林道勝の妻で小松と申します」

「林道勝……?」

 どうやらすぐには思い出せないようだが、義昭は思い出したようで手を叩いた。

「そうか、一昨年織田家を追放された林か」

「はい、その妻でございます」

「うむ、ならそなたの事は聞いておる。契約者でありながらかなりの働きをしたと」

「恐縮です」

 頭を下げる小松に義昭はやっと傍まで寄って来てくれた。

「なるほど、同じ追放された身。儂を頼ってきたということか」

「いえ、違います」

 戸惑う義昭に小松は本心をぶつける。

「先程も申したように明智様が謀反を起こす事は必至。そして義昭様が明智様と朝廷を結んでいる事も推測が着いております。ですから、その明智軍に私をお加えください。必ず信長の首を取って見せます」

「……敵討ちか」

「はい!」

(そう、それがたった一つ旦那様のために出来る事。旦那様が亡くなったのは全て信長の所為。何故二〇年以上前のことで責を負れて追放され。旦那様は……さぞや無念だったでしょう)

「ですから、私を明智軍に加えてください。お願いします」

 頭を下げる小松。

(そう、信長を、信長さえ倒せば旦那様の魂は救われる。無念が晴らせる。そうすれば旦那様も喜んでくれる。これで心置きなく安らかに眠れるのだから。もう、亡くなった時のように苦しむ必要は無いのです)

 義昭は手を顎に当てると考え込み、考えがまとまったら立ち上がった。

「よかろう、儂から光秀に推挙してやろう」

「あっ、ありがとうございます!」

 平伏して忠誠を示す小松。

(これで、これで旦那様の敵が討てる! 待っていろ信長、必ずその首を貰い受けて上げます!)

 だが小松は気付いていない。それが契約者にとって最大の罪である事を……。







 そんな訳で今まで最長になってしまった今回の話はどうでしたでしょうか。つ〜か、疲れました。風邪はひくし、小松の心情は表せきれないし、言葉は出てこないし、かなり苦戦しましたがやっと上がりました。

 さてさて、今回は一気に話を進めましたが、一応それなりの説明は入れたつもりです。なので、分からないことがあったら勝手に調べてくださいね・~ヾ(゜ー^*)

 さあ、次はよいよあそこだ!!! もう想像はつきますね。想像が出来ない人は歴史を勉強してください。

 さてさて、そんな訳で次はあれと閃華の戦闘になると思います。えっ、閃華が誰と戦うかですって。ふっふっふっ、それはかなり意外な人物ですよ。まあ、誰も想像できないと思いますが次回をお楽しみください。

 それから、最近ではこの後書きの内容が薄くなってると思っている方、間違っていませんよ。というか、ほとんどノリはブログに持って行ってますからね。まあ、以前ほどはっちゃけてはいないことは確かですね。……というか、真面目になってる?

 さてさて、閃華の過去編は残すところ後二回になると思います……たぶん。……やっと終わる――――――!!! いや〜、長かったね。というか一〇話は使ってるよ。けど、これで現代に帰れます。というか、やっと話が進みます。まあ……これからの詳しい話はまだ考えてないんだけどね。

 そんな訳で、現代に帰ったエレメもご期待ください。

 ではでは、ここまで読んでくださりありがとうございました。そしてこれからもよろしくお願いします。更に評価感想、投票と人気投票もお待ちしております。

 以上、今回の話は最長になったなと思った葵夢幻でした。

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