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1話 久しぶりに隣大陸に戻ってきたわ

新章開幕!

副題通り王子や王女、オッチャンの住む大陸に戻ってまいりました!

つまりっ、オッチャンの出番到来!?


凍「いや、章の名前見ろよ。完全に人間たちの出番少ないだろ」

焔「魔獣がメインだってバレバレだよねっ」

雷「安直なんだから無理に伏線張ったりしない方が良いわよ?」

花子「……私は予想外の伏線だったような?」


気にしてはいけない


では、本編どうぞ~

3週間ほど掛けて帝都から王都に移動した。最短でなら2週間で済むんだが今回の目的は観光だから、各都市で適当にギルドで仕事をしながら花子が興味を持ったものを見て回った。初めての長距離船に戸惑っていたが酷い船酔いにはならなかったな。繊細そうに見えても結構図太いところあるんだよな。

そして、どうやら帝都で流行っている天使と勇者の話はこっちでも人気らしい。キスタニア王女の居る都で聞いた話だと劇の開催の度に満員に近い集客があるようだ。ちなみに王女と戦闘員の仲は上々だった。喫茶店のオープンテラスで『あ~ん、美味しい?』とかされると素直に邪魔したい。あ、雷のバナナパフェも美味いな。もう1口くれ。とりあえず、王女の情けない時の話と戦闘員の情けない言動をお互いの居る所で暴露してやったら逆に仲が深まった。訳が分からないよ。

そして、王都で黒スライムが暴れた時の話を題材に劇の脚本は書かれたのだが、いざ発表しようとしたら帝都で王子が活躍して脚本家が続編を書くことにしたらしい。俺たちの容姿に関しては王子がボカすように口添えしてくれていた。と言っても俺たちは毎回服装が違うから問題は髪の色だけだったようだが。それも最近人間たちの間で流行っている髪染めでコスプレ扱いだ。洗って落とせる使い切りタイプらしい。人間主義の魔都キャトルミューティレーション製コスプレセットは要らんかね~?


「あら私たちの武器は剣で統一されているのね」

「双銃に法剣テンプルソード斧槍ハルバートに水の刀。扱いも用意するのも難しかったのかもしれませんね」


そして現在俺たちは王都の劇場で帝都英雄譚を見ている。武器は全員剣だな。メイド長はちゃんと盾でオッチャンもライフルを持っている。けど俺たちは全員剣。

ちなみにオッチャンの水ゴーレムは本人が提供して再現されている。本当の大きさでは扱いづらいからと本物より少し小さめだ。あのゴーレムはキスタニアの主要都市に配備されることが決まったらしい。恐ろしいジジイだ。魔石の術式や液体の成分を調整して他のゴーレムが作れないか実験していると王子は言っていたな。


「何か変な気分だねっ」

「本当にな」


舞台ではいよいよ天使が3体の異形の化け物と剣を交えて戦うところだった。相手は禍々しい飾りのついた黒装束だ。何か工夫して身長は2メートルくらいに見せている。あの異形は閉鎖空間では強敵だったが解放された空間だと体格が活かせなくてそれなりに楽だったな。

それにしても、まさか魔獣の自分がやったことが人間の娯楽になるなんて思ってなかったな。入場の時には髪の色はコスプレだと勘違いされたみたいだったし。


「懐かしいねっ」


本当にな。と言っても1ヶ月くらいしか経ってないんだがな。




王都で最初に向かったのは前の宿だ。王子が前に貸してくれた家は使えるか分からなかったから取り敢えず宿を取ることにした。オバチャンは俺たちのこと覚えてたよ。そして焔と雷と花子を見てから殴りかかってきた。

俺がメチャクチャ不誠実に3又かけていると思ったらしい。まあ否定はしない。でも王都を出る頃には雷は居たと思うんだ。そして3匹揃って嬉しそうに笑ってやがった。嬉しそうなメスたちの顔を見るのが恥ずかしくて激しい夜にして誤魔化した。うむ、良き哉良き哉。


翌日はギルドへ。焔に雷に花子は疲れ気味。体力無いな。

ああ、今日も王都のギルドはドピンクで目に痛いな。花子は人間のセンスを疑ったけど人間もこのセンスは疑うぞ。現に冒険者たちはこの建物に入るところを見られたくないらしい。

いざ出陣、との意気込みで入ればバーみたいなギルドの中にはやはり数人の冒険者たちとカウンターにナイスミドルのギルド長。見た目だけなら筋肉隆々のナイスミドル、しかしてその実態は!?


「お久しぶりぃー! ずっと会いたかったわぁ~!!」


超残念なオネエだ! しかも金髪美女の妻子有り!!

花子が立ったまま気絶しおった。やっぱインパクトが違うよな。俺たちはよく気絶しなかったよ。過去の自分たちを褒めてやりたい。今でも悪夢に出演してくださる迷惑なギルド長に乾杯。


「もうっ、ずっと連絡も無いから心配してたのよぉ。王子から帝都に行ったって聞いたっきり何も情報が入ってこないんだものっ」


お~い、花子起きろ~。

返事がない、ただの魔獣のようだ。

いや魔獣だけどさ。

気絶した花子の手を取って王都の冒険者登録を済ませて退散。これ以上は精神が保たん。


粋がった冒険者が俺のメスたちに手を出そうとしたから利き手じゃない方の肩を脱臼させて宿に帰宅。利き手かどうかは構えで判断したから逆だったらドンマイ。


で、今後の話をしていたら夕方になって王子が訪ねてきた。仕事はどうした?


「1ヶ月ぶりだというのにご挨拶だな。まあ良い。王都を襲撃した炎狼の残した手紙だ、お前たちが見るべきなのだろう?」


あ、そういや焔の親父さんがボコボコにされて捕まってたんだ。でも警備はザルで簡単に逃げ出せるようにしといたんだっけか? 下手に厳重に警備しても被害が広がると王子にアドバイスしたら『最初から逃げられるように兵士には抵抗しないで道を開けるように言っておく』と言われたんだ。俺たちが都で王子と合流したときには逃げ出した後みたいだったな。


「帝都から帰ってみたら私の執務卓の中に入っていた。前から思っていたんだが、魔獣というのは文字を書けるのか?」

「村の外に出る用にな。知っていると便利だから子供の時に最低限の勉強はしたよ」


王子以外の全員で覗き込むように手紙を読んでみると王都から氷狼の村までの戻り方が書いてあった。最初はゴブリンの頭に湧き水の場所を聞いて、周辺の植物魔獣に昆虫魔獣の少ない森の奥までの経路を聞いたら匂いで分かるだろ、って書いてあった。

王都からは氷狼の村の方が近いのかもしれないな。


「サンキュ。これで村に戻る方法は分かった」

「ああ、村までの経路だったのか。あとこれをやろう。せいぜい楽しんで来い」


そう言って渡されたのは劇場の入場チケット。裏には座席番号と座席の地図が書かれていて結構良い席だった。


「ちょっとした余興だ。ではな」


そう言って王子は去って行った。

手元には氷狼の村までの戻り方と劇場のチケットが4人分。ちゃんと4匹分用意する辺り王子は気配りができるな。


で、冒頭に繋がる。

娯楽としてのレベルは高いのかもしれない。観客は結構興奮した様子で見ていた。俺からしたら気恥ずかしいだけなのでさっさと終わってほしかった。雷と花子も同様だが、焔だけは違った。


「凍はもっと速く動けるのにぃ」


そりゃ劇だしやってるのは人間だから再現できないだろ。プンプンと擬音が付きそうな焔を宥めながら帰宅。

今の焔なら暴走しないだろうから明日は氷狼の村を目指す。両親に嫁が決まったって報告しないとな。ちなみに、花子の両親には言ってない。俺たち余所者がジャングルに入ったら戦争が起きる。花嫁の故郷を壊滅させる気は無いよ。


凍「久しぶりに俺たちの武器にルビが付いたな」

焔「私の武器は普通なら『ほうけん』って言うもんねっ」

雷「私の斧槍なんて切り替えると槍斧よ?」

花子「あれ、私だけ普通の刀ですか?」


あなたのが1番不思議な武器です

水を纏えて飛ばせる刀とか超見たいです

法剣は現実的じゃないとwikiとかで言われるけどやっぱり見たい!

いつか完成品できないかな?


と思いつつ、次回は1日の更新です

では次回~

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