15話 凍が……ポッ
凍「何だこの副題」
焔「それは本編のお楽しみだよっ」
雷「いい加減に焔と花子の殺気から解放されたいわ」
花子「胸~、胸~、オッパイ~」
……花子さんが壊れた
では本編どうぞ~
焔と花子による雷への糾弾で部屋の空気が最悪になってしまった。その空気に耐えきれなかったようで霊帝が凄いことを言いやがった。
「なっ、なら焔と花子も魔石を体内に溜め込んで雷は無理矢理にでも溜め込まないようにしたら良いんじゃないかい?」
つまり焔と花子には便秘になってもらって雷には下痢になってもらえと? 凄い無茶な話だし、何より体に悪い。
「ちょっと待った」
言った瞬間全員から凄い視線を浴びた。焔と花子は目が血走っているし、雷は本気で悲しそうに涙を流しているし、霊帝は超期待した目で俺を見てる。
……今更ストップかけただけですなんて言えねえ。
「焔も花子も、雷の胸が自分たちのだから怒っているのか?」
「そうだよっ!」
「あれは本来の私たちのものです!」
わ~、怖いよ~
「……その胸に、俺が誘惑されるのが気に入らないと?」
「うんっ!」
「雷が元々のサイズだったら私たちだってここまで怒りません!」
つまり、俺が雷の胸を意識しなければ良いのか?
…………無理だ。男なら誰だってあのデカくて綺麗な胸を意識しないなんて不可能だ。
「どうしたら、雷を許してやれるんだ?」
「無理だよ! だって、雷は」
「それでもだっ」
「うっ」
雷は確かに焔と花子の胸を奪ったかもしれないが、雷が望んだことじゃない。逆に俺たちの中で1番周囲との関係を気にする雷はかなり苦しんでいるはずだ。それが焔にも花子に死ねと言われて本当に悲しいのかもしれない。
それは何だか、お互いに悲しい話じゃないか?
「なら、凍君が胸に関係無く私たちを愛することができるって証明してください」
「証明?」
「はい。何でも良いですから、胸の大きさに関係無く、凍君が私と焔と雷を安心させられるだけの何かを示してください」
花子さんは難しいことを仰る。だけどそれは真理だ。俺は最近3匹のハーレムも悪くないと思っていたが、それは3匹が安心して俺の傍に居られるように努力し続けないといけないってことでもある。それが出来て無かったから今回は焔と花子が怒ったし雷が泣く羽目になった。
最悪だ。全部俺のヘタレが招いた状況だった。
……覚悟を決めるしかないのか……
「分かった。証明してやる」
これは、賭けだ。
時は報告会の直後、場所は俺たちの泊まっている家、状況は布団に4匹大集合。
今から何をするかって? ……真剣に言いましょう。ナニです。
「凍が私を愛してくれる? 凍が私に触れる? 凍が凍で凍な凍と凍って凍に凍の凍を凍へ凍で凍は凍だ!!??」
あ、気絶した。
おいおい、普段の変態度合いはどこに行った? 何でこんな時だけ初心なんだ?
「こ、凍君、本気ですか?」
何故か花子も少し怯えた様子。
どうした?
「いえ、その、凍君が自分からって、想像できなくてですね?」
ああ、確かにそうか。今まで俺からこいつらに触れることも少なかったもんな。
不安を取り除くためにもちゃんと俺からメスたちに触れてやらないとな、と思って花子の髪に触れながら少しずつ顔に手を伸ばす。
「安心しろって。確かに俺から触れることは少なかったかもしれねえけど、今からは俺から触りまくってやるからさ。それに、お前ら毎晩俺の体に触ってるだろ?」
「知ってたんですか!?」
いや、普通は気付くから。具体的に何してるのかを知ったのはこの前だったけどその前から夜中に俺で遊んでるのには気付いてたから。
花子に理解させるためにもなるべく近くで言ってやる方が良いかと思って耳元に口を近付ける。
「当たり前だろ? だから、今日からは俺がしてやるよ」
大きな声だと耳が痛いかと思って囁くようになってしまったんだが、
「キュゥ~」
花子さんも初心ですね。というか本当に普段の変態度合いはどこに行った。変態は旅に出たのか? 今だけで良いから帰って来い。
「……これは、寝ている焔と花子が起きるまでに前戯を済ませておけということか?」
「どんな鬼畜よ!」
ああ、ここまで空気だった雷さん。今回は大変でしたね?
「本当よ。焔は私をお墓にしようとするし、花子は思い出からすら消えろって言われるし……」
げ、また泣きそうになってる。
でもここで雷から始めたらまた騒ぎになりそうだしな……
「よし。雷は花子の前戯をよろしくな」
「…………は?」
あれ? 何か間違えた?
「いや、焔が起きた時にさ、俺が花子の胸とか触って焔に触ってなかったらどうなると思う?」
「変態看護婦をストーキングしようって言った時の比じゃないでしょうね」
それって周辺の野鳥とかが呼吸困難で落ちるほどの殺気が周辺に振り撒かれるってことだよな?
「でも2匹には雷とお前たちは対等だって示したい。そうすると俺と雷って組み合わせは最悪だろ?」
「……それで寝ている焔と花子を起こすためにも悪戯しようって言うの?」
「そうそう」
「豚箱に入ってなさい、この性犯罪者!」
「ええっ!?」
何で? どうして? 俺の何が間違っているって言うんだ!? Why!?
「と言うか、今までの逃げっぷりはどこに行ったのよ!?」
ああ、そう言うことですか。
「今回は俺のせいでお前も焔も花子も悲しい思いをさせたからな。それを挽回するのに比べたら俺の覚悟とかって邪魔だろ? だから排除してみた」
あ、飽きれてる。
「名誉挽回したい気持ちは分かるけど、発想が極端よね」
五月蠅い。
もう焔をやるから良いよ。そこで見てろ。
「メスが寝ているのを良いことに好き勝手に弄ぶオス……完全に婦女暴行犯よね」
何だろう、雷の酷い言葉を久々に聞いた気がする。でも久々だから安心する前に心が折れそう。焔、その体で俺を慰めておくれ。
顔を真っ赤にして倒れていた焔を抱き起し、後ろから抱きしめて服を脱がせる。胸は小さいかもしれないが、程良く引き締まって程良く柔らかいとても綺麗な体が顕わになった。まずは焔の気にしている胸に手を伸ばして触ってみる。確かに、前に帝都で触った時と比較してみると小さくなっているのがハッキリと分かる。でもそれは意識して初めて分かるサイズの変化だと思う。先っぽに指が当たると吐息が漏れる辺り、体はかなり期待していたみたいだ。これは虐め甲斐がある。
「焔に幸有らんことを」
雷が何か酷いことを言っているが気にせず焔の体を触る。焔の体は俺が体で支えて、左手は胸で右手は股だ。どっちの手にも焔の体が発する熱が伝わってくる。敏感な部分に触れた瞬間に無意識に体が少し跳ねて、その度に焔の目が少しずつ開いていくのが分かる。
ちょっとした悪戯心で、俺は思いっきり右手を強く持ち上げて焔の弱い部分を擦ってみた。
「ヒャアッ!!」
起きたな。
「お目覚めかな?」
「凍!? ええっ! 何これっ!?」
はっはっはっ、今夜は寝かせないぞ~
卒業生「……ん?」
卒業生、起立!
卒業生「ちょっと待てや!」
幼馴染「どうしたの、凍?」
女王様「何かあったのかしら?」
お姉様「さあ、私には見当もつきません」
こら、早く立ちなさい
卒業式の真っ最中ですよ
卒業生「いや、だから、この名前なんだよ!? 普段は『凍』って書かれてるのに何で今日に限って『卒業生』なんだよ! 時期外れにも程があるだろ!!」
五月蠅いですよ
では、国歌斉唱
卒業生「だ~か~ら~!!」
いや~、ようやくここまで来ました
長かったです
次回からはこの章の纏めとなります
では次回~




