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フェンリルさん頑張る  作者: けんしょ~
帝都その2
86/145

14話 大胸筋強化計画と雷の秘密だよ!

長かった前振りも終わり、ようやくのオチです!


凍「本当にな」


ここで皆さんにお知らせです

帝都編その2が裏話まで書き終わったので1日1話投稿とさせていただきます

つまり、これからは毎日更新です!


雷「別に言い直さなくても良いでしょうに」

花子「宣伝はやり過ぎなくらいが丁度良いそうですよ?」


では、本編どうぞ~

3日後、帝都の中央病院の上層部の死刑と牢屋行がそれぞれ決まった。変態淑女以外にも上層部の被害に遭って身も心もボロボロにされた看護婦は少なくないらしく、追加調査で出るわ出るわ凌辱やセクハラの証拠品。中には妊娠させたくせに降ろさせたなんて糞野郎も居たようでそいつらは形だけの裁判で死刑になった。

これによって中央病院が受けたダメージはどんなもんかというと、実は大きくない。本当に好き勝手にやってたのは一部でそいつらは仕事もしないで遊んでばかりの金食い虫だったようで実務も財政も逆に安定するだろうって話だ。末端の看護婦や看護士にはかなり同情的な意見が寄せられて患者が大きく減るなんてことも無さそうなんだとか。

つまりは勧善懲悪な展開になったそうだ。


ちなみに、霊帝の支持率は前回の騒動で片腕を失ったことに始まり今回の中央病院上層部一斉摘発で更に上がった。


「何でだ!?」

「そりゃ不正を働いて女を食い物にしてたジジイ共を情け容赦無く罰すれば世論は正義の行いだって思うだろうよ」


上層部の家族は居場所が無くなっただろうがそんなことを民衆は気にしない。この後に上層部の家族たちが虐げられたとして、それを正義と悪のどちらだと判断するかはその時に影響力のある奴の発言で変わるだろう。被害者の身内が上層部の家族を襲ったりしたらそれはそれで見ものだ。


「凍が悪いこと考えてるっ」

「あなた、結構他人の不幸が好きよね」

「凍君って腹黒です」


ちょっと評価が辛口じゃないか?


「凍の性格の悪さは今に始まったことじゃないんだろう? 自分勝手に色々やらかしたって聞いてるよ。ジャングルを襲った村の予備の武器を全壊させたり火薬に水を撒いたり、中々相手が嫌がることを平気でやっていたようじゃないか」


五月蠅いよ。

まあ、良いや。それよりも霊帝の貞操の危機は去ったし、豊胸技術と俺が頼んでいた調べものに関して話してもらおうかな。


「凍に頼まれていた調べもの、ね。ああ、調査結果が出ているよ。それに僕が知っている知識も合わせれば凍が知りたかったことは分かるんじゃないかな」


俺が頼んだ調べ物は黒スライムと前に帝都で魔法陣から出てきた異形たちのことだ。霊帝の話だと霊帝が魔法陣で呼ぼうとしたのは黒スライムだが、実際に出てきたのは様々な魔獣をツギハギした異形のキメラだった。魔石を核にしたキメラは、病院で俺たちと戦った猪モドキと通じるものがある。


「凍の言う黒スライムに関しては答えが出ているよ。キスタニアの王子が予め忠告してくれた話も含めると、あれは魔石が生き物の意識を集めて形を得た魔獣だ」


………………は?


「簡単に言えばスケルトンやゾンビのような形のあるアンデット系と対を成す、形の無いアンデット系の魔獣と言えるね。形が無いから生きているものを襲って自分の形にしようとするんだ。ちなみに黒スライムの核たる魔石は粉状になっているんじゃないかってのが僕の見解かな。

そう考えるとあの異形たちは逆に思念と肉が集まり過ぎてできた新種のアンデット魔獣になる。多分僕が周辺の生き物を魔法陣に集め過ぎたのが原因かな。魔石は本当に何でもかんでも集めるから質が悪いよね。帝都で火事の起こる理由の半分くらいは調理中に魔石が料理人の炎を求める意識に反応して隣家の炎を呼んでしまうからだって言うしね。

いや~、魔石って怖いよね」


ああ、うん。本当に気を付けないとな……


「あ、そうそう。僕が言った豊胸技術ってのも」

「速く速くっ!」

「ハリーハリー!」

「……え~と、魔石を体内に溜め込んで体の部位を強く意識すると長い期間を掛けてそれを集めるって考えられるんだ。だから魔石が体内に存在する状態で胸のことを考え続けると豊胸になるはずなんだ」


ん? でもそれって焔も花子も普段から意識してるし、その意識が雷に劣っているようには思えないぞ?


「ここからが肝心なんだけど……体内に長くあることが大事だから、これは魔獣に限った話になりやすいんだ。人間は体内に魔石を持つことはほとんどないからね」


何だか雲行きが怪しくなってきたぞ。


「つまりね、その……便秘な魔獣ほど意識した体型になりやすいはずなんだ」


その瞬間、焔と花子と俺は雷の下半身を凝視してしまった。

霊帝の話を考えると、雷は結構な便秘体質だということになるからだ。


「ま、待ちなさい。私が便秘だなんて証拠がどこに」

「あまり魔石を出す所を見ないよ」

「雷がトイレに行くことって少ないですよね」

「うっ」


言われるまで俺は気付かなかったぞ。あと、雷はそこで反応したら正解だって言ってるようなもんだぞ。


「つまり、雷みたいに魔石を体に溜め込めば巨乳になれる!」

「焔っ、それです!」


違うだろ!?


「あ~、それから非常に言いづらいんだけどね?」


何だよ、まだ何かあるのかよ。


「その~、魔石は集める、と言うか周囲から持ってくる性質があるから、魔石で巨乳になる者の近くに居ると、大きさが吸われていくはずなんだよね……テヘ♪」


「雷あああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!」

「返してくださあああああああああああああああああああああああああああいっ!!」

「きゃああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!」


突如叫んで雷の胸を襲った焔と花子に流石の雷も恐怖で悲鳴を上げた。うん、普通に2匹が怖いな。


「このオッパイが! このオッパイが私のを小さくしたんだね! 私のオッパイで凍を誘惑してたんだね!!」

「私のっ! 私の胸を返してください! 凍君のための私の胸を!!」

「どうやって返せばいいのよ!? ちょっと、強く握らないで! 痛いわっ!」


何だこの状況。


「私のオッパイで凍を誘惑していただなんて、雷はとんだ悪女だよっ! ずっとオッパイは大きくても凍を好きな仲間だって思ってたのに! 裏切ったんだねっ! 私たちの友情を裏切ったんだねっ!! 返して! 私のオッパイを返してよ! 私以外の誰かが私のオッパイを使って凍を誘惑するだなんて許せない! 殺す! 絶対に殺す! そのオッパイが凍の目に入らないように削ぎ落として切り刻んで焼き尽くして灰を溶かして雷のお墓にしてやるんだからあああああああああああああああっ!!」


「信じてたのに! 雷は胸が大きくても凍君を独占しないで皆で幸せになろうって思ってくれてる、良い家族になれる相手だって信じてたのに! 酷いです! 裏切りです! 血も涙も無い冷血漢でももっと優しい裏切り方をするはずです!! 雷は世界中で起こるどんな悲劇よりも酷いことをしています!! 反省してください! 死んでも許されない裏切りを猛省してください!! 死んで死んで死に尽くして凍君の記憶から消え去って、私たちの思い出からも出て逝って下さい!!」


ああ、これは酷い状況だ。まさか胸の大きさ1つでここまで酷い雷虐めが発生するだなんて。どうにか焔と花子を抑えて解決方法を示さないと今後の空気が最悪になる。


「うぅっ、ひっぐ!」


って、雷がガチ泣きしてる!?


雷「……作者」


さくしゃは にげだした しかし まわりこまれてしまった


ゴメンなさい許して!!


雷「これが前の章で言ってた私の秘密ってわけなのね! 殺してやる!!」


ギャー!


凍「しかし、豊胸の手段が便秘って、どんなだよ」

焔「しかも私の胸の大きさを吸ってただなんて!!」

花子「雷も作者も猛省してください!!」


雷「考えてみると私は被害者でもないかしら!?」


くっ、胴体と首が泣き別れになってしまった

デュラハンでも気取れと言うのでしょうか?


次回、本気でキレた焔と花子、ガチ泣きしてしまった雷を止めるために凍が取るのはどんな行動だ?

お楽しみに~

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