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フェンリルさん頑張る  作者: けんしょ~
帝都その2
89/145

17話 変態の末路だよっ!

凍「変態の末路って、前回死んだだろ?」

雷「顎を散弾で抉られて四肢を切り落とされて魔獣の餌にされたのよね?」


想像してみるとグロくて吐きそうです

グロイのとか怖いです


花子「何で魔獣が主人公の作品を書いているんですか……」

焔「変な作者さん」


だって人間主人公の話が思いつかなかったんだもん!


凍「茶番は終わりだ。本編どうぞ」

「ねぇ、母さん、何か言ってよ」


ギンガが所謂レイプ目ってやつでスバルに1歩踏み出した。一瞬怯えたような顔をしても直ぐに優しげな表情をしたスバルの考えは俺には分からない。ついでに怯えて俺の手を掴む霊帝の考えも分からない。


「何で、何も言ってくれないの?」

「私がギンガの生みの親じゃないのは、確かだからよ」


ギンガはスバルが親じゃないことに異常に怯えているみたいだな。今まで本当の親だと思っていた相手が実は赤の他人、3歳児には怖い話かもしれないな。

そんなギンガの怯えを理解しているのか、今度はスバルが1歩踏み出した。ギンガに見せつけるように大きく時間を掛けた1歩にギンガが後ずさる。それでも構わずスバルは大きく時間を掛けた歩調でギンガとの距離を詰めていく。

いい加減に速く終わらせてくれないと俺の手が霊帝に握り潰されそうだ。流石はドラゴン、洒落にならない握力だぜ。


「来ないでよ!」


おおっ、ギンガが振り払うように手を降ってスバルから距離を取ったな。しかも本人が精神的にダメージ受けててスバルは予想通りなのか何も感じてないかのように表情に変化がねえ。


「ギンガ、大丈夫?」

「わかんないよ! 母さんが母さんじゃないとか! 母さんが俺を騙してたとか! 全部わかんない!!」


人間の子供ってのは親に依存しないと安定しないんだよな。親代りでも良いけど、相手に隠し事をされるのが1番怖いんだっけか。

ギンガはまさにその典型ってやつかもな。信じたいけどまだ嘘が残っているんじゃないか、また嘘を吐かれるんじゃないかって不安になる。相手を守るための嘘があるって知らなければ確かに怖いんだろうな。


「なら、私が教えてあげる。ギンガの知りたいことも、私のことも全部。だから、こっちにいらっしゃい?」

「うぅ、あぁ」


どこまでも優しげな顔でギンガに向けて手を広げて受け入れようとしているスバルは普通なら感動ものなんだろうが、俺と霊帝には確かに見えていたんだ。ギンガがスバルから目を離した一瞬だけ顔を覗かせた、色欲溢れる緩んだ表情が。




結局ギンガは1歩ずつ近付いてくるスバルを拒絶しきれずに抱き締められた。その時のギンガの安心しきった表情はとても子供らしくて男の娘な見た目が本当に似合っていたんだが、抱き締めているスバルは駄目だと思った。ギンガが自分のことを拒絶しないのを利用して見てるこっちが恥ずかしくなるような仕草でギンガに愛を注ぎ始めた。

背中を優しく撫でていたかと思ったら尻を撫でまわしていたし、肩に顎を乗せていたはずなのにギンガの耳を舐めたり甘噛みしだした。クチュクチュと五月蠅い! 止めてっ、他人の情事なんて見たくないから!!

ギンガは普段からされているせいか抵抗もせずにくすぐったそうに体をよじらせたが、やられっぱなしは嫌だったのかスバルの耳を甘噛みしだした。しかも少しすると片手でスバルの体を抱き寄せて逆の手で顎を持ち上げて濃厚なキス始めやがった。

……何このバカップル。


「ああ、スイが言っていたのはこのことだったようだね。こんなものを四六時中見せ付けられたら心が荒むよ。今、無性に暴れたい気分だよ」

「そうだな。何か、変態紳士を殺さない方が良かったんじゃないかって思い始めた」


本格的に水龍に同情して良い気がする。今回に限れば水龍はむしろ同情されても喜びそうだし。

何かもう色々どうでも良くなった俺が霊帝と湖に行こうかとアイコンタクトで通じあった瞬間、奴は来た。


「れっいてっいさまああああああああ!!」


帝都の方から土煙を巻き上げて綺麗なナース服の変態が突然してきた。

……居たなあんな奴。


「凍! 仕事のアフターケアだ! あの変態をどうにかしてくれ!」


なんて無茶言いやがる。


「どおおおぅけええええっ!!」


ゴメン、心折れそう。ちょっと洒落にならない形相だわ。

もはや淑女と呼ぶのは不可能な程に歪んだ表情の化け物が霊帝が盾にしている俺に渾身のタックルで突っ込んで来る。

霊帝を抱えてジャンプ、勢いがつき過ぎていて止まれなかった変態は木の幹に顔面から衝突して動きを止めた。ズルズルと崩れ落ちて尻を上に突き出す姿勢になっているのだが、まるでエロい気分にならねえ。スカートが捲れてパンツ丸出しなんだが、虚しい。


「これも殺しておくか?」

「良いけど、医療現場の被害者が消えたら相当騒がれるよ?」

「犯された過去に耐えられなくて実行犯の1人と無理心中、お茶の間を賑わすには格好の話題じゃねえか?」


ついでに変態紳士の脱走の言い訳にもなると思うんだな、これが。


「凍、君は本当に腹黒いな」


五月蝿い。


「気絶してる今なら簡単に殺せるだろ。それに、餌付けしておけば水龍に会いに来る度に魔獣に襲われることも無くなるぞ」


変態紳士を投げた方からはバリバリムシャムシャマズイなんて聞こえてくる。人間の肉はやっぱり不味いよなと1番乗りした熊に同意しながら変態淑女の方を見る。


「確かに、ボクの安全のためにも彼女には犠牲になってもらおうかな」


そう言って倒れている変態淑女に近付いた霊帝は片脚を振り上げ強烈な踵落としで変態淑女の頭部を粉砕した。辺り一帯に脳漿のうしょうやら頭蓋骨の破片やらが飛び散って人間の匂いが広がった。気持ち悪い匂いだ。


「ボクはスイに挨拶して帰るけど、あの2人は放って置いて大丈夫かな?」

「心配性だな。ギンガは幻狼程じゃないけど強いし、スバルも元Aランクの冒険者なら平気だろ」


前に帝都で冒険者の戦闘を見たから高ランクの冒険者なら結構強いことは分かっている。


「俺は水龍に会いたいなんて思わねえからな、先に帝宅に戻っておくよ。ああ、この前病院で見つけた資料に面白いのがあったんだが」

「大丈夫、ちゃんと目を通しているよ。有効活用させてもらうさ」


なら平気だな。

病院の資料室には霊帝にとっても有意義な資料があったんだが、結局は帝都の魔石科学が必要だったから霊帝は最初っから帝都から離れるわけにはいかなかったんだよな。


「ボクの腕がどうなるかは帝都の科学者たち次第だね。本当に、ボクはいつまで帝都に縛られ続けるんだろうか……」


霊帝が帝都から離れられる姿が想像できないんだが、あえて言ってやる必要もあるまい。

さて、帝宅に戻って焔と花子がどうなったか見るか。


というわけで、帝都の変態共の末路でした


焔「綺麗にハッピーとバットで分かれたねっ」

雷「イチャイチャかムシャムシャか、変な2択ね」


今回は凍が食べなかったね


凍「変態淑女の肉にはちょっと興味あったけどな。だが興味より拒否感が勝った」

花子「もし食べていたら凍君もバットエンド直行でしたね」


ハハッ

では、次回で帝都編その2も終了です

いつものように裏話を挟んで新章に移りたいと思います


……実は物語の終盤に入ってきたんだけどそんな雰囲気が微塵も無い

どうしてこうなった?

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